第4話
「ーなー」
ん?
「いなー」
この声、
「せいなー、起きなー」
目を覚ますと
目の前に莉璃ちゃんが
私の顔を覗き込んでいた。
「ヘァッ」
変な声出ちゃったっ。
「莉璃ちゃっ」
「はい、おはよう、ヨダレ拭きな」
慌てて口から漏れ出た
ヨダレを拭いた、恥ずかしい。
「こんなとこで何してんの?」
相変わらずクールだ
「あ、莉璃ちゃん、
待ってて、その。」
「あ、そなの、ご飯は?」
グウ〜〜〜
「うん、食べてないのね」
なんでこんな
恥ずかしいことばっかりっ
立ち上がった莉璃ちゃんが
白くて細い手を伸ばした
わしゃわしゃ
私の頭を雑に撫でて
歩き出す。
朝、少し早く起きて
アイロンを当てて
少し整えた髪の毛。
乱されるのは嫌なはずなのに
「コンビニ寄ろっか」
「あ、うん!」
急いで靴を履いて
隣を歩いた。
「どーだった?うちの学校」
「なんかまだ分からないけど
先生も校長も変わってるね」
「はは、でしょでしょ、
古谷先生も変わってるからなぁ」
いや、実際とても
変わってると思う
歩きながら学校のことを
少し教えてもらった
担任の先生や、校長よりも
変わった先生の話や
七不思議みたいな怖い話まで。
コンビニに入ってクリームパンと
ミルクココアをレジに出すと
「いいよ、入学祝い、
払ったげる」
そう言って莉璃ちゃんは
財布を出し、私は袋を受け取った。
莉璃ちゃんはコーラ片手に
メロンパンを食べている。
小さい頃と変わらず
小さい口に大きな
メロンパンを頬張っていた。
そんなとき後ろから車が来た
普通の車だけど…
「ぉぉーい、買い食いするなぁぁー」
窓から顔を出して
走行中、去り際に
そう叫んでそのまま過ぎていった。
実際のところ
何を言っていたのか
ほとんどわからなかった。
横にいる莉璃ちゃんは
手を振っていた
「あれ、古谷だねえ」
「え!?」
買い食い見られた?
大丈夫なのそれ!
笑いながらメロンパンの
最後の一口を私に出した。
汚れた純白の花 @Yukinami-k
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