巨影

「セントレアとは違った感じでいいな」


僕たちは護衛任務のため船に乗っていた。


「ね、風が気持ちいね」


船は護衛艦2隻と護衛対象のタンカー船1隻


「のどかだなぁ・・・」


「おい、悠斗、今は任務中だぞ気合足りてねぇんじゃねぇのか?」


「ん~?でもさー」


足をパタパタとしながら腰掛ける


「全く・・・」


「おーい君たち」


僕たちが搭乗しているこの船には僕たち以外にもう2組の班が搭乗している


「あ、はい」


「仕事を手伝ってほしいんだけどいいかな?」


「はいもちもろん」


「ありがと、助かるよ。じゃああそこの荷物を積んでおいてもらえると助かるんだけど」


「了解です」


「さーて仕事だ仕事」


「おーう」


僕たちは与えられた仕事をするために言われた場所に向かう


「お、割と重いな」


「そだね、何が入ってるんだろう」


「最上さんが言うには弾丸とかそういう軍用物資だそうだ」


「へー、じゃあ慎重に扱わなくちゃね」


他愛もないことを話しながら僕たちは仕事をこなしていた


「ん?」


「どうした、手が止まってるぞ」


「いや、さっきから鳥がうるさくない?」


「ん~?あぁ確かに」


海鳥がけたたましく鳴きながら逃げるように飛行していく


「こんなに穏やかな波なのに上は騒がしいね」


海はまるで波が活動をやめたかのように静かだった


不自然なほどに


ザバーン


「ん?!なに?」


「後ろで大きな音したよな」


まるでクジラが海上に尾を出し海を叩いたかのような音と飛沫


「・・・」


嶺二が何やら海を見つめ苦い顔をし始める


「どうしたの」


「班長命令だ、客員武装展開の後、


「・・・まさか!」


ボゴォオオオン!!!!!


爆音とともに2隻あった護衛艦の一つが爆発四散する


「おいおい、いくらなんでもついてなさすぎる!」


「来るぞ!」


ゴォオオオオオオオオ


まるで護衛艦を狙って潰しに来ていると思えてしまう。


なぜなら


僕たちの乗っている護衛艦は今まさに


海上から浮上した巨大な黒い物体に押しつぶされようとしていたからだ。



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