189話~戦闘開始といきなりピンチ

 ここは南側の祭壇付近。能力にのまれないようにガインは、ひたすら耐えていたが限界に達していた。


 その様子をみてタツキは、険しい表情を浮かべる。


「クソッ……ハクリュウが、もたついてなければ」


 ”タツキ、聞こえるぞ。それよりも、さっさと終わらせろ”


「ああ……そうだな」


 そう言いタツキはハルバードを構え直した。


 《蒼龍矛槍水渦爆乱撃!!》


 そう技名を言い放ちながらハルバードを乱雑に振りまわす。すると矛先に水が現れて、それは螺旋を描きながら渦をつくっていった。


 その水の渦を確認すると、ガインの持つ巨大な銃剣へハルバードを振り下ろす。


 それと同時に、即座に動きガインへ向かいながらハルバードを振りまわし突っ込んでいった。


 水の渦はハルバードの動きに沿って移動している。


「……今、楽にしてやる!」


 そう言い放つとタツキは、全身を使い水の渦を操作しながら巨大な銃剣に刃をあてていった。



 ――カーン……ギギギィー……ビリビリ……カンカーン……ザザーン……カカーン……――



 ハルバードの刃と水の渦が巨大な銃剣にあたる音が辺りに響き渡る。


「ウワアァァアアアー……」


 それと同時に、ガインの苦痛の声も周囲に響いた。


 それを聞きタツキは、つらい表情を浮かべる。だが、それでも更に攻撃をしていった。



 ★☆★☆★☆



 一方ハクリュウは宙に浮きながら、大剣を構えデブピエロ悪魔を睨んでいる。


「ヨワ……ソウ、ダ」


「クッ、悪かったな……弱そうで!」


 ハクリュウは、ムッとした。


 それをみてデブピエロ悪魔は、ケラケラ笑い始める。


「腹立つなぁ」


「ハクリュウ、挑発に乗るな。冷静に判断して攻撃しろ」


「ああ、分かってる。どうせ話も分からない化け物なんだろうからな」


 そう言いハクリュウは、大剣を斜め上に振り上げ重心を落とした。


 《白龍聖光波斬撃!!》


 そう言い放つと同時に振り下ろす。すると眩い光の斬魔が放たれる。それを確認したかのようにハクリュウは、デブピエロ悪魔へ突撃した。


 ハクリュウはデブピエロ悪魔に向かいながら大剣を斜め下に構える。


 それをみたデブピエロ悪魔は大きな口を開けると、ハクリュウが放った光の斬魔ごと思いっきり吸い込んだ。


 それに気づくもハクリュウは、急に立ちどまることもできない。


「しまった!?」


「クッ、まさか……このままではのみ込まれるぞ。旋風光を使え!!」


 そうシェルギオスに言われるも、今のハクリュウには聞こえていなかった。そう混乱していたからだ。


 ハクリュウはデブピエロ悪魔の下唇にしがみついている。


「クソッ……」


 一方シェルギオスは、のみ込まれないようハクリュウに必死でしがみついていた。


「まずい……今のハクリュウには、我の声が聞こえていない」


 そう言いシェルギオスは、この場をどう回避するか考えている。

 そしてその後もハクリュウとシェルギオスは、デブピエロ悪魔にのみ込まれないように必死に耐えていた。

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