このチームは強い
第二戦
南大の攻撃は残塁の山だらけとなった。
今ひとつツキがなかった事もあるが、やはり相手の守備レベルの問題であろう。
これまで内野を抜けたり、グラブを弾いたりしていた大沢、西崎の強烈な打球をしっかりと捌く守備力が浜松体育大に守備陣にはあった。
南洋大の攻撃力は、出塁した辻合、力丸、水野を大沢、西崎、たまーに俺で返すパターンが強みなのだが、守備レベルが高いと一気に得点力は低下する。
逆に打球が速い分、併殺打になってしまう。
守備力の高い南洋大が、ふだんどれだけピッチャーを助けていたか。
相手の守備が上手いと余計痛感出来た。
先発した大石は五イニングを無失点に抑えた。
圧巻の10奪三振だ。
試合はハイレベルな投手戦となった。
七回
先頭の俺がノーアウトで出塁した。
ピッチャーの足元に叩きつけた打球がセンターに抜けた。
次の暮林がしっかりとバントを決めた。
ワンアウト二塁。
ここで代打の鷹岡。
が、レフト席上段に先制のツーランを突き刺したのだ。
唇を噛み締めながらベースを周る姿には、さすがに心打たれるものがあった。
俺はホームインした鷹岡に真っ先に抱きついた。
気がつくとチーム全員が、ダグアウトから飛び出していた。
鷹岡は全員から手荒い祝福を受け、揉みくちゃにされ満面の笑顔を弾けさせていた。
・・・俺の時は全員から無視されたが
そして六回からマウンドにあがったヒロは、四イニングをパーフェクトピッチング。
・・・このチームは強い
八回には水野のスリーランが飛び出した。
結局、5-0の快勝で簡単に一勝一敗としたのだった。
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