第25話 ヤンツン姫、遂に頭のネジが飛ぶ

花梨を自宅での監禁から解放して丁度1日が経過した。

その1日後の放課後の事。

夕方、俺は風呂に入った京を見送ってからスマホを弄る。

スマホのメッセージを読んで見る。


昨日、夜中に事を聞いたが花梨は少しだけ俯きがちだと言う。

俺はスマホのメッセージを読みながら、まあ、そうだろうな.....と思いながらも絶対的にこれで良かったと思った。

花梨を救えたのだ。


無理矢理にでも連れ去って正解だったと思う。

何故ならこのままでは殺されてしまう可能性も有った。

であれば、これは正解だと思うのだ。


だがもし、これでも何か有るなら警察にでも相談しよう。

市役所とかにも、だ。

どうにも出来なくても.....多少はどうにかなる筈。

俺はそれを考えながら、スマホのメッセージをタカタカと打つ。


因みに結菜の親は余り何か諸事情に関わって来ない様な人間だ。

このまま任せても大丈夫だとは思うが.....。

俺達も手伝おう。

その様に、考えていた時。


「お兄ちゃん」


「.....?.....みや.....こ?」


俺は入ったのか、という感じで背後を見る。

もう着替えたのか?と思ったが。


その場には何故か素っ裸でバスタオル一枚の京が居た。

俺に対してモジモジしながら立っている。


俺は唖然として金槌で殴られた様な衝撃を受ける。

ちょ、マジ!?何やってんの!!?

着替えたんじゃ無いのかよ!!

手に持っていたスマホを吹っ飛ばして俺は愕然とする。


「.....おま.....え!?」


「お兄ちゃん、私、成長したかな?胸とか」


真っ赤になりながらも誘惑する様に話す京。

何がどうなっている!?

俺は赤面しながら、後退しているとソファから落ちた。


それでも迫って来る、京。

艶美な裸体が迫る。


「馬鹿な!?何やってんだ!」


「お兄ちゃん.....最近、私の事、最近見てないんだもん。悲しいから」


「いや!?確かにそうだな!でもこれは幾ら何でも!?」


「一緒に今から風呂に入らない?」


何だこれは!?

つまりなんだ!?


我慢していたネジがぶっ飛んだという事か!?

よく見ると目からハイライト消えているし!

マジに怖いんだけど!?

久しぶりに胃痛が!


「えっと.....落ち着け、京。お前は.....頭のネジが飛んでいる!絶対に!」


「.....お兄ちゃん.....飛んでないよ?私、マトモだよ.....?」


ピンクの乳輪を見せながらたわわな胸と共に俺に接近して来る、京。

ヤバイ、下半身が.....!?

これは絶対にヤバイ!だ、誰か助け.....!?


ピンポーン


神よ!有難う!!!

俺は京に叫んだ。

ただその言葉を、だ。


「.....だ、誰か来たな!すまんが出るぞ俺は!」


「ダ・メ。他の人じゃ無くて私を見て.....私だけを見て.....」


「何なんだお前!マジでおかしいぞ!?離してくれ!?ってか、助けてぇ!」


その大声を発した時。

開いていた玄関から、誰かがドタドタとやって来た。

リビングのドアが開き。

そして。


「.....ちょ、何.....してるの.....」


その場所には真っ青になる結菜が居た。

バスッと手から荷物が落ちる音が。

俺は涙目で救済措置を求める。


助けて下さいという感じで。

でもズボン脱がされている時だけど。

そんな俺の様子にハッとして結菜は赤面で京を止めようとする。


「京ちゃん!ちょっと落ち着いて!」


「.....離して.....!」


「離さないよ!何やってるの本当に!馬鹿なの!?」


その瞬間、バスタオルが落ちそうになる。

俺は赤面で横を見た。


だが、俺から京を結菜が無理矢理、引き剥がした瞬間。

バスタオルが落ちて、下半身の濡れた感じが露わになり。

まさかの事に俺は真っ赤にボッとなる。


いやコイツは!?

まさか興奮している!?


ってそんな事はどうでも良い!

俺はすぐ様にバスタオルを拾おうとしていると。

結菜が平手打ちを俺に打ちかます。


「もうエッチ!バカ!変態!!!修兵あっち見て!」


いや何で俺!?

って言うか、なんでこんな事になっているのだ!

俺はその事を思いながら、バスタオルを握って吹っ飛ばされた。


ネジが取れた京なんぞ初めて見た.....。

ってか、こんな京も有るのね、覚えておこう.....。

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