新生活は波乱の嵐
皐月泰汰
第1話アニメ研究会
「ラブコメは正義だ。世界に革命を起こすだろう」
突如放たれる意味不明な宣言(?)に動揺もしない。
「またまた何言っているんですか。部長」
僕はいつも通りの返答をし、みんなも笑う。
「またまた意味不明なこと言って。まぁ本当に起こったら嬉しいですけどね」
どういう革命が起きるのかはわからないけど、機嫌を取るため賛同しておく。
「どういう革命が起こるんですか?」
天然な質問をした女の子は霧島千聖。アニメ研究会のメンバーのなかで唯一の女子。
「そ、それは・・・・」
言葉を詰まらせた部長こと荒木拓生先輩。アニメ研究会の部長であり、最上級生の三年生だ。
「お前。そこはそうなんですねぇ。とか適当に話し合わせればいいいんだよ」
「村尾(むらお)。それはそれでひどいけどな」
村尾智史。僕の名前で高校二年生だ。アニメ研究会の副部長で、千聖とは幼馴染の関係だ。え?部長とはって?ただの先輩後輩の関係さ。
「え。そうですかね?」
「ああ。そうとも」
「そうですか・・・」
少考するも結論は見えない。
「なら。どう言えばよかったんですかね」
「まさかの聞き返しか・・・」
部長は呆れているようだ。そりゃ絶妙手をとったわけではない。頓死するだろうなと思いつつ出した答えだった。だって本当にわからなかったから。しょうがないよね。
などと甘えたことを抜かしていると顧問の先生が部室を訪ねてきた。
「うーす」
「軽いな?!」
これもいつも通りだ。軽い挨拶で部室に入ってきて、僕が突っ込む。もう慣れたものだ。
「活動しているかー?」
「見ていただければわかるかと」
僕はそう言いながら机の上を指差す。机の上にはポスターやグッズが置いており、いかに
も『オタク』という雰囲気だった。実際僕はオタクだし、部長も生粋のオタクだ。ただ、
千聖はオタクではない。厳密にいうとアニメというもの自体興味はないらしい。なぜ彼女がこの部活にいるかというと去年の春に遡る。
新生活は波乱の嵐 皐月泰汰 @yamadakanata
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。新生活は波乱の嵐の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます