第?話 別れ

(後で5話へスライド)


筋肉をつけるべくウェイトトレーニングにあけくれていた。


1ヶ月の現実逃避でなまった身体はなかなか思うように鍛えられない。


ノアとあってから日に日に実感する生。


「私の生は私が決める!」


何もせずただ生きようと思ったのに、なぜ安寧を脅かされなければならないのか。


『記憶が戻ったら君の最期』


あれはどういうことなんだろうか。


なぜあえて言い、私を怖がらせるのか。


知りたい、ノアに関する情報がなんなのか。


腕立て伏せをしている最中に何かが背中に乗った。


妙な気配に言葉が出ない。


「何をしてるんだリリアナ?」


「ノア!?」


崩れ落ちそうになる所をなんとか押しとどまる。


「レディの上に乗らないで下さいます!?」


「レディはそんなほぼ半裸ではいないと思うが?」


クスリと笑う声がする。


「身体が鈍っているので鍛えなおさないといけないのです!退いてください!」


「まぁあんな低いヒールぐらいは履けないといけないな」


「本当に失礼な人ですね!!」


無視しながら腕立て伏せを続ける。


そのまま前進し木刀に手を伸ばす。


気づいたノアが両足を私の前に回し、ブレーキをかけるように壁を蹴った。


「馬じゃないんですけど!!レイスは…門の護衛はどうしたんですか!?まさか貴方が」


「普通に開けてくれたさ、君のお見舞いをすると言ったらね簡単に」


「なぜ簡単に貴方を通すのです!」


「力とはそんなものだよリリアナ。力がある方が好き勝手するのは世の常だ」


私をいとも簡単にひっくり返すと、床に押し倒した。


「ノア!」


「君という人間はどうしてそう脳筋バカなのか」


首筋にピリッとした痛みが走った。


「噛んだ!?」


「噛んでない吸ったんだよ」


私は後ろにある木刀にさらに手を伸ばした。


ノアの手がそれを阻止して指を絡めた。


もう片方の手で腰に手袋ごしに触れられる。


ゆっくりと口づける。


「ダメダメダメダメ」


「ダメ?君に拒否権なんてないが」


「だいたい何しにきたんですか!?」


「いったん国に戻らないと行けなくてな、挨拶がてら」


「挨拶に押し倒すのが流儀なんですか?ノア」


「君にだけだ」


バルトの時とは違う、ノアの一言一言に身体が熱くなってしまう。


もどかしい。


「貴方と私に何があったというのですか!いちいち貴方に反応するこの身体にはうんざりです」


「リリアナそれ、大胆すぎる告白なんだけど?俺と一緒に邸に帰る?」


「行きません!」


ノアの香は柔らかな匂いはバニラとも石鹸とも違う。


全身包み込むように抱き締められると、思わず熱い吐息が漏れてしまう。


「ん」


ノアが頑なに閉じる私の唇を、丁寧に愛撫し始めた。


「俺にもちゃんと返して」


「んっっやぁできな…い」


「できるよ、前はできてた」


恥ずかしさに涙が込み上げてくるが、できるまで止めてくれないようだ。


意を決してちょんと口づけをしたら、もっととせがまれるはめに…。


「…!」


「ん?どうしたリリアナ」


「やっなんでもないっっ」


不思議そうに覗く金色の瞳が、さらに私を熱くさせた。


「ノア、ちょっと放して下さい///」


「あぁ、リリアナ、これは恥じらう事じゃない」


察しがよすぎるノアをきっと睨むが、意地悪く笑う口角がもっと歪んだだけだった。


手袋をとったノアの手が太ももから、下着へと滑っていく。


恥丘を撫でて、秘部に布ごしに触る。


もう言葉にできない羞恥に苛まれ、声を発する事はできない。


「偉いね、ちゃんと俺に欲情してくれたんだ?」


「ノア!!なんでそんなに意地悪なんですか!!」


「さぁね?俺に最初に火をつけたの君だからね?自分自身に聞けばいいよ」


「それってどういう…ちょっ」


下着越しに触れていた指が、私の中へと入りゆっくりと擦れる。


漏れそうになる声をノアの口づけで塞がれる。


「ねぇ、俺と暫く会えなくていいの?」


「いいです!問題ありません!」


「嘘つき」


ノアが居なくなればこう胸がざわつく事もない。


殺される心配もない。


が、気がついたらノアの肩に両腕を回して抱きついてしまっている自分に失望する。


彼の気がすんだのか、ようやく解放された。


「リリアナ」


「?」


「早く俺を追ってきてね」


切なく笑うとノアは国へ帰っていった。


本当に暫く会えなくなるとはこの時は思ってもいなかった。








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未定2 りりにゃん @8655309

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