184話~ハクリュウからかわれる

 ここは南側の祭壇付近。


 あれからハクリュウは、シェルギオスから能力のことについて教わる。


 そして現在、ハクリュウはガインをみながらどう対処するか考えていた。


「今ある能力でガインが持っている武器を破壊するなら、どれがいいだろう?」


「……ハクリュウ、やはりお前はリュウキ……タツキと思考が違うな」


「そうだろうな……リュウキさん。ううん、タツキさんとは違うから当たり前です」


 そう言いハクリュウは、肩に乗っているシェルギオスをみる。


「そういう事ではない。お前は、決断が遅い……いや、慎重すぎる」


「んー……そうなのかな。俺は考えなしにやると、いつも失敗する。さっきも頭に血がのぼって、危うくやらかすとこだった。いや、そのせいでタツキさんに怪我させたから」


「なるほど……要は馬鹿なのだな」


 それを聞きハクリュウは、ムッとした。


「クッ……悪かったな! なんでお前に、馬鹿って言われなきゃならないんだ」


「……意外だ。かなり感情の起伏が激しいようだな」


「なんでこんな時に……分析してるんだ?」


 そう言われシェルギオスは溜息をつく。


「分析か……ただ、お前のこと理解しようとしているだけだが」


「そうはみえない……それって、粗探しって云うんだ!」


「そう思うならそうなんだろう。フッ、だが……ガキだな」


 シェルギオスはそう言い、呆れた表情になる。


「なんなんだ! さっきから、まるで俺を怒らせるような発言ばかり」


「それで、怒っているのか? そうはみえないが。ただ、機嫌が悪くなっただけだろう」


「……機嫌、って……それは、そうだな。確かに……動揺して、機嫌が悪くなってるだけだ」


 それを聞きシェルギオスは笑った。


「ハクリュウ、お前をからかうと面白い」


「からかうって……じゃあ、ふざけて言ってたのか?」


「ああ、それにお前の反応をみたかったのでな」


 そう言われハクリュウは頭を抱える。


「そうか……まあいいや、こんなことやってる場合じゃないしな」


「ほう、意外と切り替えが早い」


「そうか……それよりも、ガインの武器をどうにかしないと」


 シェルギオスはそう言われ考えた。


「ああ、そうだな……。馬鹿なことを言っている暇はなかった」


「それで、どうする?」


「うむ、あの武器をか……お前はどう思う? あの武器を破壊や引き剥がしたところで……ガインは助からんぞ」


 そう聞かれハクリュウは悩んだ。


「やっぱり無理なのか……だけど、できるだけガインを傷つけないように武器を破壊か引き剥がしたい」


「そうか……まぁ、それも良いかもな。じゃあ、アレがいいだろう」


 そう言うとシェルギオスは、どの能力がいいのかとその使い方をアドバイスする。


 そしてハクリュウは耳を傾けて、シェルギオスの説明を真剣に聞いていたのだった。

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