5章
朝、一時間目に全校集会が開かれて警察として登壇した人を見て、僕はなにか懐かしさのようなものを感じた。授業の間の放課に個人的に呼んで一対一で、事件について聞いていくらしい。面倒だなと考えて僕は顔は割れてないだろうから、本性さえ隠せばいいだろうと思っていた僕の考えは甘かったと気付かされる。
そして、昼放課にアニスと一緒にご飯を食べていると、禮梦が走って教室に入ってきて僕達のところにやってきて、メモを渡した。
そこには、詩音が警察に連れて行かれたと書いてあった。ご飯を急いで片付けて、人のいなさそうなところを探して、そこで禮梦から
話を聞いたところどうも。詩音が僕が捕まったら殺されると勘違いしたらしく、自分が身代わりになれば助けられると思ったらしく、自分がやったと言って連れて行かれたらしい。僕らは、とりあえず今は放課後にもう一度集まって作戦会議をすることになった。
そして、いつものトンネルに三人で集まった。禮梦が「で?どうするか、決めているのかい?」と言われて僕は「とりあえず、詩音を開放してもらって、僕は街を出るよ、遠い場所に行くつもり」と言うと、アニスが「それでいいのか?」と言ったので、玲夢はびっくりした様子で「そんなことよりも親御さんの意見はいいのかい?」と僕はふふっと笑って
「僕のお母さんもお父さんもお兄ちゃんも小さい頃に強盗に襲われて死んだんだ」と言うと、禮梦は「そういうことなら僕の別荘を使うといい、それにちょうど、明後日から夏休みだからね」と言ったのを聞いて、僕は「そっか。禮梦は裕福なお家の人なんだね」と悲しそうに言うと、禮梦は僕の頭を撫でて「だからこそ。こういう時に手助けができるのさ。まあ、こういう時くらいしかお金持ちで良かったと思わないのだけどね」と言った時にアニスが、真面目な顔で「話が終わったならそろそろ詩音を連れ戻さないか?」と言ったので、僕は空を睨んで「そうだね」と言って詩音が連れて行かれたという場所へ向かった。
そしてついた場所は、大きな豪邸のような場所。
僕はその建物を見上げて
「ふわあ。おおきい!」
と漏らすとアニスは「どうやって入るんだ?」と言われて
禮梦がかばんからスマホを取り出して「裏口から、バレたくないのだろう?」と言われて僕は笑顔で「ありがとう!そうしよっか」
と言って裏口から建物に忍び込んで、禮梦が詩音と友になった当初
からつけているというGPSを頼りに進んでいくと、明るい部屋についた少し覗くと詩音がソファに座っていた。安全を確保して部屋に入った。詩音がびっくりした顔で
「零!?」と僕を呼んだ。僕は安心して頬を緩めると、詩音の後ろからルグラン三兄妹が現れた。
僕は「やっぱり、マリア達だったんだ」と言うと、ガロンが悲しそうな顔で「久しぶりの兄妹の再開だぜ?もう少し喜んだっていいんじゃないか?」と言われて僕は「はっ?喜ぶわけ無い
勝手に僕のこと孤児院から拉致ったくせにさ?どの口がそんなことほざいてんだろうね」
とガロンを睨みながら早口に言った。カリンがえへっと漏らして
「だって、仕方ないじゃん
零が可愛かったんだもん」と言うと、マリアが続いて
「まあ、確かにあの場にそぐわないというのは私も納得ですね」
と言ったのを聞いて、ガロンが
笑って「だからさ?戻ってこいよ。零、ここだってお前にはふさわしくない」と言ったのを聞いて
詩音とアニス、禮梦が僕の前に立って、最初に詩音が
「そんなこと決める権利ないだろ!零は俺達と一緒にいて笑ってくれた!俺達にとって必要な存在なんだ」と言うと、アニスが続いて「まあ、同意だな。その人にふさわしい場所を決めるのはその人自身だ、他人に決める権利なんてない」と言うと禮梦は
「いつだって、神や天使は人によって縛られ自由を奪われてきた。この世にそんなものはない。零を縛るものはないとうことさ。」
というのを聞いて僕は
詩音達の方を向いて泣き笑いをして
「ごめんね。皆僕はもう帰るよ。まあ、卒業までは、いるつもりだけどね」と言うと、僕はガロンの方を向いて「いいよね?」と言うと、ガロンは少し詩音達を睨むように「まあ、半年くらいはまってやるさ、可愛い妹の願いだからな」と言ったので、僕は
「あと半年だけどよろしくね。」
と言うと、詩音たちを玄関まで
見送った。そこで、詩音に
「また、会えるよな?」と泣きそうな顔で言われて
僕はニコッと笑って
「言ったろ?半年は学校に行くってだから大丈夫だよ」と言うと
詩音達と別れてドアを閉じた。
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