火山

鬱陶しいまでに、

視界にこびりついて離れないその火山を、

私たちは桜島と呼んだ。


女学生が

火山に命を放ったのは

いつの話だったろうか

死を手に掴む為の憂鬱を、

育むのは容易だ。

亡命する覚悟で、

友人たちは火山を捨てた。


取り残された若者の、

希望は薄く、

その感傷を、

気取った芸術に変換するのも難しい。


試されている、

私たちが下り物や精液を垂れ流すように、

灰を吐く

ヤツも飢えているのだ

私はヤツを肥やしとして、

今日も詩を描いた。


殺されるのは御免だと、

ヤツのペニスだかヴァギナだかから溢れるそれを受け止めて、

私たちは息を吸った。


灰は、

目に染みる。

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