もしもし、私、メリーさん。.....ツンデレって何よ!
アキノリ@pokkey11.1
ツンデメリーさん
メリーさんというお話をご存知だろうか。
簡単に言えば、それは呪いの非通知の電話が掛かって来て。
電話を聴いた者は.....という感じのお話だ。
俺、長谷部スバルはそれを鼻で小馬鹿にしていたが。
「.....」
現にメリーさんの電話のその状況下にあった。
何故かは知らないが、実際にメリーさんとやらが俺のスマホにメリーと表示されて電話が掛かって来たのだ。
確かに俺は昔、可愛がっていた人形を捨てたが.....。
俺は冷や汗をかきながら、電話に出る。
すると、だ。
電話先から女の子の声がした。
『もしもし、私、メリーさん。.....貴方よくも捨てたわね。私を。私、すごい悲しかったんだから』
「.....お前.....!?」
『何か言ってちょうだい。本気で呪うわよ。私、悲しいんだから.....ねぇ。何か言ってよ。ねぇ.....本当に悲しかったんだから』
俺は脅す様な口調に冷や汗をかきながら、反応をする。
自室を見渡すが、何も無い。
侵入の形跡は無いが.....。
と、俺はこの時、少しだけ目をパチクリして思った。
このメリーさんなんかおかしくね?と、だ。
俺のスマホに当たり前の様にメリーさんと表示される時点でおかしくね?
普通は非通知だろ。
それ以外にも有るが。
先ず、何故コイツ悲哀に満ちた様な感じで話している。
普通は怒って言うもんじゃね?
静かに怒って、だ。
「.....本当にお前、俺を呪う気ある?」
『.....の、呪う気!?有るけど!?今から行くわよ.....アンタの元に!』
声色がさっきと違い、何だか知らないがツンデレの様に感じる。
俺はますます眉根を寄せた。
側に、俺がさっきまで読んでいたラブコメが有る。
試しに俺はそのラブコメの言葉でジョーク交じりに聞いてみた。
「.....俺さ、実はお前の事、愛しているんだ。好きなんだ。だけど.....間違って捨ててしまった。後悔してるから.....戻って来てくれ」
『は、は、はぁ!?え、あ、え!?は!?べ、べつ.....に.....そんにゃ.....嬉しく無いんだからね!』
ナニコレ?
コイツ、ツンデレか何か?
もしかして初めから呪う気無い?
俺はその様に困惑して思いながら、電話を見る。
「.....お前.....もしかして俺の事、好きなの?」
『.....別に.....別に!?』
「.....じゃあ何で俺の電話先を知ってるのよ」
『.....ハァ?呪いっていったら全部知っているのが当たり前でしょ!』
滅茶苦茶な感じだとそんなもんかなぁ。
何だか怖さが無くなったよ。
俺はその様に思いながら、見つめる。
「おい、メリーさん」
『何よ』
「.....戻って来てまた一緒に暮らしてくれるか?今度は大切にしてやる」
『.....し、仕方が無いわね。私、アンタの事、嫌いで仕方が無いけど、仕方が無いから暮らしてあげる。もう二度と離れないで』
ツンデレのツンデレ。
何なんだコイツ。
俺はその様に思いながら、外を見た。
窓に誰か映っている。
金髪に、顔立ちが整った、美少女。
眉毛とかも金髪の碧眼の赤面の女の子。
電話を落としながら、俺を涙目で見てくる。
俺は直ぐに背後を見た。
「.....!?」
「.....別にアンタの為に戻って来た訳じゃ無い.....から.....でも捨てないで」
ううっと涙を流しながら真珠の様な涙を流し。
嗚咽を漏らす、女の子。
俺はその子を捨ててしまった事を、かなり後悔した。
☆
それから数年経った。
俺は人間になったそのメリーさんと付き合って、そのまま結婚した。
そして今、俺はマイホームで一緒のソファに座り。
「あなた。幸せよ、私」
「.....俺もだ」
娘が生まれ、幸せに暮らしている。
そのままキスを交わした。
そしてお互いに微笑み合って娘を見ながら、だ。
fin
もしもし、私、メリーさん。.....ツンデレって何よ! アキノリ@pokkey11.1 @tanakasaburou
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