175話~青きドラゴン、ブルーシャギオス
左手を翳しタツキは、空を見上げた。
《聖なる力よ 我が下に!!》
そう叫んだ。
するとタツキの左手の紋章が青く発光する。その後、光が放たれ青い大きな魔法陣が真上に展開された。
その魔法陣から青い光の柱が放たれ上空へと伸びる。
それに気づいたデブピエロ悪魔は魔法を展開し始めた。
「待てっ、お前の相手は俺だ!」
そう言いながらユウは、ピシッと鞭をしならせる。
だがデブピエロ悪魔はその声を聞くも無視していた。
「……」
ユウは絶句する。
(おいっ、無視か……俺なんか眼中にないって訳だな。クソッ……そうか……そういう事なら、コッチを向かせるだけだ)
そう思いユウは、左手でカードを持ち目の前に翳した。
《魔獣召喚 ビッグサンダーベアー!!》
そう叫び持っているカードを真上に掲げる。するとカードが眩く発光して魔法陣が展開された。
その魔法陣はユウの目の前に移動する。するとその魔法陣は発光して、黄色い巨大な熊が姿を現した。
そして、その黄色い巨大な熊は下降し地面に着地する。……因みにデブピエロ悪魔より若干小さめだ。
それを確認すると鞭を右手に持った。その後ユウは、ニヤリと笑みを浮かべるとデブピエロ悪魔を見据える。
「行けっ、ビッグサンダーベアー!!」
そう言いユウは、パシッと鞭を地面に叩きつけた。
――ガオォォオオオー……――
その指示を聞きビッグサンダーベアーは、雄叫びを上げるとデブピエロ悪魔を睨みみる。と同時に、デブピエロ悪魔へ突進していった。
それを確認するとユウは、いつでも指示ができるように鞭を構え直す。
ビッグサンダーベアーはデブピエロ悪魔に体当たりする。だが、弾かれた。
「ジャ……マ……ダ」
そう言いながらデブピエロ悪魔は、ビッグサンダーベアーの方をゆっくりと向く。展開されていた魔法陣は消えている。
(ヨシ、魔法陣は消えたし……コッチを向かせることができた。あとは、どれだけ時間を稼げるかだな)
そう考えながらユウは、デブピエロ悪魔を見据えた。
一方タツキが放った青い光の柱は遥か上空まで伸びている。そして、大きな魔法陣が展開された。その後、魔法陣が激しく発光する。
その大きな魔法陣から青きドラゴンが徐々に姿を現した。
――ギャオォォォーン……――
青きドラゴン……ブルーシャギオスは完全に姿を現すと辺りに咆哮を鳴り響かせる。
“証を所持し者よ 受け取れ 我が青き能力の全てを”
タツキの意識に繋げると、ブルーシャギオスはそう告げた。それと同時に、タツキの左手の紋章に向かい細い柱が伸びる。
その光の柱は左手の紋章にあたりタツキの全身が発光した。
「クッ……クソッ、以前の時よりも……キツい。……うわぁああー!!…………」
そう叫び頭を抱え蹲る。
そしてタツキは必死に堪えていたのだった。
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