第10話 とあるホテルと電話番号(実話)

――○○さん、おはようございます。

――おはよう。

――俺運転しますか?

――いや、いいよ。

――んじゃお言葉に甘えて……あぁ、そうだ。○○さん、昨日寝られました?

――8時から先は意識ない。寝てないの?

――あんなん寝れないですよ。○○さん、マジで強いっすね。

――あんなんって?

――そりゃあ上の部屋の奴等ですよ。多分同じ階に泊まってるガキ共だと思うんですけどね、深夜過ぎまで走り回ってんですよ。

――それはないよ。上の階ってレストランで22時に終わるし。

――んじゃ改装とかですかね?

――それはもいでしょ。やってたらチェックインのときフロントで言われるよ。

――ちょっと……マジで聞こえなかったんですか? 運動会並みに走り回ってったじゃないですか?

――私は通路挟んで向かいの部屋だよ? それだけうるさいなら聞こえてるって……それってまさか?

――えぇー……イヤだぁ!

――そう言えばね、それ多分、昨日のラーメン屋から始まってるんじゃないかな。

――はい? 何いってんですか?

――この辺で飯屋探してもらってさ、さとしさんが「めんどくさいからここでいいでしょ! ローカルチェーンだし!」って電話してくれたじゃん? でもさ、「現在使われておりません」だったよね?

でもさ、その店さっき通りすぎたとき縁石に看板出てたんだよね。あれって、工事中だけどやってるって意味だよ。

――ちょっとやめてくださいよ!

――営業時間外だけど、もう一回掛けてみてよ。つながったら……ねぇ?

――やだなぁ……うん、やっぱりつながんないすね。……あぁ!?

――どしたの?

――ボクのスマホね、発着信の表示、市外局番で判断して都道府県表示されるんですよ。東京とか、大阪とかって。 ここなら愛知って表示されるはずなんです。

――うん。

――でもですね、この番号……








日本ってなってるんですよ。

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