微睡む

2つの天体が仲良く浮かぶ晴天に風が吹いて、光が隠された。これで寝そびれた月だけが空にあることになる。最高気温に達する時間帯だというのに風があるおかげで随分と涼しく感じた。

ハンモックに腰掛けて空中に舞う塵を眺める。ここはゆりかご。擬似的に胎に戻れる唯一の場所。


部屋の中で1人きり。布に体を預け、これから来る午後特有の気だるさに瞼が重くなる。どうせ着信は来ない。頼られはするが、求められはしない存在であることは自覚している。経験上の話だ。


こうして時間は過ぎていく。そのせいで今日も世間に置いて行かれてしまうとわかってはいるが改善する気は無い。


■■■

【】さんはまっしろの月だけが空にあるよく晴れた真昼、ハンモックに揺られた状態でわたしにだけ伝わっていなかった話をしてください。

#さみしいなにかをかく

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