最終章〜動き出す‥未来へと…
99話〜悟られる
ここはスカイサージュのネリウスの書斎。ネリウスは書類に目を通していた。
(フム。新たな刺客を送った方がいいだろうな。さて、誰を行かせるかだが……。)
そう考えていると扉を開け黄色の聖衣を着た女性が入ってきてネリウスの前に来ると一礼をした。
……この女性はティナ=ストラルーデといい、ネリウスの配下の賢者だ。
「ネリウス様。指示通り警備の者を増やし、結界も更に厳重に張り終えました。」
「ティナか、ご苦労だった。」
ネリウスは少し考えた後、
「……ティナ、丁度いいところに来た。お前にやってもらいたい事がある……。」
ネリウスはティナにレオルドの監視をするようにと指示を出した。
「承知しました。では、そう急に準備が出来次第向かいたいと思います。」
ティナはネリウスに一礼をして部屋を出て行った。
ネリウスはそれを確認すると、
(ゲリュウデス様。グランワルズ様の事なのですが……。)
“ネリウス。まさかグランワルズが我々の事に勘付くとはな。”
(グランワルズ様は、あれからどうなったのですか?)
“うむ。探して見たのだがな……ガルドの所にもいる様子はなかった。ただ、グランワルズが姿を消したと同時期に、運命の女神フェリアがブラットと契約をし、何故か人間の姿になった。ネリウス、これをどう思う?”
(確かに、余りにもタイミングが良過ぎます。そうなると、やはりレオルドに力を貸している神とはグランワルズ様なのでしょうか?)
“いや、それはないだろう。恐らくレオルドに力を貸している神は、我よりも格下の神かもしれぬな。”
(何故、そう思われるのですか?)
“我よりも格上の神であれば、コソコソと動いてなどいないだろうからな。”
(なるほど、確かにそうですね。では、レオルドに力を貸している神とは、いったい……。)
“それが分からぬのだ。我が勘付く寸前で消える。まるで空間を操っているかのように……な………待て!もしや……まさかな。あの女神が。だが、それはないとは言えぬ。自分のテリトリーを利用されたのだからな。”
(ゲリュウデス様。いったいその女神とは?)
“空間を管理する女神ブルーノア。恐らくは、我が空間を使いブラットと接触した事で、動き出したのだろう。”
(なるほど。しかしブルーノア様は、今どこに?)
“恐らくは、レオルドの所であろうな。だがあれは、空間を自在に操る。一度空間に逃げられれば、我でも探すのに困難だ。さて、どうする……。”
ゲリュウデスとネリウスはしばらく考えていたのだった…。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます