巨影 5
気分がいい
力が無限に溢れてくるようだ
「ラウンド2・・・てか」
巨大な影が上空に向かい大きく飛び出す
『悠斗!生きてたんだな!よかった!』
マイクが大声で連絡してくる
「あぁ、なんとかな。チューニング深度は?」
『あぁ、さっきと同じ30付近だ』
「OK、あ、嶺二、これって僕が倒しちゃってもいい感じ?」
『できるのなら・・・てかそれフラグだぞ』
「ふふ、じゃあ見てろって!今の俺は前の俺の100倍強い!」
周りのオドを体に纏うイメージで・・・
ボッ
纏ったオドは強力な雷と化し悠斗の体を纏う
突然出現した雷の熱量で俺が立っている海上が一気に蒸発する
ちなみに、俺は海上に立っていた。まるで浮遊の魔術のように。僕に魔術なんて使えないし浮遊の魔術なんて高級魔術なんて使えるはずもない。
相手は空中、さっきみたいなミスはしない!
空中に飛び出しこちらに突撃してくるレイダーに向かい雷を一斉に放射する
周囲の海水を巻き込みながら雷がレイダーを襲う
だがしかしそれでも火力が足りない。
だが・・・
「こっちに向かってきてくれるなら好都合だ・・・」
拳に力を込めオドを貯める
「エンチャント・・・防壁のない素っ裸のお前を・・・」
大量の火炎が拳を覆う
「炭にして粉々にしてやる!!!」
火炎の拳が人の数十倍?下手したら数百倍の巨大な物体をぶん殴る
ちなみに超パワーアップしていたとは言え所詮人の拳
エンチャントの質が上がっていたりしていても超質量に勝てるほどパワーアップしているわけではない。
つまりこのまま行けば確実に押しつぶされる
だが、無知ゆえの戦術が積み重なりこの状況を打破することとなる。
海水、水は電圧を与えることにより酸化・還元し水素と酸素に分解する。
そしてここは広大な海、そして大量の雷撃による大量の水の電気分解による水素の酸素濃度。
そして水素濃度が4%以上混ざった気体が点火すると
水素爆発という核爆発が起こるのだ。
そして海、条件が整った気体が超範囲で分散しているこの状況で火炎の拳
当然、大爆発した。
大気を揺らし広範囲による核爆発。爆発に護衛対象を巻き込まなかったことだけが今における最大の幸運だっただろう。
だが、爆発から生じるソニックブームと大きな波は確実に船を襲う
「んだこれえええ!!!」
「嶺二!やばいって!すごい風!体が裂ける!痛い痛い!飛ばさる!」
なんとか船にしがみつき耐える。しかし音速を超え発生する真空波。生身で受けているんだ、僕たちがチューニングができない人材であれば今の一瞬で全身複雑骨折、そして海に放り投げられていただろう。
「いや、風だけならなんとかなる・・・!やべぇのが来るぞ」
「・・・壁?」
「波だ!」
見上げないと見れないほど高くそびえ立っている大きな大きな波が迫りくる
「ここはまずい、船に戻るぞ!」
嶺二、マイクはずっと大破した船の甲板にいた。護衛対象艦に行かなかった理由は万が一、戦闘力につられ護衛対象艦を襲ったら危険という判断のもとである。
だが、今はそんなこと言っている暇はなかった
「この壊れた船じゃこの波じゃ耐えられない、沈む!」
「でも、あっちの船も普通にやばいって!」
「いや、護衛対象は船自体がチューニングシステムが搭載されている、多少なら耐えられるはずだ!」
チューニングという技術は何も人間や生命体だけが使える技術というわけではない、銃、弾丸。戦艦などシステムさえ揃っていれば無機物にも効果があるのだ。
「わかった、今すぐ移動しよう!」
僕たちは護衛対象艦になんとか飛び乗った
「甲板はやばい、はやく船の中に」
「うん、だけど悠斗が!」
「あいつならきっと大丈夫だ、さっきも大丈夫だったし」
「・・・そうかもね」
俺たちは船中に避難した
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