126話〜クロノアVSクルフ〜匙加減(さじかげん)〜{★}

 ここは、名もなき城の中庭にある、中央に設置された祭壇から少し離れた西南西に位置する場所。


 クロノアは、ニックの配下の者であるクルフと戦っていた。


(一撃で終わらせたい所だけど。やり過ぎると、みんなを巻き込みかねないしなぁ)


 いつになく慎重になっているクロノアに対しクルフは、みさかいなく鎖鎌を振り回し攻撃を仕掛けてくる。


「ねぇ。まさか、流石にその程度って事はないわよねぇ」


 クロノアはそれを避けながら間合いをとり弱めの炎魔法を放つが、クルフが難なくその炎を避けるため一向に決着がつきそうになかった。


「あーイライラする。てかさぁ。こんな、ちまちました攻撃。そういえば、私らしくなかったわ!って事で。ランク上の魔法を使わせてもらう」


「ふ〜ん。って事は、今よりも強力な魔法を使ってくるわけかぁ。それは楽しみだなぁ」


 そう言いクルフは警戒しながら、クロノアの方へと近づいていった。


(この女。今まで手を抜いてたっていうの?それが本当だとしたら。今のうちに始末しないと、厄介かもしれないわねぇ)


 クロノアは、クルフを警戒しながら間合いをとり、メニュー画面を操作している。


(この場合。単体用の攻撃魔法の方がいいよね?そうなると。これとこれ……。ん〜……。こんな所かなぁ)


 設定が完了するとクロノアは、杖をクルフに向け攻撃体勢に入った。


「クッ。あらぁ残念。準備ができちゃったのかぁ」


 クルフは言葉とは裏腹に、すぐに攻撃できず焦っていた。


「ええ。あなたに、どの程度のダメージを与えられるか分からないけどね」


 そう言いつつもクロノアは、不敵な笑みを浮かべている。


「そう言ってるけど。か、かなり余裕にみえるのは気のせいかしらぁ」


 そう言いつつクルフは、クロノアの表情が先程よりも鋭くなっていたため怖くなってきていた。


「さぁ、どうなのかなぁ。って事で覚悟はいいかな?」


 そう言うとクロノアは、更にクルフとの間合いをとった。


 クルフは辺りをキョロキョロしだし、どうこの場を切り抜けるか思考を巡らせる。


 そして、クロノアとクルフの戦いは更に拍車が掛かり、徐々に佳境へと進んでいく……。

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