第12話 初めてのエンカウント

 県境を越え、峠の頂上から少し下った場所。

 ここは早朝に訪れれば透き通った空気の中、朝日に照らされる富士山が一望できるベストスポットなのですが、今は生憎もうお昼時。雲がかかって富士山どころか先は中々に見にくい状態にありました。

 そして、雲がかかっているのは富士山だけではなく。

「うぅぅむ…………」

「うーん…………」

 生加奈と日向の心にも雲がかかっておりました。


 速度的、時間的には速いとは言えなくとも峠を登り切った二人は、頂上でその満足感、達成感に存分に浸っていました。

 乱れる呼吸も登りきれば苦しさから喜びに変わり、重かったペダルは漕がなくても勝手に進んでいきます。

 ただ、頂上とは言えど、道路からしたらただの通過点。止まれる場所とは言いづらい場所に位置していたため、日向達はペダルを漕ぐのをやめずにちょっと先にある絶景スポットまで進みました。きっと、この時に思いのほか速度が出たのが悪かったのでしょう。

 日向が生加奈にサインを送り、十分なスペースをもって停止できることを把握してブレーキをかけ、そして完璧に停止した瞬間でした。

 ———パァァァァァンッ!という銃声に似た破壊音により、日向の耳は使用不能状態に。

 キーンと鳴る耳を塞ぎ、目を閉じながら日向は身の危険を感じ、腰を低くしました。まるで、アンチグループのスナイパーに命を狙われたお偉いさんのようです。

 しばらく自転車を跨ぎながら丸まっていた日向ですが、ふと、ある違和感に気がつきます。

 下り坂により、重力に逆らわず落ちていこうとするロードバイクの挙動が重いのです。何かに引っ張られるように、かつ押し付けられるようにペコペコと音を立てています。

 日向はゆっくりと目を開けると、違和感の元凶である後輪付近を見て、ただでさえ細いタイヤが更に細くなっていることに気がつきました。

 思考が追いつかず、そのまま生加奈の方を見ると、生加奈は苦笑いをしながら、

「バースト……だなっ」

 肩をすくめてそう言いました。

 その声は日向には届きづらかったですが、何となく口の動きで生加奈の言葉を把握し、ぼんやりと風華に言われたことを思い出していました。

『走行中の自転車のパンクには大体二種類があるのよ。一つが道路にあるガラス片や釘などで小さな穴があく〝蚊刺しパンク〟。石なんかで複数穴があく場合もあるけど、これはパッチなんかで直せたりするわね。二つ目がバーストによるパンク。これはブレーキなどの熱でタイヤの中にあるチューブに亀裂が入って完全にオシャカになってる状態。こうなったら……まあ、』

 日向は溜め息を吐きました。

「チューブ交換……ですよね……」

 そう言ってうな垂れる日向ですが、そう落ち込んでもいられません。ロードバイクを降りると、サドルとフレームに手を置き、タイヤを触って中の様子を見ようと頑張ります。

「どうだ?どんな感じ?」

 マウンテンバイクに乗ったまま生加奈が日向の横にやってきて、同じく中を見ようとします。近くでの会話くらいならできるようになった日向は、

「うーん……よく見えないです……あと、耳がちょっと痛い……」

 そう言い、耳に入った水を抜く時のように自分の耳を叩きます。

「破裂音にやられたな。しばらくすれば治ると思うけど……パンクの方はなぁ。換えのチューブは無いん?」

「……いつも走る時は風華さんが持ってきてくれるから自分では持ってないんです。一人で走る時はチューブ入りのサドルバッグを付けてくれるんですけど……」

 そう言ってサドル後ろを見ますが、そこにはテールライトがあるだけでサドルバッグのサの字もありはしませんでした。日向は人任せな自分に呆れ、溜め息を吐くと、フレームを見て、

「フレームに常時付けてある携帯空気入れならあるんですけど……」

「それって、ナイフとフォークはあるけどステーキは無いって言ってるのと同じだなぁ……」

「う……うん…………」

「私は換えのチューブはいつも持ってんだけど、そもそもマウンテンバイク用だしなぁ……どうすっか」

 二人はどうしようもなくなった現実を叩きつけられ、先程までの晴れ渡った心とは逆の気持ちに、思わず唸り声を上げました。

 どうにかしなければ、と首を傾げて考える生加奈。自分では良いアイデアは出なさそうなので、日向はそんな生加奈を拝むように手を擦り合わせます。

 すると、

「よしっ!私が麓にあるチャリ屋でチューブ買ってくるわ!輪行袋もどうせないんだろ?」

「は、はい……すみません」

「しゃーない、しゃーないっ!りて登ってってするから時間かかるかもだけど、まあここら辺で待っててくれ。何かあったらケータイに連絡入れっから」

 そう言ってマウンテンバイクの方向を変える生加奈。

 日向は申し訳なさそうに頭を下げ、

「ごめんなさい……お願いします……」

「任せろ任せろ!超特急で戻ってくるから!」

 生加奈は日向にⅤサインをしてニパッと笑うと、安全確認をして反対車線に。

 そして、今来た坂を再び登って行きました。

 日向は生加奈の後ろ姿を目で追い、そして見えなくなると、もう一度溜め息を吐いて、その場にしゃがみ込みました。

「やっぱり自分でも色々出来るようにならなくっちゃなぁ……」

 そう呟きますが、孤独な山の上では誰も何も言い返してはくれません。ただ木々のざわめきだけが虚しくも日向の耳に流れ込んでくるので、日向はそれで耳を癒します。


 そんなことをして自然と一体になること数分足らず、耳の調子も元に戻り、ぼーっと空を見上げていると、不意に木々以外の音が聞こえてくることに気がつきました。

 聞き慣れた音。しかし、聞き慣れたものよりもっと早く、もっと激しい。

 日向は立ち上がり、その音のする方へと視線を移します。

 音はどんどんと近づいてきて、その姿が見える頃には日向にもその正体がハッキリと分かっていました。

 ——自転車が、風を切る音。

 日向はもしやと思い、その音の主を凝視します。すると、その人物は高らかと拳を天に伸ばし、何やら雄叫びを上げていました。

 野性味に溢れ、峠を登りきった後も闘争心燃ゆるその人物は、明らかに日向が予感した人物ではありませんでした。

 黒を基調とした、ヒビが入るよくにして刻まれている赤雷がモチーフのサイクルウェアをその身に纏い、桜と富士が描かれた和を彷彿とさせる鮮やかな色のロードバイクに乗っているその人物。

 桜色の髪に褐色の肌と、一度見たら忘れないであろうその風貌は、生加奈に似ても似つかない独特なものがありました。同じ何かがあるとすれば、性別くらいなものです。

 そんな、個性溢れる人物の後ろには、悔しそうに唸る男が三人。前の少女とウェアは同じですが、その風貌はあまり個性的なものではありませんでした。

 ザ・モブキャラ。

 彼らに称号を付けるならこんなところでしょうか。

 そんなモブキャラ三人衆を見て満足そうに笑いながら、少女は日向がいる位置よりも少し手前で止まりました。

 続いて男達もやってきて、小休憩をするのか、何やら話し始めました。日向にも声は聞こえる距離です。

「いや〜参った参った!また速くなったんじゃないのー?凛花ちゃん!」

「ハンデありとはいえ、先行してずっと一人だったのになぁ」

「特に最後のスプリントは見事なものだった。あれならレースでも通用すると思うぞ」

 三人の賞賛の声を聞き、凛花と呼ばれた少女は満足気に笑うと、ヘルメットを脱いで髪を揺らして、

「ありがとう皆さん、最後の調整に付き合ってくれて。コンディションもバッチリだし、明日は勝ってくるわ!」

「いけるいける!若さは力ってねぇ!」

「ファイトだ!」

「お前のスプリントに追いつける女子なんざ、そうそういないさ、頑張ってこい!」

 男達は笑顔で激励の言葉をそれぞれ送り、ニカリと綺麗な白い歯を剥き出しにして笑いました。実にマッスルな男達です。

「じゃあ、俺らはこのまま下って帰るから、凛花ちゃんは無理せずに軽く回して乳酸流しながら帰るんだぞ〜」

 男の一人がそう言って進行方向を変えることなく凛花に手を振り走り出すと、他の二人も手を振り、加速する男三人衆は下りへと消えていきました。

 その背中を最後まで手を挙げながら見送った凛花は、手を下ろすとホッと溜め息を吐き、

「明日は絶対、勝たなくちゃいけないわね」

 微笑しました。

 その様子を隣で横目ながらに見ていた日向は、自分と同い年位のその少女に、胸を打たれていました。

 褐色の肌に、決して短くはないが自分よりは短くて明るい桜色の髪。その太陽のような明るい瞳と、何人をも恐れない真っ直ぐな瞳は、日向が憧れて止まないスポーツ少女の姿そのものでありました。

 カッコイイ……そう思って横目から少し正面に凛花を見過ぎたからでしょうか。ボトルに口をつけ、中のドリンクを飲んでいる凛花と日向の目がアイウェア越しにたまたまに合ってしまいました。

 日向は慌てて目線を下にやり、

「あれ……目合った?合っちゃった?けどアイウェアがあるし……」

 と小さく呟くと、ホイールのカラカラ音が徐々に近づいてくる音がしてきました。

 日向は徐々に顔を横に向け、そして目線も顔と同じ方に向けると、

 予想通り凛花は日向に近づき、そしてにっこりと笑顔を浮かべていました。

「こんにちは。……もしかして、パンク?」

 自分に近い後輪を見て、凛花はそう言い、一応確認とばかりに後輪タイヤをプニッと触ります。

「あーぁ完全にパンクみたいね。しかも恐らくはバースト」

「はい……先程、多分なんですがブレーキの熱でやってしまいました……」

「なるほどねぇ。チューブとか、修理キットは持ってないの?」

「今日はちょっと忘れてしまって……今、友達が麓の自転車屋さんに買いに行ってくれているんです」

「ふぅん……」

 凛花は納得したように身体を揺らし、そして日向のロードバイクの後輪タイヤを色々な角度から見始めました。

「なるほどなるほど」

 凛花が唇を歪め、何かに気づいたように目線を日向に移します。

「それじゃあ私が直してあげるわよ」

「……えっ?」

 日向が驚きに目をまんまるにすると、凛花はそれを横目に、まるで料理をする前のように鼻歌まじりでロードバイクを近くのフェンスに立てかけ、サドルバックから二つの何かを取り出しました。

 一つは二本の輪ゴムで縛られた黒い形をしている一見してゴムの塊。もう一つは、まるでトラのような色をした黄色と黒のプラスチックの箱でした。

 まず凛花はプラスチックの箱の黒と黄色を分離しました。すると、黒い模様をしていた物体は三つに分かれ、凛花はそれを指の間に挟みます。

 この黒い物体は〝タイヤレバー〟という道具で、これをタイヤの内側、スポークに括り付けることでタイヤが外しやすくなります。

 凛花は日向のロードバイクをひっくり返し、ホイールを外すと、これを手際良く日向の後輪に取り付けます。

 何本か続けると、パコパコパコっと音を立てながらタイヤがホイールの内側から顔を現しました。この瞬間は、やっていると何だか気持ち良くなります。

 そんな、既に当たり前のように作業を始める凛花に対して、日向は思い出したように慌てて、

「わ、悪いですよ。そんな、知らない方に直してもらうなんて……」

「イイのイイのっ!これから知り合っていけばいいんだから。私、友達作るのは結構得意なんだからっ。それに、サイクリスト同士、助け合うのは当たり前でしょう?」

 凛花はそう言ってウィンクをすると、外れかかっているタイヤをホイールからパリパリと分離して、中からチューブを引き抜きました。

「あちゃー……バリッバリになってるわねコレ……」

 凛花が取り出したチューブを日向に見せると、それは何ともゾッとするような酷い破れ方でした。

「こんな風になってたんですね……」

「チューブが大分傷んでいたみたいね。大分交換してなかったんじゃない?」

「いえ、そんなことは…………あ」

 日向は気がつきました。そもそも日向はチューブを交換したことはまだありません。

 そりゃあ二週間ほどしかまだ乗っていませんし、定期交換にもまだ早いでしょう。

 しかし、あのロードバイクはずっとお店に置いてあり、買ったその日から乗っているもの。日向にはどれくらいチューブを替えていないかなんて、実際は分からないのでした。

「結構替えてないかもです……」

「ダメよ、小まめに交換しなきゃ。自転車はお金がかかるけど、ケチってたら思わぬ事故を招く恐れだってあるんだから」

 凛花はまるで部活動の先輩のように日向に忠告をし、作業を続けます。自分のチューブと破裂した日向のチューブを交換し、先程とは逆に、タイヤをホイールの中に埋め込むようにして元に戻していきます。

 位置を確認し、タイヤが完璧にハマったのを確認すると、後は空気を入れるだけ。凛花は自分のロードバイクから携帯空気入れを取ろうとするのですが……

「あれ?ない……」

 携帯空気入れをフレームと繋ぐ器具はたしかにあるのですが、本体である空気入れはどこにも見当たりません。

 最後の最後にポカミス。格好良く直してあげたかった凛花ですが、こればかりは自分に呆れるしかありません。

「はぁーあ……ごめんなさい、私どうやら空気入れを忘れちゃったみたいで……って、ん?」

 日向に謝ろうと、顔を上げる凛花の目に、日向のロードバイクに付けられている携帯空気入れが映ります。

「私と逆パターン……」

「はい?」

「い、いや!何でもないわ。それより、空気入れを貸してもらえるかしら?」

「あ、はい。どうぞ」

 日向はそう言うと、取り付けられている携帯空気入れを外し、丁寧に凛花の手に渡しました。

「ん、ありがと」

「い、いえ!こちらこそありがとうございます。本当に……チューブまで下さって……」

「いいのよいいの!この世界ではよくあることだしっ!……とは言っても、私まだ始めて一ヶ月位の空気入れ忘れちゃうようなビギナーなんだけどね」

 凛花は自嘲的に笑い、空気を入れ始めます。

 そんな凛花の言葉に、意外と言わんばかりに、日向は目を見開きます。

「そ、そうなんですか!私、もっとベテランの方だと思っていました!」

「……身内に自転車してる人が多いから、知識は前からあったのよ。そう言うアナタ……えっと名前は、」

「あ、えっと、浅神日向と言います」

「日向ね。私の名前は才原凛花さいはらりんか。凛花でいいわ。……それで、日向はいつからロードに乗ってるの?」

「私は二週間前からです。……なのでビギナーの中でもビギナー……凛花さんの方が先輩ですねっ!」

「ふふふっ、初めてだわ、後輩ができたのは。……そういえば二週間前といえば……」

 凛花は相変わらず手だけは休めず、頭の中で思い描きながら、日向に尋ねました。

「最近、ここら辺を走っているダウンヒルがやたら速い女の子知らない?知り合いから聞いたんだけど、アナタと同じくらいのタイミングで自転車を始めたらしいのよ」

「下りが……やたらと速い女の子……ですか?」

 日向は思い返します。最近ここらで走った時の情景を鮮明に頭の中に映し出し、記憶を辿りますが……

 そもそも女子のライダーを見たことがあまり無いのと、ダウンヒルで抜かされたことがない為、日向に思い当たる節など全くありませんでした。

「ごめんなさい、知らないです……」

「そう……。今日は会えるかと思ったんだけれども、どうやらダメだったみたいね」

 凛花は少し残念そうに言うと、バルブから空気入れをスポンッと抜いて、日向の方に渡しました。

「修理は完了したわ。成功したことだし、お友達に連絡した方がいいんじゃない?」

「は、はい!ありがとうございます!」

 日向は深々とお辞儀をすると、早速、ジャージのバックポケットからケータイを取り出し、生加奈に連絡を取ろうと、電源を入れました。

 と、そこで日向はあることに気がつきました。

「あれ?あれあれ?」

 日向はいきなり、ジャンプしたり、背伸びをしたり、ケータイを振り回したりし始めました。その様子を見た凛花は、不審そうに、

「どう……したの?新しい体操かなにか?」

「い、いえ……っ……そうではなくてですね。届かないんです、電波が!」

 頑張って背伸びをするも、また届かず、日向は圏外と表示される画面を、凛花の方に見せました。

「山の電波は繋がりにくいってやつね。……まあどちらにせよ合流しなきゃならないワケだし、下るとしましょうか」

「あ……はい……」

 日向は少し、表情を暗くして答えました。

 本来、今日の目的は日向が生加奈にドリフトを見せることにありました。なので下ってしまうと本末転倒な気もしますし、生加奈に悪い気もします。

 しかし、どちらにせよ、待っていても生加奈には再び坂を登らせてしまうわけですし、自分の労力で連絡が取れるなら、もう一度登るのも悪くない。むしろ、一日に二回も峠に友達と登れるならそれも楽しいかもしれない、と思考を変え、日向は下ることを決意するのでした。

「初心者が無理に下りで前の人に追いつこうとすると落車して危険な場合もあるから、日向が前を走ってくれる?」

 ヘルメットを被り、走れる準備が整った凛花が日向にクイクイッと手首を曲げて合図を出しました。

「は、はい」

 日向は直ぐに直りたてロードバイクに乗り、一応、後輪を軽く上げて地面に落としての修理後確認をしてから、「うんっ」と微笑み発進しました。

 それに続く凛花は、ダンシングで日向の後ろについていきます。

(フォームは綺麗ね。始めて二週間にしては安定したペンダリングだし、何より上半身のブレがない)

 オールシッティングで少しの登りを進む日向を凛花は感心して見ていました。

 自転車初心者にありがちなのが上体のブレ、そして踏み込み過ぎなペダリングです。力を入れよう入れようと思うあまり、上体がブレて余計なところで力を使ってしまう上にペダルを下死点でも踏み込んで無駄な力を使ってしまう。初心者が陥りやすい頑張ったのに進まない走法です。

 しかし、日向にはそれがありませんでした。

 以前からスタイル維持目的で行っていた筋肉トレーニングにより培った体幹は身体の筋肉全てを文字通り支え、効率の良い走法を築いていました。

 凛花が感心したのはそれだけではありません。

 下りに入り、コーナーを曲がるたびの機体コントロール能力。そして、一番曲がりやすく、速度を維持しやすいアウト・センター・アウトを選ぶ路面把握能力。

 自分が未だ手に入れていない能力、更には後ろの自分が走りやすいようにラインどりをしているという余力に、凛花は日向の後ろで感心を通り越して驚いていました。そして予感も。

(この娘、凄い!分かる、この娘の後ろにピッタリつけば落車せずに最短でダウンヒルが出来る!…まさか、もしかしてこの子が……)

 その頃、前を走る日向は凛花が自分をそんな風に観察しているなど露知らず、ただ二つのことだけを考えていました。

(速度とラインはコレで大丈夫だよね?風華さんと走ってる時に急な速度変化は後ろの人を惑わせるって言ってたし、一番走りやすいラインを走ってるはず。……けど、やっぱり……ちょっとだけ……ドリフトしたい———!)

 日向はそんな自分の欲を抑えて、生加奈の元へと安全運転で走るのでした。

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