第26話 吸血鬼 上

吸血鬼


生命の根源とも言われる人の血を吸い、栄養源とする者、不死の存在、その存在や力には実態が無いとされる、鏡などに姿が映らないと言われている


十字架や銀やにんにくなどが苦手と言われているがその実態は不明である



「そろそろか・・・・・・」


暗い部屋の真ん中に人が数人入れそうな白い球体が存在していた


中に自身の向かいに大きな鏡が置かれ扇子を手に持ち胡座をかいた者が着物を着て、中学生位の少年が口元をニヤリと緩め言葉を述べた


「鏡よ、この辺りで妖力が1番強い者に繋げよ、ガラスの鍵にて鏡の道を・・・開け!鏡の門!」


少年の前に置かれ鏡が虹色に光り、鏡の中から青く美しい輝きを放つ門の形をした物が見え、鏡の中から徐々に浮かび上がり、鏡に張り付き、鏡の中から門の扉が開き虹色の空間にガラスの道が門の向こうに見えた


「先ずは探さなければな」


少年は鏡を透視ある街を見ていた、その頃氷美は


「はーーー」


深いため息を学校の昼休みに氷美はパンを片手に食べながらついていた


「どったの」


「ん、いや、最近寝不足で」


氷美は目元に隈を作りながら言葉を述べた


「あー確かに目元少し黒いね」


「やっぱり」


「うん」


今まで喋らずに無言で聞いていた一人が口を開いた


「・・・もしかして、彼氏」


「え」


「何々、そうなの!彼氏できたの!」


「違う違う、彼氏じゃないから」


氷美は手を横に振り言葉を述べた


「えー、そうなんだ・・・でも、なんで睡眠不足?」


「それは」


ど、どうしよう・・・まさか夜、妖怪退治してます何て言えないし、言っても・・・


え、妖怪退治何それ、お化け屋敷でバイト、とか、え、妖怪退治、病院行こうかって言われるよ!


「とも、言わないであげよう」


「・・・うん、そうだね」


「ちょっと何か誤解してない」


友達2人は笑顔で何かを悟った用になぜか2人で納得して、なぜか2人で頷いて居た


「納得いかないな」


氷美は頬を膨らせパンを口に運んだ、時は流れお昼のベルが鳴り、お昼休みは終わり3人は急ぎ教室に戻った


「ん、気配がしたような?」


氷美は後ろを振り返り見たが誰も居ない、気のせいだと思い教室に入った、氷美は学校を終えて塾に行き、塾が終わり暗い夜道を一人歩いていた


「うー、早く成績上げないと塾に通う日が長くなる、光ちゃんは成績大丈夫何だろうか」


氷美は疲れた顔で夜道をとぼとぼ歩いていた


「眠い・・・ん、何あれ、道に・・・ッ!」


夜道に影ができ暗い場所で人が倒れていた


「どっちだ」


氷美は人間か妖怪かどちらが犯人か倒れている死体らしき人間を観察していた


「服が捲れてる」


氷美は首筋から肩にかけて服がはだけているので気になり見てみようと近寄った


「・・・妖怪だ、まだ近くに居るかも」


氷美は首筋を覗き込むと2つの穴が有るのを見て有名な者を思い浮かべた


「これは吸血鬼だよね、パッとみ人間かは分からないかも」


氷美は回りを見渡し誰も居ない事に安堵しため息をした


「はやく離れた方がい・・・・・・」


なに、音が聞こえる、足跡・・・もしかして吸血鬼、それとも人間


「・・・・・・・・・ッ!」


氷美は声が出そうになり、急いで自分の口をふさいだ


氷美が帰り歩いていた逆の道から誰かがこちらに歩いてきたが


怪しい帽子で顔を隠し、首が隠れる位の襟が有る厚手のコートを着込みこちらに歩いてくる


手には革の手袋をしており、下はコートが長く何を着ているか分からない


男と思われる事は徐々に近づいて来て分かるようになった


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


長い沈黙が氷美の恐怖が膨れ上がる


男が手を伸ばせば届く位置に近付いて来た


「・・・ッ!」


来た、来た来た来た来た!、人間か妖怪かどっちだ、どっちだどっちだどっちだどっちだどっちだどっちだどっちだどっちだどっちだどっちだどっちだどっちだ!


通り過ぎた、人間か~良かった~・・・止まった、なんで行かないの!・・・え、こっちに振り返る、吸血鬼の方なの、鏡、鞄からすぐとれるかな、来た、早く鞄から


「ヒッ!キャーーーーーーーーーーーーーーー!」



そこには、 ただのコートを着込みそれをパッと前を開けて裸を見せ付け全てをさらけ出した露出狂が居た


氷美は顔を赤くし、叫びながら来た夜道を走って逃げ出した


「何あれ、何あれ何あれ、ただの変態じゃない!嫌な物見たじゃないアァーーー!」


氷美は見事な走りでその場から姿を消した、その後露出狂は地面に倒れていた


「ふぅー、危ない危ない、つい血を我慢して居たら、身体がやばかったからな、あの娘美味そうだなまだ若いし女だ、もう一匹狩っても、駄目だ余り不自然な死体は残せない、感ずかれたら・・・どうせならあの女が先にここを通れば」


青白い肌の若い男は最後に死体2つを見ながら言葉を述べた


「あーーー、女の血が飲みたい、だが、ここにあれが有るか調べなくては成らんからな、余り目立てないし、あの女は誤魔化せただろう、確か少し前に来た時にいっぱい居たコート男が犯人だと思うだろ、傷から偶然か吸血鬼等と口走るから驚いた、さて行くかな・・・次は血を我慢しても女だな若い女のな」


青白い肌の男は死体の有る場所から離れ歩き出し闇に消えた



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