196話〜自覚なしと戸惑い

 ここはデブピエロ悪魔が居る場所。


 あれからブルーシャギオスはハクリュウの所へ行きクレイに言われたことを伝える。


 それを聞きハクリュウは下で待っているタツキとクレイの所へと向かった。



 そして現在、ハクリュウはクレイから話を聞いている。


「属性の相性が悪い……それって倒せないってことなんですか?」


「いや、倒せる。今から教える方法をつこたらな」


 そう言いクレイはハクリュウにデブピエロ悪魔の倒し方を教えた。


「……その方法だとタツキさんに手伝ってもらわないと」


「そうなるやろうな。せやけど、これしかあれへん」


「確かに……これしかないだろ。ただ連携がとれないと倒せない」


 そうタツキが言うとクレイは二人をみる。


「そこは上手う息を合わしたらええ。それともタツキ、なんか不満なのか?」


「そうじゃないが……不満と云うよりも不安なんだ」


「どういう事ですか? 俺なら大丈夫です」


 それを聞きタツキは頭を抱えた。


「それなら聞く。ハクリュウ、連携プレイできるようになったのか?」


「まさか、でけへんのか?」


「……待ってください。なんで俺が連携できないんですか?」


 そう言いハクリュウはタツキとクレイを睨んだ。


「相変わらず自分で理解してないようだな」


「言ってることが分かりません」


「さっきもそうだったが、お前は人のいう事を聞かない。それだけじゃない、他人の気持ちを理解しているようでしてないからな」


 そう言われハクリュウは一瞬、ムカッとするが思い返してみる。


「…………そう……ですね。確かに自分のことしか考えていなかったかも」


「それで……今度こそ俺の指示通り動けるか?」


「はいっ! 勿論です。タツキさん、すみませんでした」


 ハクリュウはそう言い頭を下げた。


「分かればいい。じゃあ、やるか」


 そう言われハクリュウは、コクッと頷いたあと空を見上げる。


「話は済んだようやな。ほな、ここでみてる」


「ああ、なんにもないと思うが……もしもの時は頼む」


 それを聞きクレイは、ニヤリと笑みを浮かべ頷いた。


 その後タツキはデブピエロ悪魔のそばへ歩み寄る。


 それをみたハクリュウは宙に浮かんだあとデブピエロ悪魔の真上へと移動した。


「タツキも、そないに連携が得意ちゃう思うねんけど。まあええか……本人は意外と気づけへんもんだからな」


 そう言いクレイは、タツキを見据える。




 ――場所は移り中庭の上空――



 その様子をブラグジオスは、なぜかワクワクしてみていた。


「さて……次は、どうやって戦う?」


 そうブラグジオスは言い上空を旋回する。


「……!?」


「ブラグジオス、随分楽しそうだな」


「なんでここにシェルギオスがいる? お前はハクリュウと一緒じゃないのか」


 そう言われシェルギオスは、ハァーっと溜息をついた。


「ハクリュウの今の能力が完全体じゃないのは知っているはずだ」


「そ、そうだったな……。だが、そばに居なくていいのか?」


「そうだな。ちょっとお前と話したくなって来てみた」


 ブラグジオスはそう言われ焦っている。


「そうか……だが、我は話すことなんてない」


「何を焦っている……我がここに居ては何か不都合なのか?」


 そう問われブラグジオスは言葉に詰まり応えられなかった。


 それをみてシェルギオスは更に問い詰める。


 そしてその後も、シェルギオスはブラグジオスへ質問を続けたのだった。

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