193話~南側の祭壇、作戦完了

 ここは南側の祭壇。


 翼を羽ばたかせ宙に浮くとタツキは、ハルバードを振り回しながら巨大な銃剣を見据える。そして、そのまま巨大な銃剣へと向かった。


 片やクレイは、ガインと巨大な銃剣へ猛スピードで向かっている。


 それに気づくがガインは、どうすることもできないでいた。


 そう巨大な銃剣から体内に流れ込む、とんでもない魔力と強力な能力により耐えるだけでやっとなのだ。


(ク……ソッ、もう限界だ。このまま……終わっちまうのか……何もしないで……)


 そう思いガインは諦めかける。


 と、その時……。


「ハアァァアアアー……」


 そう言いながらタツキは、ハルバードの矛先を巨大な銃剣に向けた。


 そしてそのままの体勢でタツキは、銃剣に設置されているマナを溜める装置へ照準を合わせる。そして、思いっきり力を込めて突き刺した。


 すると……ピキィ、バリバリ……そう音をたてヒビが入り始める。


 それを待っていたかのようにクレイは、勢いよく跳び上がった。そして即座に空中で回転すると、銃剣を持っているガインの手を思いっきり蹴る。


 その拍子に銃剣は、ガインの手から離れ落下した。


「ウワアァァアアアー……」


 ガインは余りの痛さにそう叫んだ。


 片や巨大な銃剣は、二個の魔力吸引装置の間に落下する。


 それと同時に、両方の魔力吸引装置が同時に作動した。その後、巨大な銃剣から漏れる魔力を吸収し始める。


 それを確認するとタツキは、即ガインの方へ向きを変え手元からハルバードを消した。そして何も持たず身構えると、ガインへと突進する。


 それを視認するとクレイは、もう一個の魔力吸引装置をとり出した。


 この魔力吸引装置は、先に出した二個よりも大きめである。……って、どんだけ持ってるんだろう。


 するとタツキは、ガインにあたり地面に押し倒した。その後、ガインを押さえこんだ。


「あーアアァァァアアアアアー……」


 そう叫びガインは、暴れ始める。


 そうまだガインの体には、魔力……マナが大量に溜まっているからだ。


 クレイはそれをみるとガインの下へ駆けつける。そして、即座に大きめの魔力吸引装置をガインの脇に置いた。


 すると大きめの魔力吸引装置が動きだす。そのあとガインの体からマナを吸引し始める。


 徐々にガインは落ち着いてきた。そのため暴れなくなり、かなり体力を消耗していたので眠ってしまう。



 ――……見事な連携プレイだ。



 その後クレイは、やっと終わったと思い肩の力を抜いた。


「フゥ―……これで、ええやろ」


 それを聞きタツキは、頷き立つとガインから離れる。


「こんな方法でよかったんだな」


「ああ、そういう事や。さて、これからどないするんや?」


「そうだな。とりあえず俺は、銃剣の方とガインの体内に蓄積しているマナを吸引し終えるまで待機する」


 そう言いタツキは、ガインをみた。


「そうやな……魔力吸引装置を回収せななれへん。ってことで、もう少しここにおる」


「そうか……そうだな。クレイ……今回は、本当に助かった。お前がいなかったら、どうなっていたか分からない」


「タツキ、自分らしゅうない。せやけど……そうやな。そう考えると、なんでここにおるんか……意味のあることなんやって思える」


 それを聞きタツキは、微かに笑みを浮かべる。


 そしてその後も二人は、色々と話をしながら待機していたのだった。

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