第4話こいつは俺のことが好きなのか?
彼女を見つけた俺は、内心めちゃくちゃ喜んでいた。産まれてこの方ここまで嬉しかったことなんてあっただろうか?いやないと断言できる。まあそんなこととは裏腹に表情は硬くなっていた。そりゃ初めて人と関わると緊張する。みんなそうだよね?たぶん俺だけじゃないはずだ。緊張しすぎて鼻息が荒くなるまである。まあそんな挙動不審な俺と目があった彼女は、俺に向かって手を挙げてこっちこっちと言わんばかりの合図を送ってきた。そんなことされたら、もちろんいきますともええ合意の上ですから!と謎の採決をとり彼女の元へ向かった。彼女の隣に恐る恐る座った。彼女は俺が座るまでの間、ずっと俺を見つめてきた。なんなんだ?こいつもしかして俺のこと好きなのか?と思うまである。疑心暗鬼の中の俺に、彼女はフレンドリーに話しかけてきた。テキトーに相槌しかできない俺はテキトーに流していた。ガイダンスが終わると彼女はこう言ってきた。じゃあ土曜日天草駅集合ね?遅れたらダメだよ?と。俺はいつそんな約束をしたのか?ダメだ思い出せん。とりあえずあぁとだけ言って俺はその場から立ち去った。あぁ心臓に悪い。緊張と緊張のダブルコンボだった。てかさっきの約束はなんなんだ?何時集合だよ…と思っていたら、彼女が後ろから大声で9時集合おぉーっと言ってきた。あいつには恥ずかしさとかいうものがないらしい。てか朝早いな…と思いつつ俺ははや歩きで学校からでた。家に帰ると明日のことについて考えていた。明日天草駅9時集合…でなにをやるんだ?もしかしてデートか?とか思いつつ俺は、ベッドの上でもがいていた。側から見ると相当気持ち悪いやつだろう。俺は乙女かと自分でツッコミを入れつつ内心はしゃいでいる自分がいることに、恥ずかしさを感じた。大学生にもなってこんなことで一喜一憂してるとは…まあ今日は明日に備えて早めに寝ることにした。
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