第20話 ひきこさん 上

雨の日に


雨に濡れた白いぼろぼろの着物を着ている人影がある


人形のようなものを引きずっている女と出会うと、口は耳元まで裂けている


そして女が引きずっていたものは人形などではなく、小学生ほどの子供そのものだった、女は自分の姿を見た子供を捕らえては肉塊になるまで引きずり回した


決まった場所に連れて行き放置すると云われている


「またか」


「本当に嫌になるよ」


「そうだな」


「猟奇犯、ですかね」


「だろうな」


2人の警察はある方に向き言葉を述べていた、それは悲惨な子供の死体が転がっている小学校のグラウンドの中央に警官達の視線は向けられていた


「犯人はやっぱ大人の男ですかね」


「今はまだわからないだろ、決めつけるなよ」


「そうですね」


「「・・・・・・・・・・・・・・・」」


無言で2人は女の子の死体を見て悲痛の思いを抱いていると後からもう一人の警官が来て、2人の警官に信じられない言葉を述べ始めた


「いや、妖怪の類いでしょ」


「は、何を言って・・・」


「・・・君は、頭可笑しいぞ」


二人は顔を歪ませ言葉を述べて若い新米の警官を睨みだした


「君は被害者の前で侮辱の言葉を述べるのか」


40代位の男性警官が強く重い声で言葉を述べ


「いや、最近可笑しい死体が多いですし、例の小学生らしき子、あきらかに可笑しいでしょ、それに、この前の妖怪見たの忘れたんですか」


「だが、あれが妖怪だとはわからないだろ」


「あれ、人間に見えました」


「いや・・・」


「ちょっと言いか、人間には見えないが、妖怪とは断定出来ない・・・だろ」


30代の位の警官が若い警官に言葉を述べ睨んだ


「わかりました、私が悪かったです、俺行きますは」


若い警官は言葉を述べ、現場から離れるために歩き出した


「拗ねたな」


「仕方ない奴だ」


二人の警官が肩を竦め死体に向き合い調べだした


「出遅れたな」


「田中さんもですか」


「佐々木か、あぁ」


「ま、現場が現場ですし」


「そうだな」


2人の男は悔しそうな顔をしながらも仕方ないと思い現場を後にした



朝、小学生のグラウンドで小学生らしき遺体が発見去れ、小学校では今日は休校するとの、学校側から発表がありました、続いて


光はテレビを切りため息を吐いていた


「また」


妖怪かなそれに近い現象・・・または、人間の起こした事件か・・・・・・は、調べないといけないか、朝から気が思い、最近出てくる頻度増えてるよね、ため息しかないよ


「光早く学校に行きなさい」


考え事をしていると光の母は学校に遅れるから早く行くように促してきた


「はーい、今行くから」


光は急いで残っているお味噌汁を飲みほして鞄を持ち、靴を履き玄関を開けて母親に向け言葉を述べた


「行ってきます」


「行ってらっしゃい、気を付けてね」


「はーい」


光は言葉を述べ家を出でいつもの通学路を歩き出した、たが、いつもと違う道に入り学校とは違う方向に走り出した


「いた」


光は前の人を見て歩き出した、目当ての人物の斜め後に近づくと言葉を述べ始めた


「おはよう」


「ん、おはよ・・・う」


氷美は声のした後に言葉を述べながら振り返ると光が居て驚き言葉が詰まったが、普通を装い歩きながら言葉を返した


「光何でここに、小学校は右でしょ」


「妖怪、夜、いつもの場所で」


光は顔を前に向けて回りに聞こえないように言葉を述べた


「また妖怪・・・わかったいつもの場所で」


氷美も顔を前に向けて言葉を述べた、光は返事を確認すると氷美より前に歩き出しまた横の細い道に入り歩き出し、氷美や回りの人達から見えなくなると小学校に向けて走り出した


「はぁはぁ・・・間に合った」


光は氷美と別れて小学校まで走って来たため息が少し荒れていた


「ん、あれは・・・まただ」


そこにはいつも朝、学校で見る光景が繰り広げられていた


「先生、今日もカッコいいですね」


「そうかな」


「そうですよ~」


「そうそう」


「素敵です」


「やっぱり先生は大人ですね」


「だとしたら、君達が素敵だからそうならざる追えないのさ」


「「「きゃーーー!カッコいい」」」


「「先生好き」」


「素敵」


「イケメン」


「ははは、落ち着きなさい、キ・ミ・タ・チ」


「「「「「「「キャーカッコいい!」」」」」」」


光は見て思った・・・カッコいいとは何か、大人とは何かと


「は、はは・・・またか」


光は見ていて目を反らしながら、ザ・イケメン(女子)サークルの横を通り前に進もうとしていたがふとイケメン先生がこちらに振り向き出した


「君」


「はい」


イケメン先生に声をかけられ仕方なく、光は振り向き言葉を返したが、先生の回りの女子達は先生に見えない位置に居るからかすごい形相で光を見ていた


「名前は」


「月姫 光です」


うわ、やっぱりこいつロリコンだ、いま上から下まで舐め回すように見たよ、何のようだろ、早くしてよ、後ろの女子達が睨んでるから


「ふ~ん」


先生は何かを考えている用にしながら光を見ていたが光には何か詳細にはわからない


「あの~」


光はおそるおそる言葉を述べた


「おはよ、今日はギリギリだね、困ったことがあれば先生に相談しなよ」


先生はものすごい爽やかに言葉を返してきたが、光は逆に寒気がしてきた


「は、はい・・・失礼します」


光は頭を下げ急いで下駄箱まで来た


「何だったの、気持ち悪い、はー、教室に早く行こ」


光は下駄箱から上履きを取り出し脱いだ靴を入れて教室に向かおうとしたが、ツクモの居る理科室の隣の部屋に向かった


「ツクモ居る」


光は部屋の前に着き言葉を述べツクモの返事を待った


「あぁ、白ちゃんか」


「え、白ちゃんだと」


光はツクモの言葉にぴくりと口元がつり上がった


「白ちゃんで間違いないが、忘れたのか」


ツクモはいつもの用に淡々と言葉を述べた


「それ、前に呼んでた・・・もう、いいや」


光は思いだしながら苦笑いをし、仕方ないと諦めた


「何か用か」


「妖怪が出たかも」


「またか」


「例の場所で」


光は目を細め言葉を述べた


「わかった」


「誰かに見られたら困るから行くね」


「あぁ」


光はツクモと言葉を交わし教室に向かい歩き出した


「おはよー」


教室に着き、光は友達の桜に挨拶をした


「おはよう光ちゃん」


「桜ちゃんどうしたの顔色悪いよ」


光は顔色の悪い桜に疑問に思い心配で言葉を述べた


「ははは、なにもないよ」


「ほんと、何かあったの」


「・・・実は、何かあったわけではないけど、別の学校の友達が心配で」


「別の・・・今朝の子供の遺体って!」


「そうだよ、友達の学校に居る子が、殺されたらしくて心配で、最近近くで怪しい人影を見るらしくて」


「人影を・・・それって女の影」


「え、どうだろ、背格好は低いみたいだけど、背の低い男性かも知れないし」


「そうなんだ・・・」


ただの異常殺人・・・それとも妖怪が殺害する特徴か・・・・・・人間なら私には無理だけど、妖怪などの類いなら・・・殺れる、これ以上被害を出さないために

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