2.貘の腹

まじくないのはじめに

ひじきのヒ素の囁きと

カタバミの他界を悼んでたたむトナカイの

点と線とを綿密に結べばすぶすぶと

統べられて亀甲があらわれるだろう

花の見頃の墓地へとつづく

スダジイの統治する森をくぐるがいい

旗のある高台で黒々した海を見晴らし人伝ひとづてにくる

ひきこもるハシバミを嗤うが

あわれ我割れ嗤い合う

かまどの窓もマドモアゼル

鬱屈のために裂けていく時雨のたびに

旅支度すべき調度の棄てられるべきと

呪言およぐ

時限式人生を惨敗した

バカな爆竹 バカな爆竹

貘の夢

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