191話~みえてきた光

 クレイはタツキから呼ばれた理由を聞いた。


「そういう事か……なるほど自分は、俺を信用してへんのやな」


「そういう訳じゃない、ただ確認したかっただけだ」


「ほんまか? まあええか。ほんで、それだけで呼んだ訳ちゃうよな」


 そう言いクレイは、ムッとしている。


「ああ、勿論だ。早速だが、お前ならあの武器をどう破壊する?」


 そう聞かれクレイは、巨大な銃剣へ視線を向けると呆れた表情を浮かべた。


「あのなぁ……なんで早よ対処せーへんかった?」


「確かにな。俺も、もっと早く銃剣を破壊できていればと……思ったよ」


 悔しい表情を浮かべタツキは、巨大な銃剣を見据える。


「ってことは、タツキの前は誰がここにおった?」


「ハクリュウだ。だけど……アイツが、ここでもたついてなかったとしても……破壊は無理だっただろうな」


「いや、そらちゃうな。まあそのことはええか。それにまだ間に合う。ちゅうか、なんで早よ武器を引き剥がせへんねん!」


 そう言われるもタツキは、クレイが何を言いたいのか分からない。


「間に合うって、どういう事だ? まさか、ガインの命が救えるって云うんじゃないだろうな!」


「ああ、救える。せやけど、一人じゃ無理やけどな」


「どうすればいい? ブルーシャギオスの技でも駄目だったのに……」


 それを聞きクレイは、頭を抱え首を横に振る。


「自分らしゅうないな。まあええ、今から教えるから、良う聞いときや」


 そう言うとクレイは、どう対処するのかを説明し始めた。



 ★☆★☆★☆



 その頃ハクリュウは、デブピエロ悪魔へ適当な攻撃をしている。そう、デブピエロ悪魔の口を開けさせるためだ。


「ハァハァハァ……クソッ、なかなか口が開かない」


「諦めるなよ」


「シェルギオス……俺は、諦めが悪いんだ」


 そう言いハクリュウは、大剣を構え直しデブピエロ悪魔を睨みつけた。


「なるほど……それは良いことだ」


 それを聞きハクリュウは、ニヤリと口角を上げる。その後、再びデブピエロ悪魔に乱撃していった。


 するとデブピエロ悪魔は、体をかき始める。


「カユ……イ。イイカ……ゲンニ……ヤメ……――」


 ハクリュウは今だと思った。


 《白龍聖雷突き!!》


 そう言い放つとハクリュウは、即座に大剣の刃先を斜め下に向けながら宙を跳ねるように駆けだす。


 それに気づいたデブピエロ悪魔は、口を閉じようとする。


 だが、時既に遅し……。


 ハクリュウは、デブピエロ悪魔の口腔へと大剣の刃を思いっきり突き刺した。それと同時に、刺した場所に魔法陣が現れる。そしてその魔法陣から、聖なる雷が放たれた。


「グエェェエエエー!!」


 奇妙な叫び声が響き渡る。


 するとデブピエロ悪魔は、暴れ出しハクリュウを叩き落した。


「グハッ!!」


 地面に叩きつけられハクリュウは、一瞬視界が暗くなる。だが、なんとか持ち堪えた。


「クソッ……効いてるけど、まだだ!」


 そう言いハクリュウは、再び宙に浮かび上がる。


 そしてその後もハクリュウは、デブピエロ悪魔を攻撃していった。

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