その3
それから1週間経ち、瑠璃の怪我は順調に回復していた。ルコと遙華は昼間は瑠璃を恵那に任せて研究所に入り浸っていた。無論、自分達の世界へ帰る方法を探すためである。
しかし、帰還方法を記してある文献は当然無く、それに近い文献を読み漁ると言う事になっていた。異世界に関する研究はかなり行われており、様々な説があったが、専門知識のバックグラウンドに乏しいルコは理解するのに苦労していた。
遙華の方はルコより知識不足なのは明らかであるが、遙華は分からないなりに楽しんでいた。文献を読んでは、全然分からんのじゃ!と嬉しそうに言ったり、とんでも理論を発見するとそれは嘘なのじゃ!とまた嬉しそうに言ったりしていた。正直遙華は何の役にも立ってはいなかったが、メンタル面ではルコは遙華を見習うべきだった。
「ルコさん、もしよろしかったら今から私の部屋に来ませんか?時間ができましたので色々とお話しできると思います」
インカムを通じて調査活動に萎えそうになっていたルコに玲奈からお誘いがあった。
「はい、今すぐにお伺いさせていただきます」
ルコは渡りに船とばかりに即答した。そして、遙華共々玲奈の部屋へと向かった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます