185話~苦戦と硬化
ここは南側の祭壇より北東付近。
タツキはハルバードを構えデブピエロ悪魔を見据えている。
「ふぅー……」
そう息を吐き吸った。
《蒼龍槍刀乱斬り!!》
そう叫ぶとタツキは、ハルバードを思いっきり後ろに振り上げる。その反動で体を回転させながら、デブピエロ悪魔へと刃をあて斬っていった。
だがデブピエロ悪魔は斬られ分裂するも、また元に戻ろうとしている。
それでも、まだタツキの攻撃は続いていた。
「クソォー、まだだぁー!!」
そう大声で叫び、畳みかけるように攻撃を仕掛ける。
《蒼龍槍連水斬!!》
そう言うとハルバードの刃を水が覆った。
それを確認するとタツキは、即座にハルバードを振り上げデブピエロ悪魔に目掛け振り下ろす。
振り下ろされた刃は、周囲に水飛沫をまき散らしながらデブピエロ悪魔を連続で斬っていく。
――ギョエェェエエエー……――
そう奇妙な叫び声が、辺りに響いた。
デブピエロ悪魔は、水を含んだ攻撃を受けたせいか変形を停止させる。
そう体内に水を含んだせいで硬くなり変形できなくなったのだ。ただこれは、一時的なものにすぎない。
”タツキ、安心するな! また動き出すぞ”
そう言われタツキは頷いた。
「ああ、分かった。だが、動き出す前に終わりにする!!」
タツキはハルバードの刃を上向きに構え直して、デブピエロ悪魔を見据える。
《蒼龍飛空旋回斧槍連撃斬!!》
そう言い放った。それと同時にハルバードを突くように掲げる。
すると大きく翼を羽ばたかせた。その翼の動きを、加速させていく。その後、デブピエロ悪魔の上を高速で飛びまわる。
その速度は、目で捉えられないほどだ。
その気配を察知しデブピエロ悪魔は、急ぎ硬くなった体を柔らかく変化させようとしている。
高速で旋回しながらタツキは、ハルバードを振り回した。
「クッ……キツい……。ツウ……」
そう言うとタツキは、危うく舌を噛みそうになる。
“タツキ、気を付けろ!!”
タツキはそれを聞き心の中で頷いた。
その後ハルバードを振り回しながらタツキは、デブピエロ悪魔へと旋回しながら急降下する。
デブピエロ悪魔は軟化が間に合わないと思い咄嗟に硬化した。
そんなことに気づいていないタツキは、そのまま急降下しハルバードを振り回しながらデブピエロ悪魔を高速で斬り突くを繰り返す。
――キイィィイイイーン……キッキーキイィィイイイーン…………――
辺りに金属にあたったような耳障りな音が鳴り響いた。
タツキは弾かれ壁スレスレで静止する。
「ハァハァハァ……硬化だと! 聞いてないぞ」
”そうだな……我も驚いた”
「これ、どうするんだ?」
そう言いながらタツキは息を整えた。
”うむ、金属か……じゃあ、アレをやるか”
「アレって……なんか他に技があるのか?」
”ああ、あるが……。また軟化してしまえば、無意味だがな”
それを聞きタツキは、ブルーシャギオスからその方法を聞く。
そしてその後タツキは、再びハルバードを構えデブピエロ悪魔を見据えた。
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