249.巨大モンスターとの激闘2
ところ変わって、空母アメリカ。
こんごうの状況を聞いたヴィアラは艦載砲やミサイルでは抵抗できないと見て艦載機による攻撃を模索し始めた。
何故艦載機を発艦させず艦砲のみで対応しようとしていたのか、それは艦載機の無駄な損耗を避けたかったからだ。
それこそ艦砲を五月雨式に撃ち込んでいるときに艦載機が飛んでいては運悪く流れ弾に当たって撃墜してしまう可能性も十分に考えられたので、艦載機を発艦させなかった。
何はともあれ、今この連合艦隊に残された切り札ともいえる各空母の艦載機によって敵モンスターに可能な限りの攻撃を仕掛けることになったので、その為の部隊として白羽の矢が立ったのは第2空母航空団(空母アメリカ)第二一戦闘飛行隊と第3空母航空団(コンステレーション)の第三一戦闘飛行隊所属のF-14D計48機だ。
このF-14DにGBU-56(v)3/Bという2115ポンド(約959㎏)もある精密誘導爆弾(LJDAM)を2発装備し攻撃させるのだが、これを戦艦等と同じようにただ当てるだけではまた同じように効果が得られないので、柔らかそうな足の関節やハサミの関節を狙って撃ち込み、さらにAIM-120Dミサイルを腹の下や各関節の裏側に向かってミサイルを撃ち込ませる作戦だ。
命令を受けた第二一戦闘飛行隊と第三一戦闘飛行隊所属のF-14Dはすぐさま各空母から次々に発艦していき、空に上がったF-14Dはキレイに編隊を組んでいた。
全機が上空に展開したことが確認されたと同時に、全機に攻撃命令が下された。
命令後、2つの飛行隊はちょうど巨大モンスターを左右から挟み込むような位置にまで移動し、各飛行隊が時間差でちょうどXの筆記体のような飛行経路で急降下爆撃を仕掛けていった。
精密誘導爆弾やミサイルを集中的に何本かの脚の関節に集中的に着弾させられ、ついには貫通し、折れた。
そして、急降下爆撃中、何機かのF-14Dが機銃やミサイルを乱射したようで、それが腹に直撃、そのうち一発が体内に侵入したようで、その後巨大モンスターは動かなくなっていた。
強襲揚陸艦キアサージの艦橋で俺は目に跡がつくほど双眼鏡でその戦況を見守っていたが、最後は水飛沫や爆発によって発生した煙幕によって見えなくなっていたため、上がってくる報告を今か今かと待っていた。
「報告!巨大モンスター第二一戦闘飛行隊と第三一戦闘飛行隊による急降下爆撃により沈黙!」
報告に来た水兵によるとどうやら、空母艦載機による航空作戦が功を奏したようで巨大モンスターは倒されたようだ。
しかし、それでも俺には(というより艦隊にいるみんなが)まだ懸案が残っていた。
「よし!……、それよりも上にいた海兵隊員たちはどうした?」
「報告によると海兵中隊は全員無事で軽傷者4名以外被害なしだそうです、現在救助為にヘリコプター等が向かっています!」
「それは良かった、にしてもよくこの攻撃で被害が余り出ずに済んだな」
「そりゃ、私が鍛えた兵達のことだうまくやってくれたんだろうさ」
不意に俺の後ろに現れたエレザが自慢げにそう言うが、実際のところ今回のお手柄は残念ながら海兵隊ではなく海軍航空隊の面々だろう。
その後上陸?していた海兵隊は全員無事にオスプレイやブラックホーク等で救出された。
巨大モンスターとはというと爆撃直後は浮いていたが、しばらくすると徐々に沈んでいき、艦隊がその海域から脱するころには完全に海底に没していっていた。
こうして一連の騒動の最後は意外とあっさりと終わりをつげた。
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