177話〜青きドラゴン装備と時間稼ぎ

 ここは名もなき城の中庭にある南側の祭壇。そして、そこよりも北東付近だ。


 タツキはブルーシャギオスから、能力の全てを授けられた後それに耐えていた。


 だがそれは徐々に和らいでいく。それと同時に、青く全身が激しく発光する。


 するとタツキは、青きドラゴンの装備を纏った。


(クッ……これでいい。あとは、ブルーシャギオスを待つだけだ)


 そう思いタツキは、空を見上げる。



 ★☆★☆★☆



 中庭の遥か上空。


 三体のドラゴンは言い争いをしていた。しかし、タツキがブルーシャギオスの能力を自分のものにできたことに気づく。


「さて、タツキはハクリュウよりも早く能力を得たらしい。では、我は向かうとするか」


「クッ、あとでみておれ……ブルーシャギオス」


 そう言いシェルギオスは、悔しいと思いブルーシャギオスをみる。


 それをみてブラグジオスは、呆れていた。


 その後ブルーシャギオスは、チビドラゴンに変化してタツキの方へ向かう。


 それを確認するとシェルギオスは、ホッとする。


「相変わらずだな。争うのが好きでないのなら、張り合わなければいい。なのに……」


「ブラグジオス……我は、ブルーシャギオスと相性が悪いのだろう」


「なるほど……それじゃ、仕方がないな」


 そうこう話しながら二体のドラゴンは、タツキの方に向かうブルーシャギオスをみていた。



 ★☆★☆★☆



 その頃ユウは、南側の祭壇より北東付近にいる。そして、デブピエロ悪魔と戦っていた。


 デブピエロ悪魔の目の前には、ビッグサンダーベアーがいる。


 鞭を構えユウは二体を見据えた。


 《放電突撃!!》


 そう技名を言う。


「行け!!」


 そう言いユウは、ピシッと鞭を地面に叩きつけ命令する。


「グォォオオオー……」


 それに反応しビッグサンダーベアーは、デブピエロ悪魔に突進していった。


 ユウは鞭を構え直して、二体の様子をみている。


(まだかな? なんとか耐えてるけど……いつまで、維持できるか分からない。タツキさんの言う通り、コイツを倒すのは無理だ。そうなると……時間稼ぎだけでもしなきゃ)


 そう思いながら二体の戦況を見据えた。


 一方ビッグサンダーベアーは、体全身から放電してデブピエロ悪魔へと体当たりをする。


 だがデブピエロ悪魔は、既に全身に反射の魔法を付与していた。


 そのためビッグサンダーベアーは、弾かれた上にその反動でダメージを負い地面に叩きつけられる。


「グォォオオオー……」


 そう雄叫びを上げビッグサンダーベアーは消滅した。


「あー、クソッ!!」


 そうユウは叫び、バシッと鞭を地面に思いっきり叩きつける。そしてその後、デブピエロ悪魔をみながら次の行動を考えていたのだった。

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