第21話

休日の景色はきれいだった、特別なところへ行ったわけではない、毎週末にふらついているところでも、こんなつぶやきでも色は少し変わる、平日は自身の体調と、決まった四角と、そこに足を出して眺める過誤のような風景、どのように変化をつけていくか、気にしない限り、ないだろう。


今は勢いづいている、鋼は熱い打ちに叩けとはいうものの、冷えたらかたまって強度を発揮するような材質だろうか、むしろ溶岩のように灼熱ならいいが、どうもアスファルトにゆるんだガム程度か、なんて卑下するほどに、月曜の夜の入りは、動力に満ちている。


先週の味覚に乗じた行動の思い描きは、熱のない悪寒による騒ぎだと、昨夜の自分は落ち着いていた、ところがどうだろう、いざ機械を見つけると、頭と一緒に動いていた、余計なことだろうか、苛めや悪さに笑う性情は、刺激は必要だろうと、免罪符をよこすようだ。


嗅ぎ違える、商品の流通は広いエリアに、何か知らないトレンドは紙かサイトにあったのか、それとも放映か、一人がそれを持てば、コピーの印象が全般に渡る、階段にないものを鼻で感じて、咄嗟の瞬間をすぐに捨てる。


さらばカレーニン、あんな人はいない、一体どこともなにともしない文句が、小刻みな走りに見て浮かぶ、恐れがありありと歩いていたら、つかまえるべきか、もしくは放っておくべきか、忠告がよぎり、寒さと熱さが背中に混在している。


男臭いバーカウンターだ、別姓はトイレ近くの見えざるテーブル席で声を騒がせている、見事な三位一体は無言のうちで、作る、運ぶ、食べる、の位置関係がゴルフを流すテレビの外にある、浅黒い三連星などと、女性は見向きしないアニメがやってくる。


赤蕪の次は、牡蠣白大根、失礼ながら海につられて岩手と仙台を取り違える、その誘導そのものが誤っているのに、酸味は人を勇気づけるようで、ふらふらした体にはよく効く、また冷蔵庫を忍んで、大根泥棒と行こう。


酔いにのたくる、明け方からの発汗に上下のガスもよう、それにもどし、ああと思っていたら朝に、粘土のように動き、ため息の幾百のあと、にわかな忙しさが、体はてきめんに回復して、復活による栄光がみなぎる、幸せはこうして得られる。


幕内は終了した、きずいた付き合いに沿ってとりからをとるか、それとも割り切った方へ行くか、試したところは待つ、しかし懐が軽くなる、決めに決めず、柔らかく場所を行き来しよう。


あげたつもりの返しに矜持があるか、まるで受けつけなかったともとれるが、おそらくそんな声はしていなかった、ただの二つ折りの軽さにどれだけの重さがあるのか、平然とクリムトの草花はひらひらしているが、たしかな仕事は届けたと、変わらずに開かれた。


秘密の場所を持ちたがるのは、単なる愉悦のためもあろう、崖の斜面の木にところを作り、どこかで買ったヒヨコを隠すように、相手の立場などこれっぽっちもなく、いくつになっても変わらないのは、やはり自分の為、慣れた範囲を少し外れると、屋上には朝の日差しで水たまりに光っていた。


次の展開の為の終了だけにとらわれて、なんら予測できていなかった、手間の割に、たしかにその理由もあるだろうが、なくすのではなく、少し変更を加えて新たにする、二日間の空白は他でもなく、自分自身の見損ないだった。


昨年という事跡が体裁悪くならない足場を作ったようで、勢いに頼ってまわりにまわる、焦りと興奮はあっても、沈着しているところもあるから、堂堂があるようだ、わずかなプライベートが出てしまったようで、やけに声が大きかったかもしれない。


先週末の熱望は予期したとおり失せている、いかに持続は得難く、何事も発生と消滅があろうとも、日日を言い訳にはしたくないものだ、たいした分量を残していないのに、これだけやったから、そんな文句が猫の歩みで忍び寄ってくる。


便所のほくそ笑み、実に気持ち悪い姿だ、それが扉を開けた先でも続いていたのは、先の展開が頭に描かれていたから、現実との境を忘れた光景が顔に出て、見れば悪魔がやってくる、まずいものだ、それでもいい、おかしいと思われれば、行う範囲は広がる。


汲汲、そんな単語を昨日読んで、今の自分にあてはまる、そんなにかたく、ぎこちなくてもいいものの、油の抜けた肉体は非効率に回転する、あと半日、そう思って忙しくない午前に没頭する。


一段落で机に団扇をかける、吸ったり掃いたりではなく、風で飛ばして片づけるという、どこかの国のカフェですると聞いたような、真偽のわからぬ地面の屑は、とどのつまり手を抜いて、臭い物に蓋をするのだろう、マスクをせず、埃を目と口にあてながら、季節外れに振る。


今週末も午前は腹を休ませる、と思うも柑橘二個では足らず、トウモロコシ粉の平焼きを口にする、それでもやはり足らず、ランチに急いで着替えていると、風の冷たさが足に響いて、二年振りくらいに厚いブーツを履いて出る、寒気がこなければ日の目に出なかった。


差額が頭を抜ける、はて、頼んだのは、いつものなんておこがましいが、透明プラスチックにコーヒーに白線が書かれる、たまたまついた言葉が別の意味をなしてしまい、口にした本人はもぬけの空、間違いに間違いが面して、わずかの休止。


ケンタッキーで雨宿りか、SOGOの地下で半額食品を買って、さあ帰ろうとしたのに、骨の髄まで揚がったチキンを噛みながら、買い過ぎたのに、さらに食べているよと、耐久ガラスで雨模様の見分けられぬ外を眺める、こんな時に、スマホの必要を感じてしまう。

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