188話〜交代と適性
「いい加減にしろ! そもそも、こんなことをしてる状況じゃない!!」
「嫌だ! 俺は、なんとかして助けたい」
「そんなこと無理だっていってるんだ!」
そう言いタツキは、ハクリュウを睨んだ。
「無理かどうかは、やってみないと分からない!」
「……話にならんな。それに元々お前とは考えが合わない」
「それは……だけど……」
ハクリュウは何も言い返せなくなる。
「ガインのことは諦めろ……そうでないと、みんなが犠牲になる。それにハクリュウ、今お前が死んだら……誰がこの世界を救うんだ?」
「俺の代わりはいる。また召喚……いや、それだと別のヤツが犠牲に……」
「そういう事だ。分かったなら、今やるべきことをしろ! もしガインの方が嫌なら変ってもいいぞ」
それを聞きハクリュウは、コクリと頷いた。
「そうですね。今の俺では、恐らくまた躊躇う……。タツキさん、お願いします」
「ああ……それでいい。じゃあブラグジオスの分身は、お前に任せた!」
「はい、分かりました!」
そう言いハクリュウは、デブピエロ悪魔の方へと向かう。
それをみたタツキは、ガインを見据える。
(さて……やるか。確かにハクリュウの気持ちは分かる……俺だって、それができればそうしたいからな。でも今は、それができない状況だ)
そうタツキは自分に言い聞かせる。
”それでいい……つらいだろうがな”
そうブルーシャギオスに言われタツキは頷いた。
その後タツキは、ハルバードを構えガインを見据える。
一方ハクリュウは元の姿に戻ろうとしているデブピエロ悪魔の下まで来ていた。
「コイツをやればいいんだよな?」
「ああ、そうだ。だが気をつけろ……タツキが苦戦していた相手だ」
「そうだな。やっぱり、コッチの方がいい……さっきより冷静になれてる」
そう言いハクリュウは、大剣を身構える。
「ハクリュウ、油断はするなよ」
「ああ……そうだな。だが、飛べないのにどうやって攻撃したらいい?」
「問題ない……待っていろ!」
そうシェルギオスは言うと、ハクリュウの肩から飛び立った。その後ハクリュウの頭上にくると、光り輝く粉を振りかける。
するとハクリュウの体が宙に浮いた。
「これならいける! ありがとう、シェルギオス」
「ああ、問題ない……行くぞ!」
そう言いシェルギオスは、再びハクリュウの肩に乗る。
それを確認するとハクリュウは、デブピエロ悪魔を攻撃しやすい位置まで移動した。すると、大剣を構え直しデブピエロ悪魔を睨みみる。
それを待っていたかのようにデブピエロ悪魔は。元の姿に戻ってしまった。
「まあいいや……戻ったとしてもな」
そう言いハクリュウは、ニヤリと笑みを浮かべる。
そしてその後ハクリュウは、デブピエロ悪魔へと向かっていった。
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