魔法と強さ

私は弱いまま、一歩も進むことができない

 この世界に迷い込んでから一日半。高千穂さんと契約を交わしてから一夜が過ぎた。心を整理するための時間を欲していたわけではないけれど、それでも、チュートリアルもなく魔獣との戦闘に放り込まれるとは思っていなかった。

「ちいちゃん、ちょっと待って。少しだけ、ホントに少しでいいから」

 疲れから座り込んだ私を一瞥して、彼女は肩を竦めた。

「私とひよちゃん、少し休むから残りはお願いね」

 太刀を鞘に収める彼女の後ろで、薫さんと幸音さんは黙々と魔獣を屠っていく。目にも留まらない勢いなんて表現は想像の中の出来事だと思っていたけれど、彼等はまさにそれを体現していた。瞬くうちに一体の魔獣が斃され、その躰が塵となって霧散するときには他の個体が斃されている。それでも尽きることのない魔獣の群れに、怖ろしさを通り越して感心する。魔獣は人間の悪意の象徴だと高千穂さんは言い、ならば、これほどまでに人間は醜悪なのかと。

「もう、ひよちゃんってば。契約者になって身体能力は抜群に向上したはずでしょう? このくらいで音を上げていたら、魔女となんて到底渡り合えないよ?」

 出来の悪い生徒を宥めるような口調で言いながら、高千穂さんは隣に腰を下ろした。別に魔女となんて戦いたくないよと、突き放したくなるのをぐっと堪える。

「確かに体力は向上したけど、二時間も休憩なしだよ? よくやってるねって褒められてもいいくらいじゃない……」

「はいはい。よくやったわね」

 高千穂さんは微笑を溢し、私の頭に手を載せた。

「偉いぞ、ひよちゃん」

 視界がゆったりと揺れる。彼女の手は小さく、可憐で、血に塗れてきたとは思えない。

「子供扱いしないで」

 本当はもっと撫でていて欲しかったけれど、捻くれ者の私は彼女の手を振り払う。くすくすと肩を震わせる彼女には、私の天邪鬼なんて全てがばれているようだった。

「ねぇ、ちいちゃん。魔女と戦うくらいなんだから、私は魔法が使えるの?」

「やっぱり気になる?」

「下手すれば死ぬかもしれないんでしょう? 戦力は知っておくべきだから」

 とはいえそれが全てではない。高千穂さんはそのように表現しなかったけれど、今の私は《魔法少女》と呼ばれる存在に近い。幼い頃から女の子に憧れていた私なのだ。恐ろしい悪魔に勇敢に立ち向かう魔法少女にも、ずっと憧れてきた。

 この状況で魔法が使えないことの方が不都合とさえ言える。

「魔法はもちろん使えるわ。けれど、いろんな魔法を使い放題というわけじゃないの。強いて言うなら、一人にひとつだけの超能力みたいなものかな」

「それはちいちゃんも同じなの?」

「えぇ。神様から力を引き継いだのだから、それくらいの有利性アドバンテージは欲しかったけれど」

「そうだったらよかったのにね」

「……そうね。でも、それは少しだけ寂しいわ」

 魔獣の断末魔が響く。彼女の言葉は哀愁を纏い、人間から離れることを嘆いているようにも聞こえた。魔法の話をしましょうと彼女はそれとなく話転する。私も特に追求しない。

「魔法使いの錫杖、魔法を発動させるための媒体に当たるものが、私はこの太刀、幸音はダガーナイフ、薫くんは小銃アサルトライフル。そして、ひよちゃんは――」

「この弓矢?」

「そうね」

 促され、手元の弓に目を落とす。素材は黒檀。上長下短と特徴的な和弓の構造をしており、全長はおよそ七尺三寸と標準的。桜色の握り以外に装飾はない。

「どこか不満そうね。弓はお気に召さない?」

「……弱そうだなって。ちいちゃんのも、幸音さんのも薫さんのも素材は鋼なのに、私だけ木だよ。弓の強度なんて詳しくないけど、こんなのぽっきりと折れてしまいそうじゃない」

「媒体の強さは、この世的な物質とは無関係なの。心の強さだけに左右されるものよ」

「この弓そのものが、《心意》の具象化ということ?」

「えぇ。思い出して、その弓は誰から与えられたの? 誰からでもないでしょう? それはひよちゃんがその存在を自覚したときに、初めてこの世界に生じたの」

「……この弓が強くなるか、折れるか、全ては私次第ってことか」

 僅かに安堵するとともに、それならやっぱり駄目だと失望する。なぜなら、この世界で誰よりも私の心を信頼していないのは私自身なのだから。私はいつまでこの弓を握っていられるのだろう。今日? 明日? 終わりはそんなに遠くない。すぐにやってくると予感がする。

「それで、肝心の魔法はどうやって使うの?」

「基本的には媒体を具象化させているのと同じね。あとは心の持ちようだけ。どんな魔法になるのか、魔法を発現できるのか。全てを決めるのはここよ」

 高千穂さんは私の胸に手をあてがった。押さえられた心臓がとっくりと跳ねる。

「まぁ、言葉だけじゃ分からないわよね。模範演技といきましょう」

 事もなげに呟き、彼女は薫さんへと眼差しを送った。視られていることに気付いたのか薫さんはこちらを窺い、すぐに眼前の魔獣へと目を戻す。魔獣の数は半分以下になっただろうか。それでも、朽ちたビル群の間を犇めき合い、とめどなく黒い波が押し寄せてくる。薫さんと幸音さんが魔獣を屠る勢いも、目に見えて減じていた。

「そろそろそれだと限界でしょう! 魔法使ってよ!」

 彼の背中は面倒だと語っていた。要求に応える気配すら見せない。

「見せてくれたらひよちゃんがいいことしてくれるって!」

「いいことって何よ!」

 目を剥いて反駁した私に、彼女は「分かるでしょう」と肩を竦める。上擦ったイントネーションに殴り倒してやりたい衝動に駆られる。反射的に薫さんを見遣ると、黒砂と化して風に攫われていく魔獣に囲まれながら、彼は複雑そうに私を見つめていた。

「……変態」

「違います!」

 結局、あなたの悲願を成就するためにも戦力の確保は必須でしょう、との言葉に押され、彼は頷いた。《悲願》の意味することに引っかかりを感じながら、彼の挙動へと意識を凝らす。分厚い雲海をすり抜けてきた陽光が、彼の髪を淡く透かしている。彼の瞳は妖美に輝き、雰囲気は冷ややかに凍る。美しくもあり、怖ろしくもある容貌に瞳を奪われる。

 私の心、私の意識は全て彼に向けられる。

 鼓膜を震わせる声が響いた。それは滅び去った神様の言葉だという。意味は――

《私はここにいる》

《悪が栄えることを拒み、神の再臨を願う。この身命は安息のために、この心は秩序のために》

《私は契約者。悪を滅ぼすために血に染まる者。善を成すために血に塗れる者》

《汝が私を祝福するならば、不滅の威光を与えたまえ》

 詠唱が終息するとともに、彼の全身が眩いばかりの輝きに包まれた。輝きの下で彼は変貌する。飾り気のないパーカーは重厚な色合いのローブへと変わり、深く被せられたフードの奥では紅玉の瞳が静かに揺れている。手中のライフルも武骨な鋼の塊から、さんざめく色合いのコランダムへと変化した。彼がローブの裾を揺らせば、ライフルがもう一挺現れる。二挺のライフルを掴み、銃口を魔獣へと向け、引き鉄を引く。

「焼き尽くせ、プロメテウス」

 銃口から黒炎の弾丸が飛び出す。弾丸は魔獣へと吸い込まれていき、その躰を劫火が包む。肉が焼ける臭いと魔獣の断末魔がたちどころに沸き上がり、ふと、あの少女の姿を思い出す。あの魔獣の中にも人間が囚われているのではと思えば、胸が裂けるような痛みを覚える。

「魔法とは神々を宿すこと――。あれはプロメテウスの火よ。ゼウスの命に背きながらも、人間の幸福を願ったプロメテウスは、人間に火を賜った。彼の望み通り、人間は火を糧にして繁栄し、彼の意に反して、人間は火を用いて殺戮を重ねた。火は戦争の象徴となった。あの炎はプロメテウスの悲願であり、罪であり、全てを焼き尽くすまで消えることのない劫火よ」

 高千穂さんの言葉は半分以上が耳に入って来なかった。けれど、その中でも、人間が犯した神様への裏切りだけは心に根を下ろす。神話プロメテウスの結末は、火を与えられたことを咎められ、滅ぼされるというものだった。彼は人間の愚かさを知りながら、人間のために火を与えるのか。

「人間は勝手だね」

 私の呟きは誰の耳にも届かず、プロメテウスの火に紛れて消えていく。

 その後、幸音さんと高千穂さんの魔法も見せてもらった。幸音さんは雪の女神ポリアフを、高千穂さんは海神ネプトゥーヌスを宿していた。そのどちらも、プロメテウスの火に劣らず、目を覆いたくなるような力を秘めていて、彼等が魔法を発現させてから間もなく魔獣は跡形もなく消え失せた。頼もしさを感じるとともに、私の内では途方もない不安が募っていく。

 これほどまでに強烈な、残酷ともいえる力を以ってしても魔女を斃せないのかと。

「次はひよちゃんの番だよ」

 黙したままでいることを、承諾と受け取られたのかは分からない。けれど、そんな期待で満ちた眼差しで、そんな縋るような目で私を見ないで欲しい。

「どうした? やってみろ」

 きっと、彼に私を責め立てている意識などないのだろう。私の怯えに、彼は気付いていない。

 私はできない。魔法を発動させることなんてできない。それだけは断言できる。

 魔女を斃せばこの世界から脱け出せると、魔法少女の宿命から解き放たれると薫さんは言った。私を契約者にするために、私を女の子に作り変えたのだと高千穂さんは言った。だから、魔女を斃したら、魔女を斃してしまったなら、私は《僕》へと戻ってしまう。それは、嫌だ。あの日々には、僕として生きる世界には二度と戻りたくない。一度でも《私という幸せ》を知ってしまったからこそ、私が私でいられない地獄には戻りたくない。

 戻りたくないなら、どうすればいい? 私であり続けるためにはどうすればいい?

 魔法少女のままでいればいい。魔女を斃さなければいい。

 この世界から脱け出したい。女の子のままでいたい。相反する願いが私の内でせめぎ合い、互いに互いを喰らい合い、私の心を空っぽにしてしまう。友達だと、高千穂さんは私のことを呼んだ。それは私が契約者だから、魔女を斃す可能性を僅かにでも秘めているからに過ぎない。もしも私が彼女の望むような存在でなかったなら、望まれる存在でなくなったなら。彼女はそれでも私を友達と見做してくれるのだろうか。全ては不確定で、不明瞭。私の怯えが誘引させたくだらない妄想かもしれなくて、同時に、現実になるかもしれない未来。

「落ち着いて、ひよちゃん。大丈夫、あなたならできるから」

 腕を掴まれたことで意識が肉体に戻る。動悸は荒く、瞳が震える。世界は境界線を失くし、輪郭さえもおぼろとなる。不安からの過呼吸だと、受け取られているようだった。

 ……だめだ。高千穂さんも私を理解できない。私の心を知らない。

 硬直した腕を持ち上げ、矢を番える。どこかで見た、弓道の試合が脳裏に浮かぶ。

「想像して、自分の姿を。あなたが発動する魔法の姿を。神様なんて知らなくてもいいの。あなたの心に浮かんだ魔法に、最も見合う神様が力を貸してくれるわ」

 心の強さ。それが魔法の源泉だという。それなら、心の強さの源泉はどこにあり、心の拠り所はどこにあるの? 誰かを守りたいとか、世界を救済したいとか、そんな意志が心を強くするというなら、私の心は絶対に強くなれない。私は弱いまま、一歩も進むことができない。

(私には、無理だよ)

 放たれた矢に魔法が顕現することはなく、ビルの外壁に突き刺さり、沈黙した。

「やっぱり、薫くんみたいにはいかないか……」

 落胆した声音に、唇を噛み締め、表情を隠す。

「そんなに心配しなくてもいいのよ。普通は一発でなんてできないんだから」

 違う。そうじゃない。魔法を発動できなかった理由なんて分かり切っている。

 私が、僕だった頃の心を捨て切れていないからだ。


 魔法が発動できなかったからといって前線から退けるわけでもなく、朝の騒動が嘘だったのではないかと思うほどに静寂な街の中を、魔獣を探して歩き回る。近接型の高千穂さんと幸音さんを支援する形で、私は安全を充分に確保した後方から矢を射かけ続けた。手のひらの先から足の爪先に至るまで、矢を射るだけの機械と化す。心が騒ぐこともなくなった。あの少女、私が初めて出遭った魔獣に囚われていた少女の影も次第に薄れていき、遂には見えなくなる。

 矢を引き絞り、放つ。突き刺さる。そのたびに脳裏を過ぎっていた、あの中には人間がいるのだという意識はいつからか消え失せていた。代わりに芽吹いた感情は、これは救済なのだという驕りそのもの。滅亡した神様に代わって救済を果たしているのだという、身の程知らずともいえる傲慢な鎧で心を覆い尽くした。

 時は過ぎて夜を迎え、私達は休息をとる。悪魔と呼ばれるくらいだから、夜の方が活発になりそうなものだけれど、この世界に於いてはそうではないようだ。

「人間の心を喰らいに行ったのよ」

 魔獣は人間界に降りる。人間に悪事を働かせ、人間の堕落した心を糧とするために。明日の朝になれば、たんまりと人間の悪意を喰らい、肥え太った魔獣で街は溢れ返るのだろう。

 それまでの、ほんの僅かな慰め。そうかといって眠れるはずもなく、私は部屋から出る。部屋の外も内装は変わらず、無機質な廊下が続いている。廊下の終わりは見えず、ところどころに窓が設けられているだけで外に出るための扉も見当たらない。

 不思議なことに、煉獄に来てからというもの飢えと渇きを感じていない。反して肉体的な疲労だけは刻まれているようで、歩を進めるごとに疲弊した筋肉が痙攣し、微かな痺れが体内を駆け抜ける。十分程徘徊するうちに、上へと続く階段を見つけた。階段の先では天窓が開かれ、降り注ぐ月明かりに紛れて話声が聞こえる。澄んだテナーと甘ったるい幼声、あの二人だ。

 天窓から顔を覗かせる。そう遠くないところに二人は腰を下ろしていた。

「それで、遠里小野日和について、薫くんの結論は出たのかな」

 声をかけようとして、私の名前が出されたことで、喉まで出かかった言葉を呑み込む。

「彼女は魔法を発現できなかった。今後の展望は分からないとしても、薫くんに時間がないことを加味すれば、別の素材を探すべきだとも思うけどね」

 薫さんは何も答えない。

「黙っていてもどうにもならないよ。何も解決しない。薫くんの悲願を成就するため、君自身が生き永らえるためにも、彼女は充分な駒だと言えるのかな」

「……アイツは不十分だと思う。だが、殺そうとは思わない」

「彼女に情でも移ったのかな?」

「そういうわけじゃない。ただ、うまくは言えないが、アイツは珍しいんだ。幸音だって気付いているだろう? アイツには未知の領域がある。それは強さとは無関係かもしれないが、アイツが放つ矢を見ているうちに、そう感じるようになった」

 彼の言葉に誘発されて、脳裏に私が射かけ続けた矢の姿が浮かぶ。今にもぽっきりと折れてしまいそうな黒木の弓に、これまた黒木の矢。

「確かに彼女の矢は強いとは言えないね。魔獣を貫くわけでもなく、表皮に刺さる程度だ。それに比して威力も微々たるものだ。あれは強いと言えないというより、弱いんだよ」

 幸音さんの言う通りだった。

 心の強さが魔法の強さであるという定義が覆らない限り、私の矢は弱いままだ。

「彼女の心には誰かを守りたいとか、世界を救済したいという意志が介在しないどころか、魔獣を斃すことへの、誰かを傷付けることへの覚悟すらない。弱くて当たり前だ」

 私が守りたいものは自分だけ。女の子である今の私だけ。

 利己主義者エゴイストに、世界など救えない。救える世界などない。

「それは悪いことなのか?」

 沈みかけた意識は、彼の言葉に覚まされる。

「よいも悪いもないだろう? 僕達がすべきは魔女を斃すことで、そのためには強さが欠かせない。僕や晴香、薫くんだけの話じゃない。これまでに見初められてきた全ての契約者がそうであったように、強さは不可欠なんだ。……緋奈くんだって」

「緋奈のことは言うな!」

 突如として薫さんは声を荒げ、幸音さんの言葉が掻き消された。背けられた彼の貌には陰鬱な影が射しかかり、幸音さんの表情もどこか冴えない。

「――……強さが必要。確かにそうだ。幸音は何も間違っちゃいない。この世界で生き延びるためには強さが必要で、それが足りなかったせいで緋奈は死んだ」

 自嘲的な物言い。《緋奈》が死んだという事実だけが植え付けられる。名前からして女の子、推察するに薫さんの大切な人で、もうこの世界にはいないヒト。どこにもいないヒト。

「そんなことは分かってる。それでも俺は思う。本当にそれだけでいいのかと考えられずにはいられない。もっと他に、必要な何かがあるんじゃないかと」

「……薫くんも晴香と同じだね。論理的じゃない。感情論で物事を判断しようとするなんて、僕には理解できない。この世界で頼りになるものはね、冷酷無比なまでの客観性なんだ。事物事象に自分を織り込んでみなよ、その時点で、君の目は曇るんだ」

「お前がそんなこと言うなよ。心の強さなんて、それこそ曖昧な主観じゃないか」

「切り離すべきことは切り離す。それが賢い生き方だよ」

「それなら、俺は愚者で構わない」

 数秒ばかりの沈黙の後、幸音さんは深いため息を吐いた。頭上で輝く双月を仰ぎ、何かに思慮を及ばすかのように瞑目する。やれやれだと、唇が動く。

「強さ以外に魔女を斃せるものが本当にあるのだとすれば、僕は廉恥のあまり首を吊ってしまうだろうね」

「止めたりしないから安心して逝けよ」

「止めてくれよ、薄情だな。……うん、でも、できることなら見てみたいね」

 幸音さんの語調に軽やかな雰囲気が混ざる。

「薫くんが彼女を殺さないというなら、僕はそれを支持するまでだ。好きにすればいい。それで、薫くんが終わりの時に後悔しないというならね」

「お前の方こそ、随分と俺を試すじゃないか。そんなにアイツに死んで欲しいのか?」

「性分なんだ。許してくれ」

 そのように応えた幸音さんの表情はとても柔和で、月明かりに照らされた微笑と相まって、彼の雰囲気を繊細に作り変える。その姿はあたかも天使のようだった。美しさに似通った神聖な雰囲気、慈悲深さを象徴するような《光》が彼を彩っている。

 ふと、幸音さんと視線が交錯したように感じたが、彼にその様子は見られなかった。

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