第5話 3日目最終7レース、A級決勝戦の前に

 本当に直接対決できるとは、少しは期待はしたけれど、これっぽっちも思っていなかったといえば嘘になるけれど、でも、やっぱり僕はメロンだから、驚いた。


 決勝戦で、師匠の連勝をストップさせて、まだA級にいさせてやろう、なんてことも思った。


 だから、師匠と話し合った。


「僕の番手は取らせませんよ、そんな師弟対決、誰も望んでませんから」

「言うようになったな、この前ちょっと優勝したぐらいでよ。33バンクが初めてなのに、そう簡単に優勝できるとでも思ってんのか?」

「簡単にはできませんよ、だから、師匠にも、簡単に優勝はさせませんから!」


 その話し合いの結果、2人とも単騎で走ることになった。


 自力の逃げ選手だった僕と、一流のマーク屋の師匠が、単騎同士で一騎撃ちだ。

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