8.自由落下細菌の独白

信号機の切り替わりに音を当てたらどんな騒音が街を壊してくれるか試そうとして口一杯に山水を含んで鉄塔に登った


焼けただれた胃臓の刻にもぐらが地上で声を殺して泣く


乱雑に組み立てられた幽霊の尾を追って森に入れば数日前の夕暮れがようやく霜を形成して谷間へ流れ込んでいく


百合さえ知らない荒野を走る一角獣にまたがった氷柱が閉じ込めた書物を読書する

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