42話〜皇帝と昔の仲間

 ここはシェイナルズ城の皇帝マグドの部屋。


 マグドは清楚な感じの女性と話をしていた。


 そしてマグドは微笑みながら、


「久しぶりだな、マリアンヌ」



 その女性はマリアンヌ=ルーチェといい、この国の中でもかなり高い地位にいる貴族の1人である。



「フフフ。本当に、お久しぶりですわね。マグド」


 マグドは、テーブルの上に置いてあるお酒の入ったグラスを2人分持ち、マリアンヌに片方のグラスを手渡した。


「それにしても珍しいな、お前が、ここに来るとは」


 マリアンヌは少しお酒を飲んでから、


「少しお聞きたい事がありましたので」


 マグドも少しお酒を飲んでから、


「それは、ガルドの息子のブラットの事か?」


「ええ、良くお分かりになりましたね」


「それで、何が知りたいんだ。ただ、昔の仲間とはいえ、話せる事と話せない事があるが」


「そうですね。私が知りたい事は、ブラットが持っている力が何か……なのですが」


「力が何か。それは、この私にも分からないのだ。今、私の配下の者と、この城の賢者に調べさせてはいるが、だが、何故お前が、それを気にする必要があるのだ?それに、何故力の事を知っている?」


「それは、私の配下の者達が噂をしていたので気になったのです」


 マグドは少し考えてから、


「ふっ、お前は昔から何を考えているか分からないやつだったが、さらに、分からなくなった」


 マグドはお酒を飲みながら溜息をついた。


 マリアンヌはお酒の入ったグラスを、テーブルの上に置いてから、


「そうなのですね。フフフ……そうなると、やはりマグド貴方も、そして私も、その力が何なのか気になる所ですわよね」


 マグドもお酒の入ったグラスをテーブルの上に置いてから、


「何が言いたい。マリアンヌ、まさかとは思うが。お前……」


「さあ、何の事を言おうとしているのか、分かりませんが。それでは、今日の所は用も済みましたので、帰る事にしますわね。それではまた」


 マリアンヌは席を立ち会釈をして部屋を出て行った。


 マグドはその場で頭を抱え考えこんでしまったのだった…。

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