13話〜ガルドのフェリアへの疑問

 翌朝、フェリアは部屋から出ると、そこにはガルドがいた。


「よっ、おはようフェリア。少しいいか話があるんだが?」


「おはようございます。ガルド、構いませんが?」


「なぁ、フェリア。皆に隠してる事があるんじゃねぇか?」


「何の事でしょうか?」


「確か、お前はブラットの為に、一時的に人間になったって言ったよな?」


「ええ、そうですが」


「本当に一時的なのか?俺が知る限り神や女神が人間になるには、余程の覚悟がいる筈だが」


「そっ、それは……」


「やっぱり、そうなのか、でもそうまでしてブラットを?」


「はい、確かにガルド貴方の推測どうり、私はこの件が片付いた後、完全に人間になってしまいますが、ブラットに強くなっていただく為、そして世界を救う為に私は女神の座から退きました。いえまだ退いてはいませんが」


「ん?退いてねぇって、どういう事だ」


「はい、まだ退いてはいません。私は退いてもいいと思っていましたが、神王様が許してくれませんでした。この件が片付き、その後であれば自由にしろという事です」


「なるほどなぁ。神王も考えたって訳か、お前の力が使えなくなるとブラットを助ける事が出来なくなる」


「ええ、恐らくは、そうではないかと」


「んで、お前は人間になりたかったのか?」


「ええ、確かに憧れはありました。何にも囚われず自由気ままに生きれたらと。流石に口に出したのは今が初めてですが」


「なるほどなぁ。まぁ、そういう女神に会ったのは、流石に俺も初めてだがな」


 そう言うとガルドは手を振り、


「じゃ、朝飯にでもするか」


 ガルドは食堂に向かった。


 それを見てフェリアも後を追ったのだった…。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る