183話~変形

 タツキはハルバードを構えデブピエロ悪魔を見据えている。


 デブピエロ悪魔はそれに気づくも無視していた。


「おいっ、無視かよ!!」


 そうタツキが挑発するもデブピエロ悪魔は、更に無視し続けている。


 それをみたタツキは、ハルバードを振り回しながらデブピエロ悪魔に攻撃した。


 デブピエロ悪魔はダメージを多少受けるが、何もなかったようにハクリュウの方へ向かっている。


「クッ……おいっ、完全に無視かよ! ああ、分かった。技を使いたくなかったが……仕方ねぇよな」


 そう言いハルバードを頭上で回転させた。その後、身構える。


 《青龍旋回乱撃!!》


 そう言い放つとタツキは、体を捻りながらハルバードを振り回し旋回してデブピエロ悪魔を攻撃していった。



 ――グギャアァァアアアー……――



 そう奇妙な声が辺りに響き渡る。


 流石のデブピエロ悪魔もダメージを負ったようだ。


「イイ……カゲンニ……シロ」


 そう言いながらデブピエロ悪魔は、ゆっくりとタツキの方へと向きを変える。


「いい加減にするのは、お前だ!」


 タツキはそう言いながらハルバードを持ち直し身構えた。


「シカタ……ナイ……カ」


「やっと、やる気になってくれたみたいだ。流石に一方的な攻撃じゃ、虐めと変わらねぇからな」


 そう言いタツキは、デブピエロ悪魔をみる。


 デブピエロ悪魔は自分の体を変化させ始めた。


「ちょっと待て、姿を変えられるのか?」


 ”そうみたいだな。まぁ……分身体と云っても、エネルギーのようなものだ”


「んー、そうなると……スライムみたいなのか?」


 そう聞かれブルーシャギオスは、スライムのことが分からず悩んだ。


「ブルーシャギオス、まさかスライムを知らないのか?」


 ”ああ、なんだそれは?”


 そう聞かれタツキは、簡単にスライムのことを教える。


 ”うむ、ジェル状の魔物か。そうなると、それとは別物だな。どちらかといえば、粘土に近いかもしれん”


「なるほど……って、粘土は分かるんだな」


 ”……粘土ぐらい我の世界にもあるわい!!”


 それを聞きタツキは、ニヤッと笑みを浮かべる。


「じゃあ、そうなると……今のうちに消滅させるか」


 ”ああ、その方が身のためだ。それに硬化でもされたら厄介だからな”


 そう言われタツキは頷いた。その後、デブピエロ悪魔をみやる。


(そうなると……どう攻撃する? 粘土か……形が定まれば、恐らくブルーシャギオスが言う通り硬化するかもしれない。

 いや、しないとしても硬くなるだろう。ってことは、不本意だが……今のうちに始末するしかないな)


 そう考えがまとまるとタツキは、ハルバードを振り回したあと体勢を整えた。そしてその後、デブピエロ悪魔を睨んだ。

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