探偵協会編

Episode5 在日アトランティス人

シルバーが自分の家族が怪盗一家だと知ったのは、今より12年前の事であった。


当時8歳のシルバーは父と母との3人でロシア西部の街ノヴォシビルスクの一軒家で

幸せな毎日を過ごしていた。


「嗚呼、愛しのプレム、貴方はとても良い娘。

 だから、あの子供みたいに怪盗なんか絶対に目指しちゃだめよ。」


「ゴメンね、父さんは今日も出張なんだ。

 でもプレム、また美味しいお土産買ってきてあげるよ

 …だから良いコにして待っていてね。」


「パパ!ママ!大好き!

 私、ずっと待ってるよ!二人が帰ってくるの!」



父と母はとても"良い"両親――――

厳しい一面もあったが、深い愛情を込めてシルバーを育てていたので、

シルバーも、二人の事を敬意を払うべき存在だと、そう認識していた。

両親が"怪盗"だとは考えすらしなかった。


―――しかし、幸せな日々は長くは続かない。

ある日シルバーは、両親が仕事で出張するという事で

祖父プロメテウスの家に預けられる事となる。


そして、預けられてから三日後の事――――


ゲーム機も無い祖父の家で暇を持て余していたシルバーは、

ふと、何か面白い番組はやってないかと思いながら、テレビの電源を付ける。

すると――――ロシアのニュース番組「Вести<ヴェスチ>」が

JAPの天才女探偵、ビャッカ・ヤチョーガによって男女二人組の大怪盗が粛清された(殺された)という朗報を流していた。


「ようやく捕まったんだぁ、あの大怪盗。」


―――シルバーはしばらくそのニュースを流し見していたが、

暫く立つと、流し見すら出来ない、

目を覆いたくなるような残酷な光景が目の前に映し出される。


それは、怪盗二人組の顔写真。

――――その顔がまさに、自分の愛する両親と瓜二つであったのだ。


「―――――――――――え。」


『薄汚い犯罪者が二人も消えてホッとしますなぁ。』


「違う―――私のパパとママは…とてもいい人で優しくて―――

 私の事を愛してくれて―――美味しいホットケーキを作ってくれて――――

 

 これは別人だ……目の錯覚だ……悪い夢だ……!!!

 でも、あの顔は―――あの二人の顔は間違いなく――――――!!!!!!

 あああ!!」



8歳の子供にとって、親を失うという事は、親が犯罪者だと知ってしまう事は

どれほどの絶望になるのだろうか。

少なくとも今回の件は――――

自分の親が清純だと思っていたシルバーにとっての"それ"は、

自分の命をも絶ちたくなるレベルの絶望であった。


その後――家に帰宅したプロメテウスから、すべての事実を知らされる。

自分の家族が怪盗一家である事――――――

自分が怪盗と言う汚れた仕事に手を染めなくてはならないという事――――――


驚愕の現実に絶望したシルバーは自分の命を、その日の晩に絶つ事を決意する。

自殺のスポットは、高層ビルの屋上。


「もうこの世界にはいられない。私の心の中には二度と光が刺す事は無い。」


『ダメです、プレム。その選択は多くの人の心を絶望に包む事になる。』


「誰っ!?――嫌っ……――来ないで!!私を楽に死なせて……!!」


その声、女性的とも男性的とも取れる神秘的な声質。

その声の主、両性器を有した中性的な姿をしていて、内側から光り輝いていた。

その姿は―――まさしく。


「かみ………さま………?」


『貴方がそう思うのならそうなのでしょう。

 もう一度言いますプレム、貴方には偉大なる使命がある。指名を果たすという存在意義がある。

 こんな所で死んではならないのです。』


「し……めい…」


『偉大なる使命です。願いを叶える宝石を滅ぼすという正義の使命。

 そのために貴方は生きなくてはならない。

 そして、怪盗と言う汚れた道筋を進まなくてはならない。』


その後、その"神"の説得によって、シルバーは自殺を中止。

神はその後何度も現れ、シルバーが絶望する度にシルバーの心を勇気づけていった。


(自分が生きる事によって―――使命を果たす事によって――――

 誰かの不幸を取り除けるかもしれない。

 薄汚れた血を引く私が、誰かを救えるのかもしれない。)


神の正体は何かは分からない――――本当の神なのか、

はたまた絶望の心が生み出した幻覚なのか――――


神に出会ううちにシルバーの中には、とある一つの正義が生まれる。


「人は使命があるからこそ強くなれる。


 フローレンス・ナイチンゲールは―――

 …神の声を聞き、多くの人々を救済することによって

 クリミアの天使となった。

 ジャンヌ・ダルクは―――――

 神の啓示を受け、オレルアン解放と言う奇跡を成し遂げた。


 神から与えられたDDFを守るという使命。

 ――――これを果たす事は私にとってどれほどの成長になるのだろうか。」


――――――――――――――――――――――――――――――――――――

鳥取のどっかの道路


ンゴロオオオオオオオオオ!!!!!!!!!


シルバーが愛車を走らせる!!!!

今日の彼女は何処へ向かっているのだろうか、

怪盗事業か、それともウィザードのメンバーに会いに行くのだろうか。


(この数週間、DDFで願いを叶える方法を

 ずっと探していたが――――結局それは分からなかった。

 その方法さえわかれば、願いでDDFを宇宙の果てにまで

 飛ばしてやったのに……

 

 ―――だがもうそれはいい。出来ないなら出来ないで、別の方法を試すまでだ。

 そのために私は今、鳥取県の米子パスポートセンターまで向かっている。)


何故だ、なぜ米子パスポートセンターへ向かうんだシルバー…


(問題なのは、DDFを封印する場所。

 海底や地中では、いずれはDDFを求める者たちに

 足跡を辿られ、掘り出されてしまうだろう。

 だから……DDFはハワイに封印する!!!!!!!

 正確には、ハワイ諸島キラウエア火山…その火口の中にDDFをぶちこむ!!!

 マグマの中ならばだれであろうと封印を解くことなどできはしない―――

 そして、その為にはパスポートが必要だ!

 このシルバーがハワイに旅行するためのパスポートがな……)


なんたる名案!

しかし……


「んっと……その前に……お前に会う約束があったな」


シルバーが車を降りる…そして目の前の電柱に、ある男が隠れていた。

その男、24歳私立探偵の右堂院であった。


「申し訳ありません、急に呼び出したりなんかして。」


「別にいいよ。まだ時間はあるし。」


現在―――AM9:30。

米子パスポートセンターの発給申請受付時間――――8時30分~17時00分。

つまり、シルバーにはまだまだ時間の猶予がある。


「それで、私に話したい事って?」


「実は、私―――明日この鳥取を発つ事になったんです。」


「―――何?唐突だな……理由は何なんだ。」


「マレフィカルム―――です。」


「!」


「実は3日前、私はマレフィカルムの入会試験を受け―――合格したのです。」


「そうなんだ……結局、入会試験、受けたんだ……」


「はい……明後日より、

 東京の探偵協会マレフィカルム日本支部で働く事になりました。」


(―――――。

 恐らくヨシヒロ君は、あの忌々しい探偵王百賭から

 カース・アーツと怪盗抹殺許可証を授けられたのだろう。

 

 つまりそれは、今後ヨシヒロ君が、

 怪盗との殺し合いに身を投じる事も可能になったという事。

 いずれは私との殺し合う事も―――――――いやそれはいい。

 私の能力ならヨシヒロ君を殺さず戦えるからな―――

 でも、他の怪盗と戦ったとき、その時は―――

 命を落としてしまう可能性はかなり高い。


 なんでマレフィカルムの勧誘を断らなかったんだ……馬鹿な事を――――)


「――――なんでマレフィカルムの勧誘を断らなかったんだって顔してますね……」


「!

 ―――顔に出てたか。」


「聞きたいですか?」


「嗚呼。」


「――1週間前、母親と父親が、正体不明の何かに襲われ、

 致命の重傷を負ったのですよ。」


「正体不明の化物?」


「巨大な10mほどの蛇に襲われたなどと供述しています。

 勿論、誰も信じてはいませんが――――」


「………で、入団したらその親の治療費をマレフィカルムが払ってくれると。」


「ええ、そうです――――」


(正体不明の化物か、カース・アーツを所持する、探偵か怪盗に襲われたな……)


カース・アーツによる事件は、証拠が残らない為、

誰にも解明することは出来ない。

だからカース・アーツ使いによる怪盗の事件は、

警察にはどうすることも出来ない。法では裁けない。

だからこそ、カース・アーツ使いの怪盗を抹殺を専門とする

カース・アーツ使いの探偵協会が成立されたのだ。


「で、此れから私とどうしたいんだ。

 フフ。最後の思い出づくりに

 レストランや買い物にでも行くか?」


「今日のここまでの私の行為を曲に例えると、全てイントロ<前置き>です。

 そしてそして、今より、サビ<本当の目的>は流される……」


「は????????????????????????????????

 ?????????????????????????????????」


「今日私が貴方をここに呼び出したのは――――――

 たった一つの目的があっての事です。

 そうただ一つ――――


 その目的とは。あなたにただ一つの言葉を伝える事……」


「どんな言葉?」


「そ、それは………」


右堂院が頬を赤く染める。


「ほら、もったいぶってないでさっさっと伝えなよ。」


「―――グランさん、私、右堂院 義弘は………


 右堂院………義弘は――――――

 貴方の事を――――――――――――――












 お慕い申して―――――――――おりました。」







シルバーがうつむく。


(こんな事だろうとは、思っていたよ。


 キミが私の事を好きだなんて―――――

 とっくの昔からわかってたよ、私も鈍感じゃないからね。


 でもね、それは―――その願いだけは、叶わないんだ。


 だって私は生まれ付きの怪盗、キミは探偵。

 殺しあう運命にあるんだから。)




沈黙。

沈黙――――――――――――――――――――――


沈黙。沈黙。沈黙。沈黙。沈黙。沈黙。沈黙。沈黙。沈黙。沈黙。沈黙。沈黙。沈黙。沈黙。沈黙。沈黙。沈黙。沈黙。沈黙。沈黙。沈黙。沈黙。沈黙。沈黙。沈黙。沈黙。沈黙。沈黙。沈黙。沈黙。沈黙。沈黙。沈黙。沈黙。沈黙。沈黙。沈黙。沈黙。沈黙。沈黙。沈黙。沈黙。沈黙。沈黙。沈黙。沈黙。沈黙。沈黙。沈黙。沈黙。


二人の間に、ひと時の静寂が訪れる。

1秒が永遠にも思える―――哀しみの静寂が―――――



「あっ…………あのっ!!!グランさん…………!!」


最初に言葉を発したのは―――右堂院。

答えを待つ緊張で耐えきれなかったのだろう。


「ダメよ。」

「あっ………」


だが、彼に返ってきた言葉は………

あまりにも短くシンプルで、そしてグロテスクだった。


「―――――――――――やっぱり、僕なんかじゃ―――

 グランさんとは釣り合わないですよね………」


「いや、キミは良い人で、いい男だよ。

 とってもまじめで、芯があって、純粋で、優しい人。

 きっと私が普通の人間だったなら、

 きっとキミと恋に落ちてたのかも……」


「では、何故……」


「運命。」


運命。それは、シルバーの全行動原理の中核。

絶対的なルールであり、自分にさえどうしようも出来ない概念。


「運命って―――――そんな理由で……」


「ヨシヒロ君はカマキリとバッタがお互いの正体を知って――――

 相思相愛になれると、思う?


 私は無理だと思う。だってそれが―――運命だから。

 私と君の関係も―――それと同じなんだ。


 私と君はもう―――敵同士なんだから。」


シルバーが、右堂院を突き放す。

そしてその勢いで車に乗る――――


「グランさん……」


「ゴメン、ヨシヒロ君。

 でも、これでいいんだ。これが最良なんだ。

 貴方はいい人だから、きっと、今後幸せになれると思うよ。」


「グランさん……!!」


「さらばだ。」


シルバー車のアクセルを踏むッ……

しかし―――――。


『プレム!!!!!!!!!!!

 何をしているのです!!!!!!!!!

 早く家に帰還するのです!!!!!!!!!!!』


シルバーの背後から女性的とも男性的とも取れる神秘的な声が聞こえる。。


その声の主、両性器を有した中性的な姿をしていて、内側から光り輝いていた。

その姿は―――まさしく。


「グランさん……?ど、どうしたんですか……!!」


「ゴ……ゴッド<神>!?何があったというんだ!」


『プレム……持ち運ぶと他人に見られる危険性があると思って

 DDFを家に置いてきたでしょう…

 ―――――それはマズイ選択だった!


 今!

 ――――家のあなたの部屋にあるDDFを

 何者かが狙っている!!!』


「なんですって……!!」


『急ぐのです……!!ここから家まで5分とかからない…!まだ間に合いますよ!!

 使命を果たすのです!!プレム!!!そうすれば貴方は天国へ行ける!!!』


「………わかった!」


「グランさん……突然独り言を言って………どうしたんです……

 それにすごく青ざめている!!」


「ヨシヒロ君には到底、教えられない事さ………!!

 キミをこの私の過酷な運命に巻き込むわけにはいかないからな……!!」


シルバー………!!!車を走らせる………!!!!


右堂院………!!!どうする事も出来ない……!!!!

傍観する事しか出来ない……!!!!!!!



「な………グランさん………

 僕には貴方の運命の歯車に挟まる資格すらないというのか……!!!

 くそおお……」


―――――――――――――――――――――――――――――――――

グラン家 シルバーの部屋


「……この黒い輝き、この手触り………これがDDFか…」


一人の男がシルバーの部屋の金庫からDDFを盗み出す。


「さて、計画通り玄関から脱出するか。」


男は玄関を開き、外に出る……しかし。


キュップイイーーーーーーーーーーーーーーーーンッッ!!!!

ドンゴン!!!!!!!!!!!!!

スタッ!


シルバー、わずか3分で帰宅。


「そこのお前!何者だ……!?とりあえず動くなよ!

 …………ハッ!!アンタは……」


「ワシが如何かしたのか……プレム?」


シルバーのDDFを盗み出したのは、プロメテウスだった…


「ジジイか。クソ、人違いだ。」


「人違い?誰とまちがっとったんじゃ?」


「企業秘密だ。それよりジジイ、

 誰かこの辺に不審な人物を見かけなかったか?」


「いや誰も。」


「本当か?」


「左様。ところでプレム、今日は久々に怪盗事業をやると言っていたが

 忘れ物でもしたのか?」


「ああそんなところだ。」


プロメテウスがシルバーの横を通り過ぎる。


「ところでジジイ、そんなデカいバッグ背負って

 ……どこへ行く気なんだ?」


「プレムには関係のない事じゃ……」


『プレム、あの男のバッグを調べなさい、

 恐らくDDFが入ってます』


シルバーがリボルバーをプロメテウスに向ける


「プレムお前……」

銃を向けられたプロメテウスがプレムの方を向く。


「急用があるんだ。

 例えジジイだろうと、問答無用で疑わせてもらうぞ。」

(睦月はもう島根の新居地に移住した……

 家にいるのはジジイのみ。

 ストーン・トラベル…ジジイの瞳の粘膜を石化しろ!)


プロメテウスは瞳の粘膜を石化され、視界を奪われた………

しかし……


「フンッ!!!」

「えっ………ぐあああああああ!!!!!!」


その瞬時、プロメテウスの飛び膝蹴りがシルバーの顔面を直撃する!!!

シルバーは鼻血を噴き立ち眩んだ。

そして……


―――――――プロメテウスの当て身…シルバーはその場で気絶する。


「――――プレム、お主の敗因は、ワシの能力を知らずに事を急いだこと。

 そう、ワシの能力を知っていれば、この距離での戦闘は避けていたはずだ。

 世界でNo2の"怪盗アルギュロス"としての―――その能力を…


 ワシの能力は運命の航海術<フォーチュン・ナビ>。

 能力は、視界に移る10秒先の未来を見通す事。

 瞳が石化される前に、お主がワシを撃てないのは分かっていたし――――

 ワシの攻撃がお主を確実に気絶させる事が可能だという事も分かっていた………」


悲しい表情をしながら、プロメテウスがシルバーを抱える。


「すまぬな、これも"使命"の為なんじゃ――――――――

 ワシに課せられた、DDFを破壊せよという使命………」


『プロメテウス、彼女は放っておきなさい。

 時間の猶予はありませんよ。』


その声、女性的とも男性的とも取れる神秘的な声質。

その声の主、両性器を有した中性的な姿をしていて、内側から光り輝いていた。


「神か………

 ワシに使命を与えた、神――――」


『急ぐのです………私は神です。

 神の使命は大統領の命令より絶対だ……』


「そうせかしなさんなって。

 彼女はわしの保険になってもらう。

 ワシが、この使命を失敗した時のな――――」


『だまらっしゃい!

 貴方が失敗するような使命を、

 その小娘如きが果たせるのですかァァ?』


「待ってくれ。彼女の介抱は、15秒で終わる。」


プロメテウスにも、シルバーと同じ使命があった――――

DDFを闇の者の手に渡る前に封印せよという使命。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――

AM10:00 鳥取県鳥取市―――

リクルートスーツを着てにシルクハットを被るプロメテウスが、

街の通りのベンチで足を組んで座っている。


(よし、シルバーから奪ったDDFは

 無事"例の倉庫"に保管した。

 これでしばらくは誰にも見つける事はできない筈――――

 後は3日後に来る4人のウィザーズのメンバーと合流し、

 日本探偵協会の持つ、残り四つのDDFを回収するのみ…


 それにしても―――今日はやけに人が少ないな……)


DDFは、5つ集める事で初めて願いを叶える力を

発揮するタイプの願望器―――――


プロメテウスの作戦は、

すべてのDDFを回収し、

"DDFを此の世から消滅させろ"という

願いを叶える事にあった。


しかし―――


「………フォーチュン・ナビ、この未来は………!!

 ワシの頭がスナイパーライフルで撃ち抜かれておる!!!」


能力で未来を見たシルバーが銃を構え、ビルの屋上に向けて一発弾丸を撃つ。

その間、わずか0.3秒。

銃にはサプレッサーが取り付けられており、銃音は軽減されていた。


「ギャアアアアアアア!!!!」


ビルの屋上から声が聞こえる。


「スナイパーか……だがワシには未来が見える……

 ワシの暗殺、それは何者であろうと成し遂げる事は出来ない………」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――

ビルの屋上――――


「いてえッ……いてぇぇぇえ!!!!!!アイツ、逆にオレを撃ちやがったあ!」


肩を撃たれた男がのた打ち回る。

プロメテウスを撃ち殺そうとしたスナイパーである。


「成程。シルバーの祖父は能力者ですね―――――

 事前にコイツの銃撃を予測しかわすとは、

 敵意を読み取るサーチ系のカース・アーツかな……?」


「ロ、ロンカロンカさま……助けてくださいッ………!!!」


撃たれた男の側に一人の少女探偵が立っていた。


ツインテールにハイライトの無い黒紫色の瞳。

深紫色のコートを腕を通さないように羽織っている。

内には紫色の胸空きタートルネックに黒いズボン。


―――その長身の娘、『三羅偵』ロンカロンカである。


「た、たすけて……ぐぶえ!!!」


ロンカロンカの靴先がスナイパーの口に差し込まれる。


「スナイパー君、

 あの老害は恐らく―――キミから"何の目的があって撃とうとしたか…"という

 情報を聞き出すために…あえて殺さないように撃ちましたよ――――


 奴は今――――このビルの屋上へと急いで向かっています。」


「ぐああ……」


「奴の能力は未知数。奴の能力を知りたい。

 いいですか、スナイパー君、奴はキミを質問責めにするでしょう。

 そこでなんとかして時間を稼ぐのですよ。

 私が奴の能力を暴くための時間を―――」


スナイパーの口に差し込まれた靴が抜ける。


「うううう――――なんでこんなことに。

 ぐぁ!!!ふぐ!!!おぼあ!!あば!!!!!!」


ロンカロンカが右手に持った鉄パイプでスナイパーを滅多打ちにする。


「もしキミが時間を稼ぐのに失敗したり私の正体をバラす………

 ―――なんて事があったら私はキミを殺しますからね。

 そして、キミの家族友人隣人親戚一同を―――

 私の"カース・アーツ"で皆殺しにしますからね。」


「わ、わかっております……ロンカロンカ様………」


ロンカロンカがビルの屋上入口の影に身を隠す。

そして暫くすると、屋上のドアからプロメテウスが姿を現す。


「フッ、生きていたか――――オイ、何をうつむいている、こっちを向かんか!!」


「ギャアアアア!!!」


プロメテウスがスナイパーの脇腹を思い切りけり上げる。

そして銃を取りだしスナイパーの脳天に狙いを定める。


「ひ、ひいいい!!!」


「クソガキめ、いいか、ワシは今からお主に質問する。

 ごく簡単な質問じゃ。答えねば殺す。

 それでは質問じゃ――――『何の目的があってワシの命を狙った。』」


「そ、それはッ……か、『怪盗に命令された』んだ……!!」


バンッッ………!!!

プロメテウスの銃弾がスナイパーの股間を打ち抜く!!!


「アヒアーー――――――――――――――ッッッ!!!!!!

 あっ………あぁぁあッッ……!!!!

 うあ~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!」


「よくぞ答えてくれた、だが立場というモノが分かっていないようじゃな。

 『敬語を使え』。ワシが上の立場じゃ。」


「ひ、ヒィィ――――………」


それをばれないように影から見守るロンカロンカ。


「敵意や殺意を読み取る能力ではありません。

 だとしたら奴はとっくに私がいる事に気づいているはずですからね…

 カース・アーツを出しているこの私に……


 ―――少し、奴の能力を探るためブラフをかけますか。

 私の"能力"で、15秒後に奴の頭に鉄柱を落としてやる。」



「今の銃撃は、貴様の右のキンタマを撃ち抜いた。

 いいか、次ワシに失礼な態度をとったら左のキンタマも撃ち抜かれると思え」


「ヒ……ヒエ――――!!!」


「ぬっっ………」

(10秒後、ワシの頭の上に鉄柱が落ちてくるッッッ!!)


プロメテウス、鉄柱の当たらない場所へ移動する。


「もう一人、この近く仲間がいるようじゃな。

 『仲間のいる場所』を教えてもらおうか、3秒以内だ。」


「いっ………」


………


「アイツ、私が能力を発動する10秒前に能力発動を予知して、

 立ち位置を移動したぞ。


 完全に理解した……奴のカース・アーツは、

 『10秒後の未来を予知する』能力を持っている……!!」


「チッ……答えるつもりはないか……」


バン!!


アルギュロスが、スナイパーを撃ち殺して、

上の方向を向いてくるくる回り始めた。


「ワシの能力は視界の中の未来しか読めない。

 攻撃の軌跡を見つけるのだ……


 ――鉄柱が落ちてくる直前に、剣のようなものが投げられているぞ

 そしてその剣を投げた奴は………

 あの屋上の入り口の陰に潜んでいるな……!!!」


「……奴が私の位置に気付いた!!

 成程、奴は視界内の未来しか読み取ることが出来ないのですね!!」


「そこに誰かおるな!!姿を見せるがいい!!」


ビルの陰に隠れていたロンカロンカが、立つ。


「フフフ……」


「貴様………その姿は………!!!!

 天才美少女探偵ロンカロンカか!!!!!!!!

 馬鹿なッ『三羅偵』が動き始めたというのかッッ………!!!」


「シルバーの持つDDFは

 すでに我々探偵協会が奪い取っている。(嘘)」


「なんじゃと………!!!」


プロメテウスはすぐさま銃を構え、

ロンカロンカに向かって4発の弾丸を発射させる。


「女帝の監獄<エンプレス・プリズン>ッ!」


ロンカロンカの右手に金色の剣が現れる。

そして、それと同じにロンカロンカの目の前には二人の謎の男女が出現した。


「ギャアアアアア!!!」


プロメテウスの弾丸は、その男女に命中する。


「や、やった……いや、誰じゃお主ら!!!」


(フフフ―――女帝の監獄<エンプレス・プリズン>

 剣型のカース・アーツ。

 この剣の刃に触れたあらゆる物質は暗黒の異世界に転送される。

 人間だろうと、鉄柱だろうとな――――

 そして、私だけがその暗黒の異世界に転送した物質を

 自由自在に取り出す事が出来る。

 これがこの私の能力!!


 事前に暗黒の異世界に転送していた無関係の男女を私の目の前に取り出し、

 銃弾の盾にした!!!)


「ロンカロンカッッ!!逃げ場はないぞ!!」


「そうですかねぇ?(未来を見てくださいよ。)」


ロンカロンカがビルの屋上から身を投げ出す。


「な、何ィ~~~!!!」


そしてロンカロンカは地面追突直前に自分の体をエンプレス・プリズンで切り裂き、

自らを暗黒の異世界に転送した!!!!


カランカラン!!!


地に落ちたエンプレスプリズンからロンカロンカが身を出現させる!!!


「くそッ……逃げられる……!!

 なんとしても奴を追わねばならん!!!!」


プロメテウスもビルの屋上から身を投げ出す。


「フォーチュン・アイ!!!10秒後の未来を予知した!!

 ワシの10秒後の未来は落下死では無い!!

 そこのクッションの上に運よく落ちて少々怪我する程度の未来だ!!!!」


プロメテウスクッションの上に落下!!!

――――――――――――――――――――――――――――――――――――

そして!!!!追う!!!追う!!!

追う追う追う!!!プロメテウスが!!!ロンカロンカを追う!!!!


「あの女、あの身長の低さで、あれほどのスピードを出せるのかッッ………!!!

 だが………追い詰めたぞ!!!!」


プロメテウスがロンカロンカをT字路の真ん中に追い詰める!


(しかし、追い詰めたといっていいのじゃろうか……

 ワシの武器は今、拳銃とグレネードのみ。

 そして奴の能力は未知数。

 剣から人間や鉄柱を出現させる能力とは………)


「冥土の土産に、私のカース・アーツの能力を教えて差し上げましょうか?

 痴呆ジジイ。」


「何?」


ロンカロンカがエンプレス・プリズンを右手に具現化させる。


「この黄金の剣が私のカース・アーツ。

 名は『エンプレス・プリズン』。

 能力は――――斬ったものなんでもこの刃に封印する。」


「何故じゃ……なぜ能力をワシに伝える………

 ―――――――――まさか!!!」


「実は事前にあなたやシルバーと交流があった可能性のある人間を、

 全員この刃に封じ込めておいたのです。

 だいたい350人ぐらいですかね。

 つまり私はいま、350人を人質に取っているわけですね。


 ―――――このように。」


エンプレス・プリズンの剣身から、15人ほどの老若男女の頭が出現する。

「助けてロンカロンカ様ァ………」「ひえええ………」

「あああ………」「ママ―――ッ!!」


「-――――!!!お、お主ッッ……いや貴様ッッッ!!!」

(全員、見覚えがある――――!!

 近くの幼稚園の先生に、二つ隣の家の主人――――!

 あいつも!あの娘も!!見覚えがある)


「全員知っている顔ですよね?

 フフフ――――そおれッッッ!!!」


ゴッ!!!!

ゴッ!!!!


ロンカロンカがエンプレスプリズンを

近くの花壇の角に何度も執拗に叩きつける!!!!!!


「あああああああ!!!」


「これで15人死んだ。」


「げ、外道ーーーーーーーーーーーーーッッ!!

 貴様何のつもりでッッ!!!」


「そんなに取乱す事はないでしょう。

 あと330人はいるのですから。

 それと―――――私が外道?

 ハッ!!!!!!!!!!面白い事を言う!!!!!!!

 お前が怪盗行為をしなければ

 この罪なき者どもが死ぬことはありませんでした!!!!!!!!!

 悪いのはキミです!!!キミが彼等を殺したのです!!!!」


ロンカロンカが再度

エンプレス・プリズンの剣身から15人ほどの頭を取り出す!

今度は全員子供だ!!

そして……


「――――その、娘は…………」


「プロおじい…ちゃん……?」


その娘は、名を田村ほかりと言った。10歳。

隣の家に住む、近くの小学校に通う普通の女子小学生。

よく、プロメテウスと遊んでいたようだ。


少女は、ロンカロンカに銃を向けるプロメテウスを見て

一瞬で状況を察した。

そして…


「あはは、顔見知りを引きましたね。」


「プロおじいちゃん……ロンカロンカを殺して………!!

 こいつは悪魔よ………!!!」


「ロンカ…ロンカァァァ……!!!」


「あたし、もう察したの……もう助からないって………!!

 今は頭だけでてるけど腕と脚はロンカロンカに引きちぎられちゃった……

 パパとママも同じ……ペットのデイジーは、尻尾も斬られちゃった……

 もうあたしたちは人間じゃない………


 あたしに構わずロンカロンカを殺してぇ――――!!!」


「――――――――――!!!この未来は――――――!!!」


プロメテウスは、10秒後の未来を見た。

そこには、左手に銃を持ったロンカロンカに顔面を何度も撃ち抜かれる、

田村ほかりの姿が。


「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」


ドン!!


プロメテウス銃をロンカロンカに向けて発射する!!!

しかしロンカロンカの目の前に田村ほかりの全身が出現する!!

エンプレス・プリズンで暗黒の異世界から取り出したのだ!!!!

当然弾は田村ほかりに命中する。

「ギャア!!!」

眉間を撃ち抜かれた田村ほかりは脳汁を吹き出し死んだ。


しかし拳銃から放たれた銃弾はそう簡単には止まらない。

人一人撃ち抜いたとしても貫通しその先を抜ける。

弾は田村ほかりの頭を貫通してもなお、ロンカロンカに迫った。

しかし、再度エンプレス・プリズンから子供が出現し、

ロンカロンカはそれを盾にした。

「マッッ……」

二人の手足の無い子供の死体がロンカロンカの側に転がり落ちる。


「あああああああああああああああああああああああ!!!!!!!」


「あははははは!!!!とんでもないジジイですね!!!!

 自分を慕ってくれるかわいい子供を撃ち殺してしまうなんて!!!!!」


「貴様!!!殺す殺す!!殺す!!!」


プロメテウスが再度銃をロンカロンカに向け連射する!!

「ギャアアアアアアア!!」「うあああ!!」「きゃああああああ!!!」

しかしすべての弾丸はエンプレスプリズンよりいでし肉壁によって防がれる。

跳弾も、ガラスを吹き飛ばしての攻撃も、すべて防がれた。


そしてその中で余裕そうにしているロンカロンカが誰かと通話を始める。

「各位。プロメテウスを始末するため、プランAを実行します。

 ええ、例のスイッチを押して、私のいるT字路に来てください。

 来なければ殺します。

 君たちの家族友人隣人親戚一同を皆殺しにしますからね。」


バンバン!!!

次にプロメテウスは、電線を銃で撃ちぬく!!!

電線は千切れ、ロンカロンカに向かって垂れ下がる!!!

しかしそれも―――――防がれる。

エンプレス・プリズンから出現した、ゴム製のシートによって。


「無駄な事を。未来見えてみるんでしょう?

 あらゆる攻撃が私に防がれるという未来が……


 そして―――キミはもう終わりですね。」


「なにを……」


「私が罪なき人を虐殺し、キミをわざと怒らせて攻撃させたのは―――――

 作戦ゆえの行動です。

 

 キミがよそ見しないように注意を引きつける必要があった。

 キミの能力はどうやら

 自分の視界内の未来しか予知出来ないようですからね。」


「ワシの能力はすでに見破っておったか……

 ならワシを倒す事は不可能なのも理解しているはず。

 この世に未来予知が出来る人間を倒す事が出来る者はおらん―――」


「辺りを良く見まわしてください。」


T字路の中心に向かって、腰に何かを垂れ下げた全裸の13人の男女が必死の表情で

こちらに走って来ていた。


「ぬ――――なんじゃアイツらは!!!」


「私の奴隷です。

 エンプレス・プリズン内で、あらゆる調教を行った私の奴隷。

 私のどんな命令でも聞きますよ。」


「――――この未来は……!!!」


プロメテウスの見た未来は、13人の男女が自爆して自分を殺すという未来。

腰に垂れ下げた何かは――――時限式の爆弾であった……!!!

彼等は人間爆弾だ!!


「貴様、どれほど人の命を弄べば………!!!」


「未来予知をする敵を倒すなんて簡単ですよ――――

 一切の希望を残さない、絶望的な状況を作り出せばいい………!!!

 どうあがいても負ける未来しか見えなくすればいい……!!」


「貴様も死ぬぞ!」


「エンプレスプリズンで自分を切り裂けば、異空間に退避する事が可能です。

 爆発なんて通用しません。貴方のカス能力とは一味違う。」


「駄目じゃ、この10秒後は………!!!!!!!!

 この10秒後も……この10秒後も……!!

 そうだ………ビルの中に身を隠せば―――――!!!!」


しかし予知には、

ビルの中から出てくるロンカロンカの全裸爆弾奴隷が見える。


「………………!!!」




「プレム………すまない。ワシでは、駄目じゃった……」




カッ




怪盗アルギュロス

(プロメテウス・グラン)―――――――――――――死亡。



エンプレス・プリズンの剣身から、ロンカロンカが現れる。


「フッ………」


「アハハハッッ………」


「アー―――――――――――ハッハッハッハ!!!!!!」


――――――――――――――――――――――――――――――――――――

同時刻。

グラン家。シルバーの部屋


気絶していたシルバーが、自分の部屋で目を覚ます。


『起きてください!!起きてくださいプレム!!』


「……――――ハッ!!!!

 ハァッ……ハァッ……!!!

 ―――――――あっ、DDFは!?

 ジジイは!?」


『……もうすでに、姿は見えません。

 車でどこかへ移動したようです。』


「クソッ………!!!!」


シルバーが拳を握りしめ床を殴る。


「ど、どうすれば、どうすればいい……!!

 ジジイの正体は知らないがアイツは自分の事をプロの怪盗だと言っていた。

 一切の痕跡は残していないだろう………」


ピ――――――――――――――――――――!!!!!!!!!!


「!?」


シルバーの部屋の金庫の音から、音が聞こえる


「なんだこの音は……!!」


シルバー金庫の中からスピーカーを見つける……


「なんでこんなものが入ってんだよ……」


『シルバー………ア…………ア……キコエルカ、シルバー………』


「ジジイの声……」


『シルバー…これをお前が聞いているという事は、

 ワシの身に大きな危険があったか、死んだかのどちらかという事になる。』


「何だって……」


『覚悟して聞いてくれ――――

 今から話す事は、我が一族とDDFとの関係、そして…

 お前の今後にまつわる話じゃ。』

――――――――――――――――――――――――――――――――――――


いいか、とっくに気づいていると思うが………

ワシらは『在日ロシア人』ではない。


ワシらの祖先は、かつて存在していたという伝説の大陸『アトランティス』…

そこに住んでいた『アトランティス人』―――――その最後の生き残りじゃ。


ワシらは……『在日アトランティス人』だったんじゃ。


………


アトランティス大陸の末路はお主も伝説で知っているじゃろう。

3500年前、『DDF』で世界最強の力を手に入れた、

最強の魔術師『クロイツェン・ママゴンネード』に沈められたのじゃ…。


だが、一人だけそのクロイツェンの攻撃をまのがれたアトランティス人がいた

そいつの名は『オルゴーラ・グラン』。


一人生き残り、復習に燃えた彼は最強のカース・アーツを用いて、

長き戦いの末に『クロイツェン・ママゴンネード』を討つ―――――。

そしてそのまま、元凶であるDDFをも破壊しようと試みたが、

全世界に散らばったDDFを探し出す寿命が無い事を悟り、

諦める。


しかし彼は、自分の子孫にDDFを探し出す使命を与える為、

とある呪いを自分の子供たちにかけた………


それこそが――――ワシら一族の側にいる『使命を与える神』なんじゃ。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――


DDFは鳥取ネオ八番街のA-R地下倉庫に安置してある。

住所は-----------------------だ。

パスワードはわしの誕生日。


ではお前に………すべてを託す。

必ずDDFを闇の者の手から守ってくれ。


                    by――――プロメテウス・グラン


――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「ジジイ………そんなバカな……

 ジジイの身に何があった!?」


『プレム!!!そんな事を心配している暇など有りませんよ!!!!』


「何をッ……!!」


『いいですか……彼の事を思うなら!!

 貴方はまず鳥取ネオ八番街のA-R地下倉庫に向かい、

 DDFを回収しなければならない!!』


「…………!!!!」


シルバー手を握り締める……


「ああ、わかった……よ。」



―――――ピピピピピピ!!!!!

シルバーの腕時計が音を発する!!!!


『どうしたのです、今度は何の音です!!』


「爆発物探知機が反応している………

 15m以内だ………」


『馬鹿な、近くに爆弾があるというのですかッッ!』


「私は起きてからずっとこの場所にいた、つまり、

 爆弾の方が移動しているという事になる。」


シルバー部屋の窓から外を見る。

すると、一人の眼鏡をかけた男性が、家の中に入ってくるのが見える。

腰には、何かいびつなものをぶら下げている。


「何だアイツは……

 まさか……まさかアイツが爆弾……?


 何かヤバい……ここにいるのは―――――マズイ!!!!」


ドオオオオオオオオオオオオン!!!!!!!!!!


男性が爆発する!!!


「ウッ……この火力………!!!!!!!家が、崩れる……!!!!

 オドアアアアアアアアアア!!!!!!」



                               つづく。  









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