夏、プール掃除、花火、要するに夏が始まった
「ぐっわぁぁぁ!」
握っていたブラシがけたたましい音と共に何度か底を跳ねた。
「いっつぅぇぇぅえうえうえ……」
ぶつけた後頭部を押さえる。これ絶対にタンコブできるな……。
頭を打つくらい盛大に転んでしまったそんな少しだけおっちょこちょいな俺は
「何ぼーっとしてんだ、はやく磨け」
「いや、夏の空っていいなっと」
起き上がるのが億劫だと言うのは、それはもう言い訳のしようがない。だけど、澄み渡った空に浮かぶ入道雲を、セミの声を聞きながらここで眺められることの幸せに気づいてしまうと、もう一生このままなんじゃないかと思ってしまう。
「なんでこんなことに……」
この空に負けないくらい青いタイルが並ぶここは、誰がどう見ても学校のプールだった。
そして、そのプールを俺は悪友の
事の発端は今より一週間前に遡る。
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