第2話 異例の朝

目が覚めたのはまだ暗い朝だった

外は雨が降っているのか窓が泣いている

頭が痛いし起きる気にならない

無意識にスマホを開くと想像もしていないニュースが載っていた

『もはや超能力。一瞬にして一つの国が壊滅。』

「なんだこりゃ…」

急にスマホから着信音が鳴る

奴だ…

一週間前にいきなり声をかけてきた変な奴

「おはようネベル君。いい朝‥とは言えないね」

俺は電話番号など教えていないはずだが

いや、こいつはなぜか俺のことを知っていたな

「もしも~し聞こえてる~?」

「ああ。何の用だ」

「いや~君とお話がしたくてね」

「用がないなら切るぞ」

「待て待て重要な話なんだ。玄関開けてくれないかな?」

こいつ家の前にいるのか…

俺はいやいやドアを開ける

しかし、そこに奴の姿はなかった

「何がしたかったんだ…」

ドアを閉め、ため息を吐きながら後ろを向いた

「おじゃましま~す」

「…は!?」

なぜ奴が家の中にいる

さっきは誰もいなかったはず

「まあまあその話をしに来たんだ。ゆっくり話そう」

奴はにやりと口角を上げリビングの方へまっすぐに向かった



「まあ規格外な話をするが冷静に聞いてくれると話がはかどる」

奴はコーヒーを飲みながらそう言った

急に目の前に現れたアレはなんだったのか

「僕はね、簡単にいえば超能力者なんだよ」

こいつは何を言っているのだ

とも思ったがニュースのことも含めて考えると嘘とは考えられない

「一度一通り話すからまずは聞いてくれ」

彼の眼差しが真剣になった気がした

「僕たちのような能力者に宿った能力の名は≪パラドックス≫

そして、僕の能力は≪探求のパラドックス≫」

ここまででも混乱して頭が割れてしまうくらいの頭痛に襲われる

「この能力で僕が知りたいことは大概知れる。

 君のこともこの能力を使った」

そういうことか

俺のことを知っていたのはパラドックスとかいう能力を持っていたからなのか

「ニュースで国がひとつ潰れたらしいがそれと関係はあるのか?」

「君も見たか。ついにパラドックスで悪事を働くものたちが動き出したんだ」

「なるほど。そいつらを悪とするならあんたらは正義のもとで動いていると」

「そういうことだ」

「ならなぜ俺のところに来たんだ?」

「君を勧誘しに来た」

「‥‥‥は??」

「君はまだ知らないだけで君も能力者の一人だ」

「なにを言っているんだ?」

「僕らに協力してくれ。そうすれば力の使い方を教えてやれる」

「まったく理解が追いつかない」

「急な話なのは分かっている。しかし、少しでも多い戦力が必要なんだ」

強くなった雨がついに雷を落とした

能力者の戦争でも起きるというのだろうか

そして、俺が能力者…





―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

後書き

今回はついに能力が出せました!

しかし、バトルとして書くのはまだ先になりそうです…

主人公ネベルの能力とは…!?

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