12話〜それぞれの思惑

 その頃城ではガルドがいなくなったと皇帝マグドに知らせが入った。


「そうか。しかし、こうも早く気づかれるとはな」


 警備兵の1人が、


「申し訳ありません!まさかあんな事で、こうもあっさり逃げられるとは」


「ほう、それはどういう事だ?」


「それは向かわせたものが女だった為なのか」


「なるほどそういう事か、それはお前達がガルドを知らなすぎたせいもある。奴は昔から女好きだったからな」


「はあ……」


「ガルドの待っていた部屋に向かわせた女は、おそらく、ガルドに何か甘い言葉でも言われたのだろうな」


「それであんな気がぬけたように」


「まぁ、それはいい、恐らく明日あたり、ブラット=フレイが村を出るはずだ。それでだが、後をつけレオルドと合流して欲しいとエリーゼに伝えて欲しいのだが?」


「分かりました。エリーゼ様には、そのようにお伝えしておきます。それでは、失礼します」


 警備兵はエリーゼの所に向かった。


 マグドは少し考えた後、奥の部屋に向かった。



 とある屋敷では、黒いローブの男が上品な女性と話をしていた。


 そして黒いローブの男は、


「先ほど面白いものを城下街で見てまいりました」


「ほう。それはどの様な面白い事なのか楽しみですね」


 黒いローブの男は城下街であった事を話た。


「それは確かに面白い事ではありますが、私達にはすごく不味い事なのではないのですか?」


「はい、そうです。それで、どうしたらと思い、この様にご相談に伺ったのです」


「そうですね。しばらく様子を見る事にしましょう。お前は、その者を尾行しなさい。そして私に連絡を」


「分かりました。では、失礼します」


 そして黒いローブの男は一礼をすると、屋敷の中から出て行ったのだった…。

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