作者

 はてさて、不運な事故、河野が地下鉄の出口から出た直後に襲われた悲劇、これにより酷い有様で死亡してしまった本作の主人公君ですが、まずはここの部分をお話していきましょう。

 彼の直接の死因は、地下鉄の出入り口を一階に備えた、東京の何処かの駅ビル近くに立つ高圧電線が張られた鉄塔。その鉄塔の碍子によって絶縁されている部分が切れて電線が脱落し、それが偶々河野にぶつかったのが原因です。

 本来であれば強度が特に考慮されているこの部分が、脱落することはなかなかに考えられない事ではあるのですが、そこはそれ、この作品にはとんでもない存在が居ますからね。

 そう、エネルギー意識体です。

 ここ、封印世界ストラトゥム・カルパー・テルミヌスの最外縁に存在するこの世界でも、この様な事態が起こってしまう事態になっています。

 そして、河野の特異体質、魔素を魂力へと変換する能力が高いことが、彼の死亡と共にラー・オホヒルメノムチに報告されるわけですが、これの少し後にオホヒルメムチ達は、最外縁にまでエネルギー意識体の干渉が行われ始めていることに気付きます。

 現在確認された事例はこの一件だけですが、今後このような事態が増加する事が予想される中、オホヒルメノムチは河野の魂に接触を図ります。

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