最終話~エピローグなのに……。

 ここは名もなき城の中庭にある南側の祭壇。ここにはタツキとミクとチビブルーシャギオスの他にハクリュウとクロノアとクルフがいる。


 ミクはハクリュウ達に自己紹介をした。


 その後、五人はユウとクレイを待ちながら話をしている。


「今のところ、俺たち五人か」


「タツキさん、そうですね。まだユウさんとクレイさんは来ていないのか」


「ああ、ハクリュウ。まあ、あの二人は念入りに探しているかもな」


 そう言いタツキは苦笑した。


 そうこう話をしてると上からチビシェルギオスとチビブラグジオスが降りてくる。


「何をしておる?」


「シェルギオス、ユウとクレイを待っているんだが」


「うむ、なるほど……そうか。それはそうと、この女性は誰だ? どこかでみたことがある気がする」


 そうシェルギオスが聞くとミクは、ニコッと笑みを浮かべた。


「シェルギオスにブラグジオス、お久しぶりなのら」


 そう言われるもシェルギオスとブラグジオスは分かるようで分からず混乱する。


「分からないのか? ミクだぞ」


 そうブルーシャギオスに言われシェルギオスとブラグジオスは驚いた。


「ま、まさか……ここまで成長しておるとは……」


 そう言いシェルギオスは、マジマジとミクをみる。


「うむ、これは中々胸も育っておるな」


 ブラグジオスはミクの胸を、ジーっとみた。


「どこをみているのらっ!」


 そう言いミクは偶々近くに置いてあった棒でブラグジオスを叩く。


 叩かれブラグジオスは、プクッとタンコブが頭にできる。そして涙目になりながら頭を摩った。


「相変わらず……見た目と違い狂暴じゃな」


「狂暴って、ブラグジオスが悪いからなのら」


「その通りだ。ミクがやらなかったら俺が殺していた」


 そう言いタツキは、ブラグジオスを鋭い眼光で睨んだ。


「すまない……気をつける。また封印でもされたら敵わん」


 かなり封印されていたことがブラグジオスは嫌だったらしい。


「何を……話して……るんだ」


 そう言いながらユウは不機嫌な表情で、ハクリュウ達のそばまでくる。


「いや、大したことじゃない」


「そうですか……それで、なんでミクがここに居る?」


「ユウ、分かるのら?」


 そう問われユウは頷いた。


「分からない訳ないだろ……タツキさんと……べったりだし。それに……ステータス画面……みれるしな」


 そう言われミクとタツキは苦笑する。


 その後ミクはユウに経緯を話した。


「そうか……でも、なんでこんなに……この世界に召喚……されてるんだ?」


 そうユウが言うと五人は首を横に振る。


「ユウの言う通りや。前に聞いとった感じとは明らかにちゃう」


 いつの間にか来ていてクレイは、そう言い六人を順にみた。


「クレイ……いつの間に、ここに来た?」


「タツキ、ユウのあとに来た。それよりも、なんか変や思えへんか?」


「そうですね……確かに変です。普通なら三祭壇で召喚される」


 そうハクリュウが言うとタツキとミクは、コクッと頷き考え込んだ。


「俺が過去に余計な祭壇を造ったせいなのか?」


「それは私も一緒に造ったのら」


「んー……それは、ないと思うよ」


 そうクルフが言うと六人は不思議に思った。


「クルフ、どういう事なの?」


「お姉さま……それはですね。ニック様の作戦の一部」


 と言った直後クルフの眼前に魔法陣が現れる。近くにいたユウは、それに気づき巨人の盾を持ちクルフの前に立った。


 その間タツキは後ろからクルフの体にタックルする。そしてそのままクルフに覆い被さるように地面に横たわった。


 それをみたクロノアは杖を構え周囲を警戒する。


 クレイは槍を構え魔法陣を見据えた。


 三体の龍は何が起きても直ぐ動けるように体勢を整える。


 そしてハクリュウは細身の剣を構え魔法陣を見据えた。


 すると魔法陣が発光し、そこから無数の光線が放たれる。


 それをユウが持つ巨人の盾で防ぐも耐えるだけでもやっとだ。


「クソオォォオオオー……堪えるだけで精一杯だ」


「ユウさん、少しの間……堪えてください」


 そうハクリュウが言うとユウは軽く頷いた。


 それを確認するとハクリュウは、メニュー画面を開きメイン装備とサブ装備の双竜の盾を交換する。


(ハクリュウ……その盾を手に入れてたのか。コッチのキャラには持ってなかったから助かる。ん? じゃあ……ルークをマスターしてるってことだな)


 そう思いタツキは嬉しくなり笑みを浮かべた。


 ハクリュウはユウの真後ろに立ち双竜の盾を構える。


「ユウさんどっちかに避けてください!!」


 それを聞いたユウは素早く右に避け伏せた。


 それをみた他の者たちも地面に伏せる。


 それと同時に魔法陣から大量の光線がハクリュウへと向かってきた。


 それをみてハクリュウは双竜の盾を迫りくる光線へと向ける。


 《圧制の代償!!》


 そう技名を言うと同時に光線は双竜の盾にあたった。すると倍になり跳ね返って、魔法陣へと命中する。



 ――ドガアァァアアアーンッ!!――



 そう辺りに大きな音が鳴り響き光線もろとも魔法陣は跡形もなく消え去った。


「ハァー……消えた」


「ハクリュウ、よくやった」


 そう言いタツキは立ち上がりハクリュウのそばへ歩み寄る。


「クルフは狙われたみたいね」


 クロノアはそう言いながらクルフへ手を差し伸べた。


「ええ、お姉さまありがとうございます。それとみんな……ありがとう」


 立ち上がりクルフはお礼を言ったあと怖かったらしく涙を浮かべる。


「よかったのら……なんか私の出番はなかったみたいなのらね」


「不満そうだな」


「そうでもないのら、それよりも……ここじゃない所で話した方がいいかもなのらよ」


 そう言われ六人は、コクリと頷いた。


「そうだな……じゃあ、このメンバーで旅をしながら話をしよう」


「タツキさん、そうですね。それはいいけど、このガインはどうしますか?」


「それなら私が拘束して誰かが運べばいいのら」


 それを聞きタツキは考える。


「ここから運び出すのはいい。その後、どこに連れて行く?」


「革命派のアジトやったら丁度ええんちゃうんか?」


「クレイ……お前がいたところか?」


 そうタツキに問われクレイは頷いた。


「……そこまで距離はあるのか?」


「距離はある。せやけど三ヶ所の城のどっかに連れて行くよりはましや」


 そう言われタツキは頷いたあとガインの方へ視線を向ける。


「じゃあ……そうするか。まあ途中で荷馬車を手に入れれば何とかなるな」


 それを聞き六人は頷いた。


 その後、ハクリュウ達は話し合い男性陣が交代でガインを担ぐことになる。


 それからハクリュウ達、七人と三体の龍はガインを連れて名もなき城を出て革命派のアジトを目指したのだった。




 ――……一旦この話は、ここで幕を閉じる。そしてまた逢える日まで……。――――【第一幕★完】

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旧異世界勇者の子孫達の陰謀と新異世界勇者達!!〜ゲームにログインしたら異世界に召喚されたけど。そもそも何で召喚されたんだ?……〜【第一幕】 ミケネコ ミイミ♪ @myimi

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