4章
次の日の朝のニュースで、
今回の事件が大々的に報じられ、
情報提供を促す内容も報じられた。
「白雪、起きろ」
と言われ、重いまぶたを開くと
クラスの委員長のアニスが
呆れ顔で立っていた。
「ん?」と寝ぼけ声で僕が言うと
アニスは「次、移動教室だぞ
さっさと起きろ。」と言われて
僕は少しうつむきながら
「ごめんね。アニスいつも」
と言って荷物を持って廊下へ出た廊下を歩きながら、
アニスはきっぱりと
「別に構わない。玲夢の頼み
だからな」と言われて
ふふっと笑って
「ほんと、ラブラブだよね」
と意地悪く言うとアニスは
僕を睨むように
「あんたこそ、いつまで演技続けているつもりだ?あいつが鈍いからと言って、永遠に騙すなど不可能だろう?」と言われて僕は
ニヤッとして
「いやあ。僕の気持ちなんて
わからないのに食べられたいとか言ってんだよ?間抜けだし
あいつのことだから、
食べてもらえたって笑顔で
死んでくんだよ?そう思ったらさ笑えてくるよね。だから、暫くは騙し続けるよ、そ・れ・に♡
騙してるのはあいつの方だからさあ」と言うと、アニスがはあ、とため息をついて
「ほんと、面倒な奴らだな」
と言って教室に入った、
僕も続いて入った。
そして、その日の帰り道
いつものトンネルで詩音と合流すると、詩音が真面目な顔で
「お前のしていることが
殺人事件で犯人捜索が始まったらしい。聴きこみ調査も始まったって、どうするんだよ?白」
と言ったので、僕は笑顔で
「まあ、捕まった時はその時だよね。罪をなかったことにはできないからね」と言うと、詩音が
僕の肩を掴んで「それで!死刑になったらどうするんだよ!?」
と泣きそうな顔で言うので僕は
頬を膨らませて
「捕まらなきゃいいだけだよ
それに捕まっても殺せばいいし」
と言って、詩音の方に向き直って
「帰ろう」と手を伸ばした。
その時に詩音がどんな顔をしていたかなんて見えていなかった。そして後のあの大事件につながるなんて僕はわかるわけもなかった。
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