時々、ひょうきん


 ・・・へっ ?


 「Sachika」と書かれたドアを開けると壁一面に法律関係の参考書が並んでいた。


 

 司法書士、行政書士、弁理士、社会保険労務士、ビジネス実務法務検定1.2級、知的財産管理技能検定2級…


 ・・・過去問がズラリ



「ち…違う。こっち」


 祥華が慌てて、隣りのドアに顔を向けた。


「えっ ?」


 隣りのドアを開けると、想定内の部屋が現れた。


 10畳ほどのシンプルなベッドルーム。


 ・・・勉強部屋と寝室が別か


 今更、不思議がる事でもないが…やっぱりお嬢様だな。



「貴さんがこの部屋に入った初めての男性」


 俺の腕の中から囁きが聞こえた。

 戸惑う俺の顔を見て、祥華が悪戯っぽく微笑んだ。

 

 ・・・ずいぶんと落ち着いてる



 ん ?



 “ ドクッ ドクッ ドクッ ドクッ ”



 ・・・心音か ?



 ・・・俺の ?



 ・・・違う



 ・・・



 自分の心音に気づいたのか。


 祥華が恥ずかしそうに、俺の胸に顔をうずめた。


 お嬢様の強がりか…自分の中の恥じらいと葛藤していたのか ?


 愛おしさがさざ波のように打ち寄せて来た。


 俺は静かにお嬢様をベッドにおろし、顔を寄せた。


 何度も口づけを交わしながら、徐々にその深度を深めていく。


 祥華の背中に伸ばした手がファスナーを探り当てた。

 ノースリーブのサマードレスを両腕から滑り落として、自分も服を脱いでいった。


 抱きつくように背中にまわした手で、ブラのホックを外した瞬間、祥華はモゾモゾと芋虫ような動きで、シーツの中に潜り込んだ。


 俺がシーツの上から覆い被さると、シーツの端から祥華の顔がひょこっと出てきた。


「ははっ」


 ・・・時々、ひょうきん


 隙かさず首筋から小さなあごに唇を這わせていき、再び唇をふさいだ。

 舌を吸いながら両手首をベッドに押しつけた。


 わずかに抗おうとした祥華の仕草が、堪らなくそそられた。

 目尻に二本のラインが浮き上がっている。

 必死に目を閉じていた。


 ・・・表情が固い


 唇を首筋から、シーツに隠れた胸の膨らみの先端へとゆっくり移動させていった。

 想像以上の豊かな膨らみに、じっと顔を埋めた。


「貴さん」


 妙に切迫感のある声を聞いた瞬間、俺の理性は飛んだ。

 俺は素早くシーツの中に潜り込んだ。

 祥華の両手が膨らみの上に置かれていた。

 その両方の手をゆっくりとしっかりと握り締めた。


「目を開けて」


 薄闇の中で、祥華がいきなりパチっと目を開けた。


「・・・アホ」 


「ヘヘっ」


「好きだよ」


「・・・嬉しい。やっと言った」


 ・・・天使の微笑み


 お互いにしっかりと握り合った両手を、バンザイさせてピッタリと素肌を重ねた。


 同時に右膝で祥華の両脚を押し開き、そのスペースに右膝を滑り込ませた。

 完全に二人の肌が密着すると、祥華が小さく吐息をもらした。


 握り合った手を離して、胸の膨らみの上に掌を当てた。

 ゆっくりと掌を動かしながら、指で先端を撫ぜた。

 先端は僅かばかりの突起だった。


 俺は身体を徐々に下に移動させ、その小さな突起に口をつけた。

 掌を動かしながら、突起を舐める。

 突起を掘り起こすように、舌先を動かすと祥華は小さく声を出した。

 突起がわずかに硬く尖って来た。

 それを何とか口先にくわえ、舌先で転がした。

 

 再び祥華の両手を握り締めて、小さく突起した左右の乳首を交互にゆっくりと弱く吸った。

 そして舐めて、舌先で転がす。

 それを規則正しく繰り返した。

 祥華の口からわずかに声がもれ、少しだけ背を反らせた。


 唇を這わせながらさらに下に移動した。


「いやっ」


 最後の下着をさっと取り除くと、上からかすれた声が聞こえた。


 ぽっこりした意外に柔らかい下腹部に、ますます愛おしさが溢れた。

 幼児体型とは言わないが、モデルのようなスタイルを想像させるルックスとのギャップが、また堪らなく可愛らしい。


 ・・・やや運動不足かな

 

 俺はさらに下に…


 ん ?


 突然、祥華の手が俺の耳を引っ張った。


「戻っておいで」


「いやだ」


「ばかっ」


 耳を引っ張られるまま、上にずり上がって何度目かの深いキスをした。


 少し祥華の表情が柔らかくなって来た気がする。

 

 深いキスで祥華の口を塞いだままゆっくりと下腹部に手を伸ばした。

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