巨影 2
「うおおおおおおお!!!」
それはまるでクジラが海上にジャンプしそのまま海に叩きつけられるうように戻っていく様に、あえて違うところは故意に船を潰す目的でその行為を行ったということだけだ
「いきてるかー!」
「なんとか・・・!」
船は真ん中で真っ二つに割れ今まさに沈没しているという状態だった
「くっそ、なんでこうもレイダーに鉢合わせるかね・・・」
「だね」
「しかもあれ前のタイタン種とかいうやつより遥かにでかい。どうするの?僕たちだけじゃどうしようもないよ」
「わかってる」
あたりを見渡したところ奇襲を受けたこともありまともに戦える人間が少数しかいない状態で船は護衛対象を除く船以外全てが大破、足場にするのも困難なほどである。
「レイダー反応はなかったんじゃないのか・・・」
「・・・反応があったらこんな最悪な状態は防げただろうな」
「くそ、どうするのさ嶺二!」
「うるせぇ!今考えてる!」
戦力の差は明らかだった
ざっと見積もってもレイダー等級は恐らくB以上はある
「くそ、なんでこうなった。ここで逃げても戦っても同じじゃないか・・・どうするどうする」
嶺二はブツブツと考えた後、僕たちに命令を出す
「マイクお前は最上さんに連絡がとれるかもう一度試してみてくれ、オペレーター無しでの戦闘は無理がある」
「了解」
先程から本部へ連絡はしているのだが連絡が通じない。恐らくあっちも観測はしているのか何かしらのアクセスは残っているのだがこちらもあちらも連絡がつかない状況にある。
「悠斗、お前、前の訓練場のあれって実力だよな?」
「あ、いや、どうだろう」
ぶっちゃけ覚えてないし実力ではない気がする
「・・・この作戦はお前が一番危険に晒される、お前が決めろ、やるか、他の作戦で行くか」
「他の作戦の場合は?」
「最悪全滅だ」
なるほどな
「・・・どうすればいい?」
「ありがとな、親友」
ぼくたちは前とは違う。
今だってテンパることなくレイダーと向き合えている。
勝てるかわからない。だけど―――
「嶺二!つながった!」
「よくやったマイク!」
ピィーガガガ
『やっとつながった!!大丈夫かい?!あと悪いが早急に状況を説明してくれるかい?』
「状況はレイダーの奇襲を受け護衛艦2隻が大破、他班も海に投げ出されたりレイダーの攻撃を喰らい負傷者が出ています。死者に関しては確認をする余裕がなくできていませんが、恐らく出ているかと、最後に俺が見える限り戦力は俺たち葛城班と3~4人ほどかと」
『ありがとうわかりやすかったよ、乗組員の避難は終わってるっぽいね。戦力が圧倒的に足りない・・・今すぐに救援を送る。護衛対象はどうなってる?』
「レイダーはなぜか護衛対象には興味を示しておらず俺たち護衛艦を狙って攻撃してきている節があるので、断言はできませんが今のところ大丈夫かと。今も現に攻撃せずに海底に進水したまま浮上してきませんし」
『了解、では君たちに指揮官として作戦を提案する。君たちは新兵でレイダーと接触はしたことがあるのは知っているが実戦は初めてだろう、そして通信状況が悪すぎる何かしらのジャミングがかかっている原因は今は不明。こちらからの通信は難しくなるだろう。だからこれは提案だ』
「はい」
『君たちに救援が到着するまでの時間稼ぎを提案する。レイダーの戦闘を提案する!』
僕たちはその連絡を聞き
絶望をするわけでもなく3人が3人同じ意見だった。
「了解!」
倒せるとは思えない、だけど時間稼ぎぐらいはしてやる!
無駄死になんかしてたまるか!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます