第2話

 私は清凉寺日陰、5本の指に入る名家清凉寺家の長女でありれっきとした御令嬢である。はっきり言いましょう私の家は裕福で金がある!!ちやほやすればきっと将来いい蜜を吸えるだろう。

 が、しかし学園で私に誰も群がってこない!!

 妹清凉寺陽向には夜に光りはなつ街灯に群がる蛾のごとく周りに人が集まってると言うのにだ。


 学園まで車で送ってもらい陽向と一緒に車から下り学園の門をくぐる。


「陽向様おはようごさいます!!」


「陽向様ごきげんよう!」


「今日も陽向様はおきれいですわね」


 隣に私がいるのに群がってきた同じ学園に通う生徒達は私に気づいていないのかはたまたわざとなのかものの見事に私の存在をスルー

 今朝お母様に仮面を取り上げられずつけていればじゃっかん嫌そうな関わりたくなさそうな顔を無理やり笑顔を作った顔で挨拶をしてくれるのだけれど今日は素顔で陽向の輝きに埋もれ存在感がないのだろう。

 これでも金持ちの令嬢なんだけどなぁと思いつつも一応、眼中にないだろうが淑女らしく楽しくもないのに笑顔を顔に貼り付けて置くこれでも清凉寺家の長女として外面だけどもちゃんとしておく。


 私は自然な動きで隣で一緒に歩いていた陽向からゆっくりゆっくり距離をあけ離れ、学園にある中庭テラス席に逃げるように移動する。

 この中庭テラス席は選ばれた者のみが入ることの許された特別な場所なのだ。


「紅茶をおねがいします。」


「かしこまりました。」


 中庭テラス入り口付近にいた者に、紅茶を注文する。

 運ばれて来た紅茶を楽しみながらふと考える。


「仮面ないし今日はサボりましょうか」


 仮面がない私は存在感0、陽向とクラスが同じなので仮面がない私は教師にすら気付かれにくく居るのに欠席にされることが多く授業を受けているのに出ているのに欠席扱いされるならいっそのことサボり町へと出掛け有意義な時間をすごそうと決めたのだ。

 そもそもなぜ仮面を取り上げられたのかそれは、玄関を出るとき仮面をつけた私とお母様が鉢合わせしたからだ、いつもはつけていることを隠して登校しいるため見つかると没収されるのだ。

 そして没収された仮面は帰ってこない。何故学園に付いてから着けないのか?それは、送迎する使用人にすら忘れられるから!!何回置いていかれたことか・・・ちなみに日常的に仮面を着けていることをお母様にお父様には知られてはいない何故なら仮面をつけて学園でも過ごして居ることを使用人やボディーガード達にお母様、お父様に報告させていないからだ、私が全てを握っているからだ。ぶっちゃけ使用人達やボディーガード達からしてみれば仮面着けた私に感謝をしているぐらいだ清凉寺家の御令嬢を蔑ろにしなくて済むから。

 それに全員が1度・・・何度も私にたいしてそそうをしているため私が癇癪を起こしお父様にチクリ、クビにすることが可能だからだ。


 サボりを決めた私はこのあとの予定を考えはじめる。

 無難にネカフェで下校時間までオンラインゲームに耽ろうと学園の生徒の登校ラッシュが止むホームルームまで1人独占状態の中庭テラス席で紅茶を飲みつつ時間を潰す。


「おっ陽向のクラスに仮面が居ないと思ったらやっぱりここにいたか仮面没収されたのか日陰?」


「うっわ」


 優雅な時を過ごしていた私に声をかけてきた男性の声にいつもの癖で反射的にうっわ面倒なのが来たといった声がでる。


「なんだなんだ~?折角幼馴染みが挨拶しにわざわざ来たって言うのにうっわ見たいな反応は?」


「うっわ・・・俊介様おはようございますよく私の存在を認識しましたね流石、西宝寺家の御曹司ですね。こんなぱっとしない存在感の薄い私を見つけ出せるなんて」


 私には幼馴染みがいる西宝寺俊介私の家と同じぐらい地位が高くいや、じゃっかん私の家より高い家柄の御曹司で幼いころ連れていかれた西宝寺家主催のパーティーで同い年ということもあり紹介されそこから何度かお互い遊ぶことがあり同じ学園の初等部で会う機会も多くなり親睦を深め今では雄一私が素顔どんなときでも認識してくれる人となった私の雄一の友人だ。

 そして、私が俊介をみてうっわと露骨に嫌な顔をしたのは俊介が学園でモテるからだ。陽向と同じぐらいモテるのだこの幼馴染みはもちろんファンクラブもある。

 私の嫌な顔をした理由はファンクラブにある。彼女達は私を認識するのだ俊介といる時にだが、私が御令嬢と言うこともあり手を出してくることはないが俊介と話をしているとき恨めしそうに殺気を放ちながら私を見て聞き耳をたてるのだ。ファンクラブには掟があり俊介に話し掛けられない限りお話をしてはいけない手を出してはいけないと言うのがありよく話をしている私にヘイトが集まるのだ。あとたまに湧くストーカー紛いの事をするファンクラブの子とかいつか夜道で背中を包丁で刺されそうでこわいのだ。と言った事から私は俊介を避けていつも行動している。


「ああ、自虐ネタはいいからおはよう日陰、お前今日はサボるんだろ?」


 恒例の挨拶とともに事実な事と皮肉を言うな私の自虐ギャクと捉え軽くスルーされる。

 私がサボるとなにも言っていないのに決めつけるとひどい幼馴染みだ。いや、サボりますけどね。

 なんだか、お見通しといった澄まし顔で見られムッとする。


「失礼な幼馴染みですね。ふふふ、清凉寺家の長女たる私が授業に出ずにサボるとでも?」


「ほぉ~では何故中庭テラス席で優雅にお茶をのんでいるのかな?もうすぐホームルームが始まる時間だけど?」


「いえ、紅茶を飲んだら行くつもりです。ですが紅茶を飲むのに時間がかかっているのです。そうです俊介様私に構っておられるとホームルームに遅れてしまいますわ。ささ、私の事はいいので自分のクラスに向かってくださいませ。」


「なぁ・・・いつも様付けしないくせにわざとらしく様を着けて俺をそんなにあしらいたいか?昔のようにしゅん君呼びでもいいんだぞ?」


「いや、この歳で昔のように呼ぶなどそれに対して家もついてきますしね?」


「どうせ、ネカフェあたりにサボりに行く予定だったんだろ?」


 なぜバレましたの?あっ何年幼馴染みしてると思ってるんだ?と言う顔を俊介はしてますね。なるほどそういうことですか思考もだいたい予測がつくとふむふむ、何度同じような話をしたと思ってる?っとあの顔で語らないでくれます?いえ、理解できる私もあれですが!!


 いつのまにか時間がたったのか予鈴聞こえてきた。

 さて、行きますかネカフェへ


 スッと立ち優雅に歩き出す。お嬢様擬態モードです。見る人はいないけど

 なにごともなかったようにしているとガシッと肩に手がのせられ動けなくなる。

 俊介のイケメンゴリラがぁアッアッイタッイタイ


「イッイタッちょ俊介放しなさい私はいかねばならぬです。イベントがイベントが私を待っているのでアイタタタタ」


 どんどん私の肩を掴む手の力が強くなる。


「抜け駆けはゆるさん、俺も行こうハムスターとかすぞ、日陰!」


 あーなーんだ、自分も誘えとそういことですか・・・勝手に着いてくるなりすればいいのに


「お前、俺が行かないと絶対きずかれないぞ、店長に」


 失敬な!!


「あーまずは自動ドアにすらきずかれないかもしれないな」


 失敬な!2回に1回の確率で開きますよ!!えっ普通は1回で開く?知ってますよ!!どうせ存在感薄いですよ!!


「あータクシーとか捕まえるつもりだったか?ならタクシー捕まらないかもしれないな」


 もうやめて私のライフはもうゼロよ、全て経験があるからつらいです。


「ふっん、俊介の存在感をつかってやりますよ!!行きますよ!!」


 俊介とともになにごともなく学園を出ると、俊介が呼んだタクシーに乗り込み目的地へ向かう。

 家の車を呼ばなかったのはサボったことがバレないようにするためだ。護衛はうまいことまいたし俊介のところはしりませんが多分あちらにはバレているでしょう。なんせ、私にはない存在感がありますからね・・・私を巻き込まないでくださいよ?俊介のおば様おじ様に俊介とともに説教とか流れでお母様にお父様やに知られてはかないませんからね。


私のことをよく忘れるくせにちゃっかり説教とかしてくるんですよね・・・

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る