178話~ブルーシャギオス フォルム
ユウはデブピエロ悪魔をみながら次の行動を考えていた。
(どうする? 魔獣召喚じゃ駄目だ。そうなると……)
そうこうユウが考えているとデブピエロ悪魔はタツキの方に向きを変える。
「まずい!?」
そう叫びユウは、鞭を構えデブピエロ悪魔の方へ駆け出した。
「ユウ、大丈夫だ!!」
そうタツキは叫んだ。
その声を聞きユウは、デブピエロ悪魔の頭へと視線を向ける。
「タツキさん!? ……カッケェェー!!」
ユウはタツキの装備をみて目を輝かせ、ついそう叫んでしまった。
その声を聞きタツキは苦笑する。
因みに現在タツキは、青きドラゴンの装備を纏っていた。そのうえ空を飛ぶために、ブルーシャギオスと同化している。
「すまない、ユウ……あとは大丈夫だ。ハクリュウの方を頼む、心配なんでな」
「はい、分かりました!」
そう言いユウは、ハクリュウの方へ向きを変えると駆け出した。
それを確認するとタツキはデブピエロ悪魔へ視線を向ける。
「さてと、コイツをどうにかしねぇとな」
そう言いタツキは、ニヤリと口角を上げ笑った。
「マズイ……ハヤク……シマツ……シナイト……」
「おいっ! 誰を始末するって? お前がブラグジオスの分身なら、そう簡単に俺を倒せないことぐらい分かってるよな!!」
「ソウ……ダナ……スガタ……ハ……チガウガ……ホンタイヲ……フウイン……シタ……チョウ……ホンニン……」
そう言いデブピエロ悪魔は、眼前のタツキを睨みつける。
「ああ、そうだ。てか、もしかして……それで睨んでいるつもりか?」
「アイ……カワ……ラズ……クチカズ……ガ……オオイ、ナ」
「そうか? まさか、お前に褒められるとはな」
そうタツキが言うとデブピエロ悪魔は呆れて、ドッと疲れた表情になった。
「オマエ……ト……ハナシテ……イルト……ツカレル……」
「それなら、暴れるのを辞めたらどうだ?」
「フザケ……ルナ。ワレハ……ヤット……クライ……セカイ……カラ……ヌケダ……セタ……ノダ」
それを聞きタツキは首を振り頭を抱える。
「お前は、ブラグジオスの分身だよな?」
「アア……ソウダ……ソレガ……ドウ……シタ」
「いや、本体もそう思っているのかとな」
デブピエロ悪魔はタツキが何を言いたいのか分からず困惑した。
「キマッテ……イル……ワレト……ホンタイ……ハ……オナジ……ハズ、ダ」
「なるほど……それじゃあ、なんで分裂したんだ?」
「……ソレハ……。クッ……ウルサイ……ダマレ!!」
そう言い放つとデブピエロ悪魔は、短い右手でタツキを叩き落そうとする。
だが、それをタツキは難なく避けた。
「どうした! そんな、のろいんじゃ……あたらないぞ」
「グワアァァアアアー!!」
デブピエロ悪魔は、怒り全身が真っ赤になる。すると大きく口を開いた。
「……怒ったらしい。ハハ……」
そう言いタツキは、言い過ぎたかと苦笑する。
そしてタツキはその後、デブピエロ悪魔との間合いを取り攻撃する準備をしたのだった。
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