洋平

 

悪魔を執拗に追うサイバー空間のパトローラー。


それが小関正也という南洋大法科出の男である事を、迫田が必死に調べ、そして遂に見つけた。


この演出で千葉知遥は一気に迫田を信頼するようになった。

(目論見は成功したが、これにより小関の命が狙われ始めた)




悪魔の生い立ちは母親の知遥から迫田が直接聞き出したものだ。




勿論、生まれた時から悪魔だったわけではない。


ただ生まれた時から恐ろしくIQが高かった。


母親の実家が恐ろしく上級な家系だった。


そして父親が伝説の300勝投手だった



洋平は俺と同じように ……いや、俺以上に野球漬けの少年期を過ごした。

父親に似て身体も大きくパワーもあった。

少年野球時代は父親の期待通りの活躍をしていた。


千葉正利は、俺の親父以上の野球バカだったようだ。

洋平は俺以上のパワハラ的なシゴキを受け続けていた。


洋平は常に父親を恐れ、いつも優しい祖父を誰よりも慕って育った。

祖父は国をコントロールしてしまうような、凄い政治家だった。

祖父を心から尊敬し、祖父の生き様に憧れた。

必死に勉強して、立派な知識を身につけ、祖父のように国をコントロール出来る政治家になる事が夢だった。


15歳の時、コンピュータに於いて既にハイレベルユーザーだった洋平は、憧れの蓮見泰嗣関連のサイトを巡る内に、恐ろしい闇の世界と遭遇するのだった。



それは政治家の資金源と思われる裏社会の腐敗した世界だった。


大企業との癒着、マスコミ操作、警察捜査への圧力 ……


そして人身売買と臓器売買。



千葉洋平の中に悪魔が宿った瞬間だった。

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