第十五話 運命を紡ぐセカイ
「小羽ーっ! 起きてよっ。小羽ってばっ」
ナズの呼びかけに目を覚ました小羽は大きなふかふかのベッドで体を伸ばす。
「んっ。んー……っ。おはよう。ナズちゃん」
「小羽。今日は何するの? 出発は明日だよね?」
小羽はベッドから降りてカーテンを開けた。少し、目をすぼめてナズに笑顔を見せる。
「いい天気だね……。城下町にでも行く?」
「うんっ! 行く行く! ナズはギラナダの城下町好きっ!」
「でも、迷子にならにようにね?」
「わ、わかってるってばっ」
晴れ渡る空の下。賑わいを見せる城下町を小羽とナズはゆっくりと歩いていた。二人は手を繋ぎ、街ゆく人々とすれ違う。
「小羽。ハインスの言ってた冒険者募集ってあれかな?」
ナズが指さす先には騎士団の紋章をつけた兵士たちとある建物に並ぶ冒険者たちの姿があった。
「す、凄い人だね……。冒険者ってこんなにいるの?」
「ナズはわかんないけど。長老様が話してたなー。昔は冒険者がたくさんいたんだって」
「へぇー。やっぱりこういう世界はそんなものなんだね」
「闇の精霊がいる限りはこうなんじゃない?」
小羽はナズの言葉に敏感に反応していた。ネリスに憑いていたという闇の精霊のことが気になっていたからだ。
「ナ、ナズちゃん……。ゆ、融合ってどうやるの?」
「ナズはわかんないよ。長老クラスの魔力の持ち主じゃないとできないみたいだし。ガッシュフォード様も同じこと聞いてきたけど……。やり方なんてわかんないよ」
「そうなんだ……」
「でもさぁ……。マリーが禁忌の魔術を使って融合したってことは……。もしかしたら、ずっと前からわかってたんじゃないかな?」
「……え? どういうこと?」
「生命に取り憑く魔術は熟練者じゃないとできないんだよねー。たとえ魔力が十分でも禁忌の魔術をすぐに使えるってことはそれを覚えないといけないってことじゃん?」
「じゃ、じゃあ。マリーさんは最初から無理なのはわかってたってこと?」
「ナズに聞かないでよ。そんなのわかんないよ」
「そ、そうだよね……」
この何気ない会話に小羽は違和感を覚えていた。マリーがどういう人物かは知らないにしても魔王の強さを知っていなければ前以って準備することはできない。
――マリーさんはわかってたのかな? わかってたにしても危ないことするかな……。んー……。マリーさんってどういう人なんだろう……。ガッシュフォードさんは私に似てるって言ってたけど……。
考えながら歩いているとナズが急に小羽の腕を強く引いた。
「小羽っ! あれ凄いね! あのお店見たいっ!」
「え、えっ? ど、どれ?」
「あの大きなお店! ……ラララン。ランラン。ラーララランってとこっ!」
小羽はナズの鼻歌に聞き覚えがあった。ナズが見つめている大きな店はギラナダ一の魔導具店。スカーレット魔導具店だ。
「あー……。ここ……」
「小羽知ってるの?」
「ナズちゃん。ここのお店はね。クワナのお家がやっているお店なんだよ?」
「ウソーっ! クワナのお店なの? 凄いっ」
「うん。ちょっとだけ見てみようか?」
「もっちろんっ! クワナの友達だって言ったら安くしてくれるかな?」
「そ、それはないと思うな……。それにしても大きいね。本当に凄いな……」
小羽とナズが見上げる建物はおよそ五階建てぐらいの大きなデパートのような店構えだった。もちろん。中には大勢のお客さんがごった返していた。
「す、凄い人……。ルメールとは比べ物にならない……」
「小羽ーっ。早く早くっ!」
ご機嫌な足取りのナズは小羽の手を握り、きれいに並べられた商品を見て目を輝かせていた。
――ナズちゃんって本当に派手なところが好きだなぁ……。
ナズに手を引かれ、果てしなく広い店内を回っていると一人の男性が焦った様子で走ってきた。ナズはその男性とぶつかって弾き飛ばされた。
「い、痛っ! 何すんのよっ!」
「だ、大丈夫? ナズちゃんっ」
「…………はぁはぁ……」
その男性の様子は明らかにおかしかった。小羽とナズとその男性を数人の警備員が取り囲んだ。
「おいっ! 商品の持ち出しは禁止行為だ。こっちへ来なさい!」
一人の警備員の言葉に動揺した男性は小羽を後ろから抑えつけた。そして、魔導具を小羽の顔に突きつけ、叫んだ。
「こ、この女がどうなってもいいのか! 魔導具を捨てろっ!」
警備員は持っていた魔導具を言われた通り床に捨てた。小羽は何が起きているのかわからない様子で目の前の魔導具を見ていた。
――な、何? 何が起きてるの? こ、これって危ない物なの?
男が持っている丸いカラフルな玉のようなものは爆発系の魔導具だ。爆発系といっても火力は弱く、緊急用の小さい爆弾のようなもの。小型のモンスター避けや、軽いものを吹き飛ばしたりする時に使用する魔導具だ。当然、目の前で爆発すればケガは免れない。
捕まった小羽を見てナズが叫んだ。
「あんた何なのよ! 小羽を離しなさいっ!」
男性は震えた声で言った。
「お、お前らが悪いんだ……。殿様商売しやがって! 私は小さい魔導具店を昔からコツコツとやってきたんだ! お、お前らさえいなければ……」
男は興奮した様子で小羽を抑えつけたまま後ろへ下がっていた。なす術のない警備員たちを尻目に男性は小羽を人質に逃げようとしていた。
――このままじゃ……この人も大変なことになる……。ど、どうすれば……。
その時。後ろから声が聞こえた。「目を瞑って下さい!」と厳しい声にもどこか優しさのある大きな声。その声の主に気づいた時には全てが終わっていた。
目の前は目も開けられないほどの閃光。それと同時に小羽の体はふわっと宙に浮いた感覚を覚えた。小羽が目を開けると床に転がって鎖で縛られている先程の男性。小羽の体を優しく抱きかかえる紳士の姿。その紳士は小羽に話しかける。
「小羽様。ご無事ですか?」
「…………」
その優しい声と顔に小羽は勝手に涙が溢れていた。
「おやおや……。相当怖かったようですね……。もう大丈夫でございます。何事もなくて幸いでした。怖い思いをさせて申し訳ありません」
「うっ……うわーん。ギニスさんっ」
「小羽様……」
ギニスは泣いている小羽を降ろした。小羽はそのままギニスに抱きついて泣いていた。ギニスは優しく小羽の頭を撫でる。
「ギニス。その子は?」
ギニスに近づく一人の男。背も高く、きれいな身なりの男が小羽を見下ろしていた。
「ウォン様。このお方はお嬢様のお友達の一色小羽様でございます。一度だけルメールのお屋敷に遊びにおいでくださいました」
「クワナの友達か。なぜ泣いている?」
「あはは。私が生きているのが嬉しかったのでしょう。小羽様。わたくしは無事に生きておりますよ。もう泣くのはおよしましょう」
「ううっ……。ギニスさん……ぐすっ……」
「何にせよ。危険な目に合わせて申し訳なかった。できる限りのお詫びをしたい。ギニス。彼女を私の部屋まで」
「はっ! 小羽様。こちらへ……」
「は、はい……。ぐすっ……」
ギニスに手を引かれた小羽にナズが抱きついた。
「ナズも行くっ!」
「う、うん。ギニスさん。この子も一緒でいいですか?」
「こちらのお方は?」
「ナズちゃんって言います。GMAの生徒でクワナとも友達です。私と一緒に冒険しているパートナーとでもいいましょうか……」
「ふっふっふっ……。何を隠そう―――」
小羽は慌ててナズの口を両手で塞いだ。そして、耳元でナズに囁く。
「ナ、ナズちゃん……。言ったらダメだよ?」
「なんで? ナズのおかげじゃん」
「で、でもダメなの!」
「こ、小羽がそう言うなら……」
不思議そうな様子でギニスはナズに声をかけた。
「ナズ様は前にどこかでお会いしましたか? 何と言いますか……。他人ではないような不思議な感覚があるのですが……」
その様子を見ていたウォンが口を開いた。
「まぁ、いいだろう。クワナの友達なら歓迎すべきだ」
「はっ! では。小羽様。ナズ様。こちらへどうぞ……」
ギニスの後をついていくと広く豪華な部屋に案内された。そこにはメイドが立ち並び、ギニスの姿を見たメイドたちは一斉に頭を下げる。ギニスはそれを見て背筋を伸ばす。
「とても大切なお客様をお連れした。最高のおもてなしを!」
ギニスのその言葉にメイドたちは無駄のない動きで行動を開始していた。ギニスは優しい笑顔で大きいソファーに腰を下ろした小羽を見つめる。
「このギニス……。再び小羽様のお世話ができること光栄に思います。しばしお待ちを」
「ギ、ギニスさん。あまり気をつかわなくても……」
「いえいえ。小羽様は特別なお方でございます。それに……わたくしめの魔導筆で随分とご活躍なされたとか……。お嬢様から全て聞いております」
「そ、そんなことは……」
その部屋にウォンが現れた。その独特な雰囲気に部屋は一気に緊張に包まれる。
「一色小羽さん……だったかな?」
「は、はい」
「クワナと仲良くしてくれていたことは聞いている。それに……ハインスとパーティーを組んでいるとか。……何にせよ。特別な客人であることには変わりない。遠慮はいらない。くつろいでくれ」
ウォンが葉巻を加えるとギニスはすかさず魔導具で火をつける。
独特な匂いが立ち込める中。メイドたちはティーカートを引いて現れた。それを見たギニスはメイドたちを部屋から出し、自らお茶を入れ始める。
「小羽様。ナズ様。ササダミの焼き菓子とハーブティーでございます。どうぞ……」
ギニスの仕草には無駄もなく、すかさずナズは焼き菓子を口に運んだ。
「おいしい! 何これっ! ササダミの匂いがするけど……こんなにおいしくなるの?」
「ナズ様。これはスカーレット家に伝わる伝統の焼き菓子でございます。お口に合われて光栄でございます」
「あの草がこんなにおいしくなるんだね。小羽も食べなよっ。おいしいよ?」
「うんっ。私もこれ好き」
小羽とナズはギニスのもてなしに幸せそうな顔を見せる。
そんな中、ウォンが静かに口を開いた。
「ナズ君は虹の精霊の姿をなぜ隠している? 何か訳があるのか?」
その突然の言葉にナズは飲んでいたハーブティーをブーっと口から噴き出した。
「ゴホッ! ゴホッ!」
「ナ、ナズちゃん。だ、大丈夫?」
ギニスはメイドたちに命じ、新しいお茶を用意するように促した。慌ただしくテーブルの上を片付け始めるメイドたち。それを見ながらナズは小羽に耳打ちをする。
「小羽……。もうバレてるじゃん。どうすればいいの?」
「そ、そんなこと言われても……。どうしてバレたんだろう」
ひそひそ話をする二人を見てギニスは笑っていた。
「小羽様。ナズ様。ウォン様は精霊使いにございます。あのハインス国王の師匠でおられるお方ですよ。ご自身の闇の精霊に聞いたのでございましょう……」
ウォンの闇の精霊は姿を晒した。ウォンの隣に現れた美しい女性は奥ゆかしく小羽たちに頭を垂れる。
「彼女は私を助けてくれた命の恩人だ。闇の精霊といっても害はない。ナズ君。君の決断と勇気に礼を言う。ギニスを救ってくれてありがとう。小羽さんも……大事な精霊の寿命を与えてくれたことに感謝をする。本当にありがとう」
―――カランカラン
ギニスは持っていた金属製のトレーを落とした。ギニスにしては珍しい失態だが、それを誰も責める者はいなかった。あのメイドのしつけには厳しいと言われるウォンでさえもギニスの流している涙に何も言えなかった。
ギニスは涙を流しながらナズの前に立ち、深く頭を下げていた。何も言わず頭を下げているその姿は一人の命を救われた者としての素直な姿であった。
「えっ? ちょ、ちょっと……。な、何?」
「ギニスさんは命をくれたナズちゃんにお礼をしてるんだよ」
ナズは照れくさそうに鼻をかいた。
「そ、そんなの……小羽が言ったからしただけだよ。て、照れくさいからやめてほしい……」
頬を赤らめるナズを見て小羽は頭を撫でる。
「それでもギニスさんはナズちゃんに一生懸命感謝を伝えているんだよ? 素直に喜んだらいいんだよ」
「う、嬉しいけど……」
ウォンが咳ばらいをする。
「ギニス。いい加減。仕事に戻れ」
「も、申し訳ございません……。そ、それでは失礼します」
ギニスとメイドたちが出ていくとウォンは小羽たちの近くに歩み寄り、向かいのソファーに腰を下ろした。
「小羽さんとナズ君は素晴らしい絆を持っているな。精霊使いではないにしろ。ハインスより精霊を活かしている」
「あ、あの……。クワナのお父さん……」
「ウォンでいい。クワナとは関係なく君に興味がある。……それで。何かな?」
「あ、あのですね……。ハインスさんの師匠というのは……」
「あぁ。本当のことだ。今じゃ精霊使いとしてはハインスには勝てまい……懐かしいものだ。あの女たらしが今じゃ国王だなんてな。笑ってしまう」
小羽は愛想笑いをしながら思っていた。
――ははは……。ハ、ハインスさんって昔から女の人が好きだったんだなぁ……。
「ど、どういった経緯でハインスさんはお弟子さんになったんですか?」
ウォンは笑いながら話し始めた。
「あれは魔族がニースを襲った直後だったかな―――
◆◆◆
当時、私はギラナダに店を出した直後でね。今みたいにここまでは大きくはなかった。ギラナダの町も当時はそこまで発展していなかった。やっと出した店を魔族の手によって潰されるのだけはどうしても許せなくてね。
そこで考えた結果。私は店を守るために冒険者志願をした。今思えば……浅はかというか。若かったというか。正直。精霊使いといっても連れていたのは闇の精霊だけ。多少の魔力しか持たない私は彼女の力を使い、魔導具だけで戦っていた。
「ラーミア。魔族の動きを感知できるか?」
「はい。マスター。右に二体。後ろから一体。私の力で魔導具の力を増幅させます。お気をつけて」
ラーミアは私と契約した闇の精霊だ。実に優秀で従順だった。
こういった言い方をすると誤解されるかもしれないが。私は妻を亡くし、クワナにも寂しい思いをさせていた。私自身も仕事に追われていたが、寂しいのには変わりなかった。そんな時に私はラーミアと出会った。
魔石を探しに入った地下迷宮で私は迷ってしまってね。奥まで入ったまではいいが。上級のモンスターに出くわしてしまった。もう終わったと思ったよ。先に逝った妻とクワナの顔。メイドたちや店の従業員の顔まで頭の中を一気に流れた。そして、私は死んだのであろう。気がついたらラーミアの顔が目の前にあった。
「…………。き、君は一体……」
「助けるつもりはありませんでしたが……。あなたの大事にしているものが悲しむと思い、勝手な判断を申し訳ありません」
「き、君は……私を助けてくれたのか?」
「あなたは誰かの名前を無意識に叫んでいました。モンスターに胸を貫かれた時も執拗にその名前を叫んでいました。その誰かを強く想う心を助けました」
「ど、どうやって……。私は死んだのか?」
「はい。あなたは一度死にました。私の寿命をあなたに……。どうして泣いているのですか? まだどこか痛みますか?」
私は気づかないうちに涙を流していたらしい。
「いや……。男が人前で泣くのは恥ずかしいものだ……」
「私は精霊です。人ではありませんが……」
私は彼女の前で本気で泣いたよ。妻とクワナの名前を呟きながら……。そして、彼女の優しさに触れた。闇の精霊が人族を助けたことに嬉しくてね……。
「君の名前を教えてくれないか?」
「私はラーミアと言います」
「では……ラーミア。私と結婚してもらえないだろうか?」
「結婚……いきなり飛躍し過ぎと思いますが……」
「君と一緒に居たいんだ。命を救ってくれたことなんてどうでもいい。私が君を守りたい。それではダメだろうか?」
「あなたに私を守ることは不可能です。魔力の弱い人族が闇の精霊を守るなどできる訳がありません」
ラーミアはかたくなだった。というよりは人族を信用してなかったのだろう。実際。私が彼女を守るのは不可能だ。一度助けられた時点で魔力の差は明らかであり、力のない私にはどうすることもできなかった。
「き、君の命を守ることはできない……」
「だと思います。ではこれで失礼します」
彼女が背を向けた瞬間だった。私は無意識に彼女を後ろから抱きしめていた。
「……何を?」
「私は君の命は守れない……。だが……君の心は守れる。私と共に生きてくれ……。命を与えるだけ与えといて私の君への想いはどうなる」
「…………。私は人族と関わりを持ってはいけない立場です。あなた方を生んだ虹の精霊とは敵対の関係です。それに私を連れているとあなたに迷惑がかかるのでは?」
「君を悪く言うやつは私が許さない。君が言われるということは私が言われているのと同じこと。君が死ぬ時があれば私も命を絶とう。命を共有したつがいだ。君のためなら命は惜しくはない」
「私の寿命ですので軽々しく命を口にするのは止めてほしいのですが……あなたに抱きしめられた温もりはとても心を揺さぶられます」
「す、すまない。命を軽々しく言ったのは謝るよ。でも、君を愛おしく思えたのは本心だ。私の妻になってほしい……」
「妻になるのはさすがに……。私は人族とは結婚はできません」
「ど、どうしてもダメなのか?」
「はい。ですが……。契約という形なら私はあなたの側に居られます。私もこれまで一人で生きてきてあなたの温もりや心に身を捧げるのは信頼に値します。どうしますか?」
その言葉に私は思わずラーミアの唇を奪ってしまったよ。そして、口づけを終えた後に言ったんだ。
「ラーミア……。愛している。私とずっと一緒に居てほしい……」
「はい。マスター。私はマスターのために全てを捧げましょう。で、ですが……。一つだけ約束をしていただきたいのですが……」
「約束?」
「はい……。私はあなたを生涯愛する覚悟を持ってこの契約に臨みます。で、ですので……他の女性とは……」
私はもう一度ラーミアを抱きしめて口づけをした。
「私が生涯を捧げる相手は君だ。二度とそのようなことを言わせないように約束する」
「マスター……。あなたに会えて良かった……」
そして、私とラーミアは契約をした。
それは私が精霊使いになるきっかけになり、あのハインスと出会う宿命を作った。
◆◆◆
―――今でこそハインスとは商売で繋がっているが……。ラーミアと出会わなければどうなっていたかわからない。こうして小羽さんやナズ君に会うこともなかったかもしれない。
だからこそだ。出会いというのは運命と錯覚したとしても大事にするべきだ。君が異世界から来てクワナと出会えたようにな……」
ウォンの言葉は重かった。自らの命と引き換えに出会い、生涯を約束した闇の精霊。それは誰が聞いても運命と呼べる出会いであった。
その話を聞いた小羽は改めて寿命を分けたナズに感謝すると共に。伝説のパーティーと出会えたことに何かしら運命を感じ始めていた。
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